カリス・ベッカー(Calice Becker)──花の一片を磨き、記憶に残る光をつくる調香師

カリス・ベッカーのスケッチと代表作品を掲載した調香師名鑑のサムネイル 調香師名鑑

香水は、最も美しい幻想なのです。

カリス・ベッカー、パフューマー&フレーバリスト「ザ・ジュース」、2017年

花は、どうやってボトルのなかに入るのだろう。

幼いカリス・ベッカーが母親に投げかけた問いは、そのまま彼女の仕事の出発点になりました。透明な液体から、目には見えない花が立ち上がる。その不思議を解き明かしながら、今度は自分で、現実には存在しない花や風景をつくっていくのです。

ディオール(Dior)の「ジャドール(J’adore)」、トミー ヒルフィガー(Tommy Hilfiger)の「トミー ガール(Tommy Girl)」、キリアン(Kilian)の数々の作品。広く知られる香水を手がける一方で、ジボダン(Givaudan)の調香師学校を率い、次の世代を育ててきました。

その作品に共通するのは、強い印象を残しながらも、どこか滑らかで、まとう人を拒まないこと。花、木、果実を小さな単位で磨き、一つの光のようにつないでいく。カリスの香水には、そんな丁寧な仕事が隠れています。

調香史

ロシアの記憶と、フランスの日常

カリスは1964年頃、フランスのパリに生まれたと紹介されています。カリス・アザンチェエフ=ベッカー(Calice Asancheyev-Becker)という名でも知られる、ロシアにルーツを持つ調香師です。

パフューマー&フレーバリスト(Perfumer & Flavorist)の人物記事によると、祖父母はロシア革命を逃れてフランスに移り、一時的な避難のつもりが、長い定住になったといいます。フランスで育ちながら、家庭のなかにはロシアの習慣や美意識が息づいていました。

母親は芸術家であり、彫刻家でもありました。展覧会に連れて行くだけでなく、何気ない暮らしのなかにも美しさをつくる人だったようです。

母は庭でお茶を出すとき、簡素な木のテーブルに美しい刺繍の布をかけ、磨かれたサモワールを置き、花を飾っていました。美意識が、あらゆるところにあったのです。私の仕事も、すべてを喜びにしたいという、その思いにつながっています。

カリス・ベッカー、サ・フルール・ボン(ÇaFleureBon)、2011年

一方、父親は数学者で、木を使った数学のパズルにも取り組んでいました。芸術と科学、美しさと構造。後のカリスの仕事を支える二つの要素は、家庭のなかにすでにあったのです。

4歳の頃、お風呂から上がった彼女に、母親がオーデコロンをつけてくれました。花からつくるのだと説明されても、ボトルのなかに花は見えません。どうやって入ったのか、どうやって出てくるのか。何度も質問したと振り返っています。

幼い頃には、別々の女性が同じにおいをまとっていることに気づいたり、台所で何かが焦げ始めるのを誰より早く察したりもしました。それは超人的な能力というより、香りに注意を向けずにはいられない子どもだったということなのでしょう。

医師になりたかった少女が、電話帳を開くまで

最初から調香師を志していたわけではありません。カリスがなりたかったのは医師でした。人を癒やしたいという気持ちがありましたが、数学者の父親の影響もあって理系の勉強を進め、エンジニアリング会社で研修を受けることになります。

ところが、その職場は自分には合わないと感じました。そこで母親が勧めたのが、香りをつくる仕事です。別のインタビューでは、才能に気づき、励ましてくれた三人の女性として、母親、叔母、そして後の師となるフランソワーズ・キャロン(Françoise Caron)を挙げています。

インターネットのない時代、カリスは電話帳を開きました。シャネル(Chanel)に電話をかけ、いくつもの会社に問い合わせ、香料会社に連絡すべきだと教わります。ヴェルサイユの調香学校には、化学の修士号が必要だと言われました。次の道を考えていた頃、グラースのルール(Roure)から面接の連絡が届いたのです。

