Q. デパート(百貨店)で香水を試したいのですが、何か気を付けた方が良いことなどあるでしょうか?

Q&A

A. これに答えるのは難しいですが、まずは自分が販売側だったらどうかを想像すればある程度の答えは出るかと思います。つまり、基本的には何も気にしなくて良いと思いますが、百貨店はスーパーとは異なるので、当然TPOに応じた気遣いはより良いとは思います。このことを踏まえた上で、販売員側なりに答えてみましょう。

服装や立ち居振る舞い

 まず香水の接客を受けたい場合、服装や立ち居振る舞いでその人のパーソナリティやイメージを考えやすいため、香りの好みだけに限らない提案をしてもらうことが可能です(もちろん販売員側にその能力が求められますが)。販売員によっては、「購入してくださるかどうか」を判断して接客態度を変える人もいるため、スーパーに行くような恰好ではなく、自分の中で百貨店に相応しいと思う服装で行くのは、自分が嫌な思いをしないためにも良いのではないかと思います。
 個人的には、百貨店は神聖で、それなりに綺麗な恰好をするのが礼儀だと思っていますが、これはそれぞれの価値観なので、好きにしたら良いと思っています。言葉遣いや立ち居振る舞いも同様で、下品さや気遣いのない行動は販売員だけでなく、客側にも求められるのではないかと考えています。

 上記はお客様側の基本ですが、販売員側の基本・当たり前としては、「見た目で判断してはいけない」ですから、見た目で判断する販売員に当たったら、「またきまーす」と言って、すぐ切り上げるのが吉だと思います。こればかりは意識の差、性格の差、価値観の差なので。ただし、相応の見た目(ブランドものという意味ではなく、清潔感のある見た目)をすれば、良い接客に当たる確率は高くなると思っています。

 素晴らしい香水販売員に幸運にも当たったのなら、初めに話したように本当は「香水を使うときに着るであろう服装」を着ていると新たな香りの発見にも繋がったり、初めての香りを選びやすかったりします。何を基準に香水を選ぶかは人によりますが、「使う場面」を考えることは、香水をつけている自分を想像しやすく、販売員側としても紹介しやすいです。特に初めて香りを選んでもらう場合は、自分の好みが分からない場合がほとんどなので。

入店時の振る舞い

 忙しそうにしている店舗には入らないことをお勧めします。理由としては、忙しい売り場は冷たい反応をされたり、接客も短い場合が多かったりするからです。客側としても気を遣う必要が出てくるため、ゆったりと香りを選びたいなら、忙しくなさそうな店舗を訪れることが良いでしょう。
 また、BAや販売員に声をかけた方がよいかという点については、売り場に近づいて、明るい声で「いらっしゃいませ」がなければ、その店で嗅ぐのはやめるのが無難です。これは素晴らしい販売員を見つける絶対的なルールで、接客をしていないのに、お客様に気づかず「いらっしゃいませ」がなければ、素晴らしい販売員である確率はかなり低いです(それを求めるかどうかはあなた次第ですが)。逆に言えば、明るい「いらっしゃいませ」が、通りかかるだけで飛んでくるような店舗なら、そのお店には入って香りを試させてもらうべきかもしれません。そういうお店は大概全員良いスタッフです。

 マナーとしては(香水を嗅ぐときの常識でもある)、ボトルのスプレー部分を直接嗅がないことです。来店した90%以上の人はこの行為を行いますが、仮に接客を受けたくないとか早く試したいという理由があったとしてもオススメしません。なぜなら、最高の調香師と呼ばれるエドモン・ルドニツカの言うように、スプレー先についた香りは香水ではなく、ただの香りのカスだからです。もし、あなたが香水を愛するなら、そんな不遜な真似はせず、ムエットがあればムエットにつけ、なければ販売員につけてもらうのがマナーかと思います。すでにつけられて放置されているムエットも同様の理由で、誰が嗅いだか分からない+いつの香りか分からないため、多少の参考にしかなりません。気に入ったものがあれば、必ずムエットもしくは腕につけてもらいましょう。

 ちなみに、ボトルを触って、裏などを見ていると初心者感が出るので、オススメしません(そもそもボトルの裏には香水について何も書かれていないのです)。また、買わないけど嗅がせてもらいたい!という場合は、他のお客様がいらしたときにすーっと遠慮して帰る/もしくはあちら接客してくださいなどと言うと、販売員側としては助かり、「良いお客様」という意識が残ります。

 最後に、香水を選び行くのであれば、香水は纏わず、香りの判断をしにくくなるため、強いニオイの食べ物やアルコールは避けるのが良いでしょう。

この記事を書いた人

香りの学び場「ルシェルシェパルファム」の運営者。
元香水販売員で、現在はとあるIT企業の管理職。
香水への愛が抑えきれず、自身の学んだことをはきだすサイトを作ってしまう。エルメス・フレデリックマルを主に愛用。

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