Parfums de la Bastide
パルファムドゥラバスティード

基本情報

創設:2014年
創設者:ウィリアム・ブエレ&アン・セシル・ヴィダル
公式サイト:英語(日本代理店はこちら

創設者

(プロヴァンス地方にある農家の)住宅・邸宅の香り」という名のブランドネームを持つパルファムドゥラバスティードは、2014年に南フランスのプロヴァンスで、ウィリアム・ブエレ(William Bouheret)アン・セシル・ヴィダル(Anne-Cécile Vidal)の2人によって誕生しました。

 ウィリアム・ブエレは、コティのヘアケアブランドであるウエラ(Wella)で1996年から7年働いた後、P&Gプレステージ香港の最高財務責任者とマックス・マーラパルファムミラノの最高執行責任者(2003年9月~2008年4月)を務め、2008年からグタールパリにマネージングディレクターとして入社し、最高業務責任者までのぼりつめた人物です。

 一方、アン・セシル・ヴィダルは、パリの老舗百貨店ルボンマルシェ(Le Bon Marche)のバイヤーを4年務め、ディオールのクチュール部門でマネージャーおよびディレクターを8年近く務めていました。その後、アニックグタールにて幹部クラスのポジションを4年務めています。

 2人は、香水業界が、香りではなくイメージやマーケティングに偏っているのではないか、と感じ、マーケティングもしない、売上目標や予算も決めない、マーケットではなく、自分たちの時間に合わせたブランドを創設することを決めます

全製品がプロヴァンス地方のいろいろな土地をテーマにしているのでプロヴァンスを旅しているように感じられると思います。

ウィリアム・ブエレ

ブランドのこだわり

一番のインスピレーション源はフランスのワイナリーです。特に、高級なワイナリーの哲学から影響を受けました。偉大なワインを意味する“グラン・ヴァン”を生み出すワイナリーでは、“テロワール”といわれる要素、それはブドウが育つ場所や気候、土壌を意味しますが、それらを非常に重視してワインを造ります。それと同じことを香水でもやってみようと。われわれにとっての“テロワール”は南仏プロヴァンスであり、その土地の気候や風土から最高のものを引き出して香りで表現したいという思いから生まれました。

ウィリアム・ブエレ

 ブランドネームを「Parfums de la Bastide(農家の住宅の香り)」としたのは、プロヴァンス全体の魅力を体現しているのが農家の住宅であったからです。伝統と現代が融合する素晴らしい場所、それがプロヴァンスであり、そのプロヴァンスへの愛を表現し、伝えようと生まれたブランドがパルファムドゥラバスティードになります

香料・成分

他の多くのブランドと同じように、記憶や感情、夢から香水を創ることもできますが、我々はそれを望んではいません。

我々のアプローチはルーツに戻ることです。原料が先に来て、クリエイションの中心をなすのです。

ウィリアム・ブエレ

 香料は、基本的に創設者の2人が最も美しい天然香料を供給していると考えているロベルテ社のものを使っています。そして、各香りのメインテーマになるものは、プロヴァンスに由来する花や果実といった自然になります。例えば、マントン(Menton)のレモン、ソリエス(Sollies)のイチヂク、グラース(Grasse)のローズ、ヴァロリス(Vallauris)のブラッドオレンジ、ソー(Sault)のラベンダー、トゥレット(Tourrette)のスミレなどです。ここにもプロヴァンス愛が溢れているのが分かります。

 そして、各製品は、それぞれのエキスパートの職人(アルチザン)たちによって作られています。そのアルチザンとは、ロベルテ社の調香師やキャンドルマスター、ソープマスター、しかも、これらはすべてプロヴァンスの会社・工場で働く人たちです。いかにプロヴァンスにこだわっているかが分かります。
 ちなみに、ブランド当初は、ロベルテ社の30人の調香師に作品を出してもらい、200以上の作品の中から5つを選び、興味深いことに調香師の創造力を尊重して、普通ではありえない「手直し無し」で採用されたそうです。

 どの香りも最低12%以上の濃度を持ち、肌と香りの間に何の隔たりもなくすために着色剤やUVフィルターは使わないようにしています。

不使用宣言

創業者の考えから、なるべく自然に近いものを作るために、多くの成分を使わないようにしています。
・保存料(BHT)不使用
・着色料不使用
・メトキシケイヒ酸エチルヘキシル / ブチルメトキシジベンゾイルメタン / サリチル酸エチルヘキシル不使用
・界面活性剤不使用
・EDTA / フタル酸エステル類 / PEG / パラベン不使用
・動物実験なし(クルエルティフリー)
そして、フォーミュラの95%以上が生分解性を持ちます。

 最後に、マチュレーションマセラシオンをきちんと行っていることを明言している数少ないブランドになります。

パッケージ

 エコなパッケージにするために、無駄なものは除き、パッケージを重要視しすぎることは避けています。リサイクル可能だと分かりやすい紙を使い、インクの量が少なくてすむようにシルクスクリーンの技術(キリアンもリカーズのボトルに使用している)を使っています。

 すべての製品は、手作業でスタンプされたロゴつきのパウチの中にティッシュとともにおさめられています。

ナチュラルをうたうブランドは今多く出てきていますが、香りのシグネチャーという意味では少し物足りません。われわれはそうしたシグネチャーとなる香りを持ちながら、ラグジュアリーという位置づけの中でホームフレグランスを展開しています。

ウィリアム・ブエレ
この記事を書いた人

香りの学び場「ルシェルシェパルファム」の運営者。
元香水販売員で、現在はとあるIT企業の管理職。
香水への愛が抑えきれず、自身の学んだことをはきだすサイトを作ってしまう。エルメス・フレデリックマルを主に愛用。

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