学校に入ったときは、お菓子屋さんに来た子どものようでした。においを扱ってお給料をもらえるなんて、信じられなかったのです。学び始めたその日に、この職業に恋をしました。

カリス・ベッカー、フレグランス・ファウンデーション、2021年

当時は、女性が調香師として受け入れられにくい環境でもありました。2011年のインタビューでは、ある会社の経営者との面談で拒まれ、あなたの助けがあってもなくても調香師になる、と言って部屋を出た経験を語っています。その後、度胸のある人が必要だと呼び戻され、採用されたのだそうです。

すべてを一度の劇的な出来事で説明する必要はありません。ただ、電話をかけ続けたことも、引き下がらなかったことも、まだ知らない仕事へ向かう彼女の強さを伝えています。

ルール、クエスト、そしてジボダン

ジボダンの公式紹介では、カリスがグラースのルールで調香の訓練を始めたのは1985年です。本人は、4年間学んだ後、師について経験を積む過程を振り返り、フランソワーズ・キャロンとドミニク・ロピオン(Dominique Ropion)の名を挙げています。

1994年にはクエスト・インターナショナル(Quest International)へ。パリとニューヨークで仕事を重ね、トミー ガールやジャドールを生み出しました。

2007年、ジボダンによるクエスト買収に伴い、同社のヴァイス・プレジデント・パフューマーとなります。ファッションブランドの大きな企画から、創業者と密接に話し合うニッチブランドまで、幅広い仕事を続けてきました。

そして2017年3月、ジボダン調香師学校のディレクターに就任しました。自身が学んだ学校に、今度は教える側として戻ったのです。ただし、創作から引退したわけではありません。就任時の発表でも、学校を率いながら、選ばれた顧客に向けて香水をつくり続けることが明記されています。

香水をつくる人の仕事を、社会に伝える

カリスは国際調香師クリエイター協会(Société Internationale des Parfumeurs Créateurs、SIPC)の会長も務め、調香師という職業と、香りを創作する仕事への理解を広げてきました。2021年のインタビューでは、香水の創作が知的な作品として認められることを、最終的な目標として語っています。

個人としての評価も重なります。2019年5月には、フランスの芸術文化勲章シュヴァリエを受章。2021年6月10日には、米国フレグランス・ファウンデーションから、調香師の生涯功労賞にあたるライフタイム・アチーブメント・パフューマー賞を受けました。

その頃の取材で彼女が気にしていたのは、生涯の賞をもらうと、仕事が過去のものになってしまうのだろうか、ということでした。まだ取り組みたいことがたくさんある。2026年のインタビュー紹介でも、学校のディレクターとして次の世代を選び、育てる仕事が伝えられています。

小さなアコードを磨き、一つの香りにつなぐ

カリスは自分の調香を、絵画の筆遣いにたとえます。フェルメール(Johannes Vermeer)のように細かな変化を重ねる方法もあれば、ジョルジュ・ブラック(Georges Braque)のように大きな色の塊を置く方法もある。そのなかで自分が好むのは、小さな部分を丁寧に仕上げるやり方です。

小さなアコードをつくり、一つずつ磨き上げます。それから、同じように磨いた別の小さな部分を加え、互いを調整する。大きな筆遣いというより、エアブラシのように、あるアコードから次へと、とても滑らかに移っていくのです。

カリス・ベッカー、パフューマー&フレーバリスト、2017年

親しみやすい構造があること。しかし、すべてがすぐにわかってしまう香りではないこと。彼女はそこに、もう少し読んでみたくなる本のような抽象性を残そうとしています。

2017年の取材では、研究室には約1,400種類の素材がある一方、調香師が日常的に使うパレットは100〜300種類ほどだと説明しました。どの素材を選ぶか、その選択からすでに個性が始まるのです。これは当時の彼女による説明であり、すべての会社や調香師に共通する固定の数字ではありません。

好きな素材を尋ねられると、ビターオレンジの木から得られるものすべて、と答えています。花のネロリやオレンジブロッサム、葉や小枝から得られるプチグレン。さらにスズラン、ハニーサックル、ライチ、ベルガモットも、心惹かれる香りです。

