Q. 同じテーマの香りが多く紹介に困ります。どうしたらよいでしょうか?

Q&A

以下に示しますのは、現時点での私の理解および考え方となります。接客において、画一的な答えというのは無く、あなたが思うベストな接客手法を考えていくことがすべてにおいて重要だと考えます。参考にしながら、あなたの接客を完成させてください。

A. たしかに、様々なブランドから同じようなテーマの香りは出ていますね。もしあなたが1つのブランドではなく、いくつかのブランドを取り扱っている香水ショップの店員だとしたら迷うのも無理はありません。

 しかし、本当に全く同じでしょうか?ブランド・クリエイティブディレクター・調香師・香水が作られた時代・ボトルデザインが異なる時点で、「何を描こうとしたか」は違う可能性が高いです。

 例えば、ロードゥイッセイ(イッセイミヤケ、1992、ジャック・キャヴァリエ)とアクアユニヴェルサリス(メゾンフランシスクルジャン、2009、フランシス・クルジャン)は同じ「水」をテーマにした香水でも全く違います。
 「水」というテーマに絞って違いを言えば、前者は香水があまり好きではない三宅一生が、香水に必要不可欠な「水」の香り、これこそが最高のフレグランスだと考え、作ってもらった香水である一方で、後者はすでに自身のブランドまで生み出したクルジャンが「万能の水」という名をつけ、「素肌と洗い立てのシャツの間にある清潔感」をテーマに作ったモダンなオーデコロンになります。

 つまり、一見、同じようなテーマに見えても、内容は異なることが往々にしてあるので、まずは「なぜこの香水を作ったのか」という疑問を常に持ち、調べてみると解決の糸口が見えると思います。

この記事を書いた人

香りの学び場「ルシェルシェパルファム」の運営者。
元香水販売員で、現在はとあるIT企業の管理職。
香水への愛が抑えきれず、自身の学んだことをはきだすサイトを作ってしまう。エルメス・フレデリックマルを主に愛用。

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