商業的な仕事と芸術も、彼女にとって対立するものではありません。昔の画家や彫刻家にも依頼主がいて、納期や技術上の制約があり、工房では多くの人が制作を支えていました。香水の仕事も、それと大きくは違わない。条件のあるなかで、人の心に届くものをつくることを、彼女は肯定しています。

代表作と、その香りが生まれた背景

トミー ガール──日常のお茶を、新しいフローラルへ

1996年に発売されたトミー ガールは、カリスにとって大きな転機になった作品です。本人は2021年の取材で、ジャドールが市場で果たしたことを誇りに思う一方、香りの新しさという点では、トミー ガールのほうが大きな突破口だったと振り返っています。

この作品のお茶のアコードには、家庭の記憶がつながっています。サモワールでお茶を淹れ、珍しいお茶を楽しんでいた母親。その背景について、香水批評家ルカ・トゥリン(Luca Turin)とタニア・サンチェス(Tania Sanchez)の『パフュームズ:ザ・ガイド(Perfumes: The Guide)』には、カリスから聞いた話として、紅茶店の空気を分析したエピソードが記されています。

それによると、カリスの働きかけで、化学者ローマン・カイザー(Roman Kaiser)がパリのマリアージュ フレール(Mariage Frères)の店内の空気を採取し、独特の香りを調べました。そこから発展したお茶のベースが、トミー ガールにつながっていったといいます。

花の明るさに、お茶の透明感が重なる。飲み物の香りをそのまま写すのではなく、親しみのある記憶を、新しいフローラルの構造へと移した作品です。同書はトミー ガールを5つ星で評価し、その後の香水への影響にも高い評価を与えています。

ジャドール──五つの花と、父と母の記憶

1999年のジャドールで求められたのは、新しい千年紀を迎える香りでした。カリスが思い描いたのは、オランダの静物画にある、精緻な花束です。

女性にとって、人生の節目の儀式には花があります。だから私は、オランダの画家のような精密さで、最も完璧な花束をつくりたいと思ったのです。

カリス・ベッカー、パフューマー&フレーバリスト、2017年

スズラン、ハニーサックル、ジャスミン、バラ、スミレ。それぞれを独立したアコードとしてつくり、組み合わせると、複数の花に共通する部分が見えてきました。そこで、重複する部分を何度も積み上げるのではなく、一つにまとめたのです。その共通部分は、ジャスミン・サンバックのように香りました。

実在する五つの花を精密に扱った結果、どれか一輪ではない花が現れる。ジャドールの中心には、そうした抽象的な花束があります。

それを支える木の印象には、父親が加工していたアマランス材の記憶を使いました。紫がかった木を扱うときの、柔らかくクリーミーなにおい。果実の印象は、母親がプラムをバニュルスワインで煮ていたときの香りです。バニラビーンズ、シナモン、レモン、砂糖が重なり、甘さのなかに酸味が立ち上がる。

花、木、果実を別々につくり、それぞれを磨いてから、一つにまとめる。ジャドールの抽象性は、こうした具体的な暮らしの記憶に支えられているのです。

ビヨンド パラダイス──まだ見たことのない、熱帯の花

エスティ ローダー(Estée Lauder)の「ビヨンド パラダイス(Beyond Paradise)」は2003年の女性向け作品で、男性向けの「ビヨンド パラダイス フォーメン(Beyond Paradise for Men)」は翌2004年に続きました。

女性向け作品の背景として紹介されるのが、英国コーンウォールのエデン・プロジェクト(Eden Project)です。世界の植物を集めた巨大な温室の世界から、珍しい花や果実のイメージを香りに取り入れました。

ラエリア・オーキッド、ピンクのハニーサックル、マホニア・ジャポニカ、ジャブチカバといった名前が並ぶ香りの説明は、現実の植物園を訪ねるようでもあります。ただし、その魅力は珍しい名前の一覧だけではありません。異なる花々を重ね、まだ見たことのない一輪を感じさせるところに、ジャドールとも通じるカリスの仕事があります。

トゥリンとサンチェスも同作を5つ星で評価しました。ひとつの実物を忠実に写すだけでなく、理想の花をつくる。それもまた、彼女のいう美しい幻想の一つです。

キリアン──最初の試作で、心が通じた瞬間

2007年に始まるキリアン・ヘネシー(Kilian Hennessy)との協働は、カリスの重要な仕事の一つです。「ラブ ドント ビー シャイ(Love Don’t Be Shy)」「バック トゥ ブラック(Back to Black)」「ウーマン イン ゴールド(Woman in Gold)」など、ブランドの多彩な香りを手がけてきました。

彼女は、キリアンを創作のミューズのような存在と語ります。その関係がよく伝わるのが、2007年の「ビヨンド ラブ(Beyond Love)」のエピソードです。最初の試作を嗅いだキリアンは、それでよいと即座に答えました。

そのままにして。手を加えて壊さないで。完璧だから。

キリアン・ヘネシーの言葉としてカリス・ベッカーが紹介、サ・フルール・ボン、2011年

これは、すべての仕事が簡単に決まるという意味ではありません。カリスは同じ取材で、二人が望むものに届くまで、多くの試作と時間を重ねるとも説明しています。だからこそ、一度で通じた瞬間が特別だったのでしょう。

2014年の「セイクレッド ウッド(Sacred Wood)」では、マイソール産サンダルウッドを思わせるアコードが主役になりました。他の作品を支えるためのベースとして始まった組み合わせに、キリアンが独立した香水の可能性を見いだしたと紹介されています。

同じ年の「インペリアル ティー(Imperial Tea)」も、お茶に惹かれるカリスらしい作品です。ジャスミン茶を淹れたときの湯気、その繊細な立ち上がりを捉えようとしました。トミー ガールのお茶の記憶が、別の形で続いているように感じられます。

ヴェルヴェット オーキッド──四人で織る、滑らかな暗さ

トム フォード(Tom Ford)の「ヴェルヴェット オーキッド(Velvet Orchid)」は2014年の作品。「ブラック オーキッド(Black Orchid)」の世界を受け継ぎながら、別の花の表情へ向かった香りです。

カリスに加え、ヤン・ヴァスニエ(Yann Vasnier)、アントワン・メゾンデュー(Antoine Maisondieu)、シャマラ・メゾンデュー(Shyamala Maisondieu)が共同で手がけています。ラムやハニーを思わせる温もり、ジャスミンやローズ、オーキッドの花々、樹脂や木の深さが、布を重ねるようにつながっていきます。

カリスは、自分が暗い香りをつくるときでも、ビロードのような滑らかさを求めると語っています。強さをなくすのではなく、強さが肌に沿うように整える。その姿勢が、この作品名にも重なります。

ザ ムスク、インディゴ スモーク──柔らかさと、お茶の新しい景色

エッセンシャル パルファン(Essential Parfums)の「ザ ムスク(The Musc)」は2018年の作品です。ムスクを中心に、ジンジャー、ラベンダー、サンダルウッドなどを組み合わせ、包み込むような柔らかさを表現しました。2025年には「ザ ムスク エキストレ(The Musc Extrait)」も登場しています。

また、アーキスト(Arquiste)の「インディゴ スモーク(Indigo Smoke)」は2022年に発売されました。主題はラプサンスーチョンという燻香を持つお茶。ブランド創業者カルロス・フーバー(Carlos Huber)との仕事では、お茶への長い関心が、煙や木々を感じさせる風景へと広がっています。

学生に教えるのは、鼻だけでなく、自分を疑うこと

調香師学校でカリスが大切にしているのは、素材の名前や処方を覚えることだけではありません。自分の知覚が、いつも同じ状態ではないと理解することです。

結論に飛びつくのは簡単です。だから、いつも一歩引かなければなりません。私はメタ認知と呼ばれるものを教えています。香りを嗅ぐとき、その前に何を嗅いだか、いまどんな気分か、コーヒーを飲んだか。そうしたことが、大きな違いを生むのです。

カリス・ベッカー、フレグランス・ファウンデーション、2021年

明るい屋外から入った部屋は暗く感じ、暗い地下室から入れば明るく感じる。同じように、嗅覚も前後の状況に左右されます。鋭い鼻を信じるだけでは足りず、自分がどう感じているかを見直す必要があるのです。

教えるときにも、すでに答えを知っている課題ばかりを渡すわけではありません。2021年には、学生と一緒にイエローオリスの香りを調べていると話していました。自分も答えを探し、毎日何かを学ぶ。その好奇心が、教える仕事を支えています。

創作を助ける道具の進歩にも関心があります。写真や音楽に編集ソフトがあるように、香りにも調合を助ける道具が生まれるだろうと語ってきました。それでも、古典として残る質の高い香水を生む仕事には、調香師の判断と創造力が必要だと考えています。

ちなみに……香水を、誰かの記憶として守る

カリスはフランス西部の田舎で、馬や自然、家族と過ごす時間を大切にしています。乗馬、読書、料理、花を育てること。乾いた干し草や革のにおいも、彼女にとって心地よい香りです。

好きな芸術家にはミケランジェロ(Michelangelo)、ルノワール(Pierre-Auguste Renoir)、ラファエロ(Raphael)を挙げています。音楽ではリュリ(Jean-Baptiste Lully)、バッハ(Johann Sebastian Bach)、ロッシーニ(Gioachino Rossini)、モーツァルト(Wolfgang Amadeus Mozart)、プロコフィエフ(Sergei Prokofiev)、パガニーニ(Niccolò Paganini)など、多くの名前が続きます。作品の強さだけでなく、優しさや調和にも耳を傾ける人です。

映画では、リュック・ベッソン(Luc Besson)の『グラン・ブルー(Le Grand Bleu)』や、アリアーヌ・ムヌーシュキン(Ariane Mnouchkine)の『モリエール(Molière)』が好きだと話しています。尊敬する調香師はモーリス・ルーセル(Maurice Roucel)。自分にはない大胆さと、簡潔で強いメッセージを持つ処方を評価しています。

初めて自分で買った香水は「デューラー(Dürer)」、つくってみたかった香水はディオールの「ディオリッシモ(Diorissimo)」。母親はゲラン(Guerlain)の「シャリマー(Shalimar)」を使っていました。反対に苦手なのは、悲しみを連想させる病院のにおいです。

その感情への敏感さがよく伝わる話を、2017年に明かしています。大きな交通事故で一年以上入院した女性から、廃番になった香水を再現してほしいと頼まれたのです。事故の前、結婚する予定だった相手から贈られた、大切な香りでした。

幸い、その香りはジボダンで開発されたもので、カリスは再現して送り届けることができました。

香りによって、まだ歩くことができた頃の気持ちを取り戻せた、と手紙に書かれていました。涙が出ました。その手紙は、一生分のご褒美でした。

カリス・ベッカー、パフューマー&フレーバリスト、2017年

これは香水が身体を治したという話ではありません。失われた時間の感触に、もう一度触れられたという話です。医師になって人を助けたかった彼女は、別の形で、人の心を支える仕事にたどり着いたのかもしれません。

自分の無知を認めることが、知識への道なのです。

カリス・ベッカー、ノーズ・パリ(Nose Paris)のインタビュー

世界的なヒットを生み出し、次世代を教える立場になっても、まだ知らない香りを探す。花がどうやってボトルに入るのかと尋ねた子どもの好奇心は、今も彼女の仕事の中心にあります。

調香作品

主な作品を年代順に紹介します。発売年や共同調香師の記載は資料によって異なる場合があり、異なる版・再発売も区別して掲載しています。「—」は共同制作者の記載がないことを示し、必ずしも単独調香を意味しません。

ブランド 作品 共同調香師
1990 バルマン(Balmain) ムッシュ バルマン(Monsieur Balmain)・再調香版
1991 バルマン ヴァン ヴェール(Vent Vert)・再調香版
1996 トミー ヒルフィガー トミー ガール
1997(1992とする記録もあり) ヨープ(Joop!) ホワット アバウト アダム(What About Adam)
1997 マルベリー(Mulberry) マルベリー
1998 エイボン(Avon) ウィメン オブ アース(Women of Earth)
1999 ディオール ジャドール
1999 イネス ド ラ フレサンジュ(Inès de la Fressange) イネス(Inès)
2002 エイボン ドリームライフ(Dreamlife)
2002 ダナ キャラン(Donna Karan) ディーケーエヌワイ エナジー フォーハー(DKNY Energy for Her)
2002 ダナ キャラン ディーケーエヌワイ エナジー フォーヒム(DKNY Energy for Him)
2003 エスティ ローダー ビヨンド パラダイス
2004 エスティ ローダー ビヨンド パラダイス フォーメン
2004 ケイコ メシェリ(Keiko Mecheri) モガドール(Mogador)
2004 ケイコ メシェリ ポー ド ペッシュ(Peau de Pêche)
2006 トミー ヒルフィガー トミー ガール 10(Tommy Girl 10) スティーブン・ニルセン(Stephen Nilsen)
2006 ダナ キャラン ゴールド(Gold) ヤン・ヴァスニエ、ロドリゴ・フローレス=ルー(Rodrigo Flores-Roux)
2006 エスティ ローダー ビヨンド パラダイス ブルー(Beyond Paradise Blue)
2006/2007 ランコム(Lancôme) キュイール ド ランコム(Cuir de Lancôme) ポーリーヌ・ザノーニ(Pauline Zanoni)
2007 キリアン ア テイスト オブ ヘブン(A Taste of Heaven)
2007 キリアン ビヨンド ラブ
2007 キリアン リエゾン ダンジェルーズ(Liaisons Dangereuses)
2007 キリアン ラブ ドント ビー シャイ
2008 キリアン プレリュード トゥ ラブ(Prelude to Love)
2008 カルバン クライン(Calvin Klein) シークレット オブセッション(Secret Obsession)
2008 ダビドフ(Davidoff) シルバー シャドウ プライベート(Silver Shadow Private) ジャック・ユクリエ(Jacques Huclier)
2008 メックス(Mexx) エックスエックス バイ メックス ワイルド(xx by Mexx Wild)
2008 ローラ メルシエ(Laura Mercier) ピスタチオ パナッシュ(Pistachio Panache、2011年作品歴の表記)
2009 キリアン バック トゥ ブラック
2009 キリアン ピュア ウード(Pure Oud)
2009 トム フォード ジャスミン ムスク(Jasmine Musk)
2009 マーク ジェイコブス(Marc Jacobs) ロラ(Lola) ヤン・ヴァスニエ
2009 パイヤール(Payard) ベルガモット トリュフ(Bergamot Truffle)
2009 パイヤール ライチ ムース(Lychee Mousse)
2009 パイヤール ピスタチオ ガナッシュ(Pistachio Ganache)
2009 ヴェラ ウォン(Vera Wang) ロック プリンセス(Rock Princess)
2010 キリアン ラブ アンド ティアーズ(Love and Tears)
2010 キリアン ローズ ウード(Rose Oud)
2010 エイボン/エルベ レジェ(Hervé Léger) ファム(Femme)
2010 エド ハーディー(Ed Hardy) ボーン ワイルド フォーウィメン(Born Wild for Women)
2010 ダナ キャラン ディーケーエヌワイ デリシャス ライプ ラズベリー(DKNY Delicious Ripe Raspberry)
2010 マーク ジェイコブス ロラ ヴェルヴェット(Lola Velvet) ヤン・ヴァスニエ
2011 キリアン スウィート リデンプション(Sweet Redemption)
2011 マーク ジェイコブス オー ロラ(Oh, Lola!) ヤン・ヴァスニエ
2012 キリアン バンブー ハーモニー(Bamboo Harmony)
2012 キリアン フォービドゥン ゲームズ(Forbidden Games)
2012 キリアン イン ザ シティ オブ シン(In the City of Sin)
2012 キリアン ウォーター カリグラフィー(Water Calligraphy)
2012 ジェニファー ロペス(Jennifer Lopez) グロウイング(Glowing) キャロリン・サバス(Caroline Sabas)
2012 シックス センツ(Six Scents) ナッパ ノワール(Nappa Noir)
2012 オスカー デ ラ レンタ(Oscar de la Renta) ミ コラソン(Mi Corazon)
2012 オスカー デ ラ レンタ コラリナ(Coralina)
2012 オスカー デ ラ レンタ グラナダ(Granada)
2012 オスカー デ ラ レンタ オリエンタル レース(Oriental Lace)
2012 オスカー デ ラ レンタ サント ドミンゴ(Santo Domingo)
2012 オスカー デ ラ レンタ サルガッソ(Sargasso)
2013 キリアン フラワー オブ イモータリティ(Flower of Immortality)
2013 キリアン ゴールド ウード(Gold Oud)
2013 キリアン プレイング ウィズ ザ デビル(Playing with the Devil)
2014 キリアン インペリアル ティー
2014 キリアン イントキシケイテッド(Intoxicated)
2014 キリアン セイクレッド ウッド
2014 トム フォード ヴェルヴェット オーキッド ヤン・ヴァスニエ、アントワン・メゾンデュー、シャマラ・メゾンデュー
2015 イヴ・サンローラン(Yves Saint Laurent) カフタン(Caftan)
2016 キリアン ムーンライト イン ヘブン(Moonlight in Heaven)
2016 キリアン ノワール アフロディジアック(Noir Aphrodisiaque)
2016 ラルフ ローレン(Ralph Lauren) ライム(Lime)
2016 ラルフ ローレン ローズ(Rose)
2016 ニナ リッチ(Nina Ricci) レール デュ タン ローブ(L’Air du Temps L’Aube)
2016 ニナ リッチ レール デュ タン ル クレピュスキュル(L’Air du Temps Le Crépuscule)
2017 キリアン ウーマン イン ゴールド
2017 ロクシタン(L’Occitane) テール ド ルミエール(Terre de Lumière) シャマラ・メゾンデュー、ナデージュ・ル・ガルランテゼック(Nadège Le Garlantezec)
2017 ロクシタン テール ド ルミエール ロー(Terre de Lumière L’Eau) シャマラ・メゾンデュー、ナデージュ・ル・ガルランテゼック
2017 ナルシソ ロドリゲス(Narciso Rodriguez) フォーハー フルール ムスク(for Her Fleur Musc) ソニア・コンスタン(Sonia Constant)
2017 ニナ リッチ レール デュ タン ローロール(L’Air du Temps L’Aurore)
2017 ヴェルサーチェ(Versace) ディラン ブルー プールファム(Dylan Blue pour Femme) ナタリー・グラシア=セット(Natalie Gracia-Cetto、資料による)
2018 キリアン ムーンライト イン ヘブン クロワジエール(Moonlight in Heaven Croisière)
2018 キリアン キッシング(Kissing)
2018 エッセンシャル パルファン ザ ムスク
2018 ニナ リッチ レール デュ パラディ(L’Air du Paradis)
2019 キリアン ラブ ドント ビー シャイ オー フレッシュ(Love, Don’t Be Shy Eau Fraîche)
2019 キリアン ラブ ローズ アンド ウード(Love by Kilian Rose and Oud)
2019 カーナー バルセロナ(Carner Barcelona) サラド(Salado)
2021 キリアン ラブ ドント ビー シャイ エクストリーム(Love, Don’t Be Shy Extreme)
2022 アーキスト インディゴ スモーク
2022 キリアン コローニュ シールド オブ プロテクション(Kologne, Shield of Protection)
2022 キリアン セイクレッド ウッド 15周年版(Sacred Wood Anniversary Edition)
2025 エッセンシャル パルファン ザ ムスク エキストレ

参考文献