エンジェルハート(Angel Heart)―全女子を虜にした最初の香り

ブランド創業者

私たちは香文化に着目し、見えない記憶、想いを形にしてまいりました。 そこから生まれる想いは、トレンドを生み、それはファッションという無限の世界で活躍し始めています。
はじめの一歩!は、どんな人にも、どんな人生ステージにも必ず存在します。私たちはその一ステップづつを貴方と寄り添って創造し続けていきたいと願っています。

― 天野喜則(株式会社エンジェルハート 代表取締役)

基本情報

設立: 2001年12月4日(当初社名:有限会社アメーズユープランニング)

創設者・代表者: 天野喜則(代表取締役)

公式サイト: http://angelheart-perfume.co.jp

創設者・ブランドの成り立ち

2001年の創業——東京・台東区から

2001年、東京都台東区三筋に、化粧品・香水の企画、製造、販売、通信販売、輸出入を事業目的とした有限会社アメーズユープランニングが設立された。会社名の「アメーズユー(Amaze You)」は直訳すれば「あなたを驚かせる」。その名のとおり、ブランドのフィロソフィーには「驚きを大切に」という言葉が今も受け継がれている。

翌2002年6月、いよいよ香水「エンジェルハート」の販売が開始された。ターゲットは10〜20代の若い女性。甘くフルーティーな香りと可愛らしいハート型ボトルは、香水になじみが薄かった日本の若年層に受け入れられ、口コミを通じて瞬く間に広がっていった。

海外の高級メゾンが席巻する香水市場において、日本のブランドが独自のオリジナルフレグランスを企画・開発し全国展開するという試みは、当時としてはめずらしいものであった。貿易会社・ウエニ貿易の英語プロフィールには「日本のクオリティフレグランス・ブランドのパイオニアとして知られている」と記されており、その自負がうかがえる。

急速な成長と全国展開

2004年、化粧品製造販売業許可を取得。2005年には大阪・九州へ支店を新設し、全国展開を加速させた。同年8月には香水に加えてシャンプー、コンディショナー、ボディーソープといったバスコスメへもラインを拡張、さらに同年秋には国内香水メーカーとして初となるバスコスメのテレビCMを放映した。翌2006年10月には香水のテレビCMも放送、これも国内香水メーカー初の試みとされている。テレビCMが流れ始めたことで認知度はさらに拡大した。

2007年、俳優の浅野忠信がブランドのイメージキャラクターに起用された。就任イベントで浅野は男女両用香水「ライオンハート」をまとって登場し、「男では出すことのできない香りがたまらない。男の人ももっと香水をつけた方がいい」と語った。有名俳優の起用によりブランドの認知度はさらに高まった。

社名変更とブランドの成熟

2010年、社名を現在の株式会社エンジェルハートへ変更。主力商品であるフレグランスが広く浸透したこのタイミングで、会社名をブランド名に統一し、フレグランスの企業としてのアイデンティティを明確に打ち出した。資本金は7,112万5,000円。

2013年には本社を東京都新宿区新宿へ移転。現在もここが拠点となっている。

2014年には元AKB48の板野友美がイメージキャラクターに就任した。板野は「中学生のころからずっとつけてきた香水なので、そのイメージキャラクターとなることができてすごくうれしいです。繊細な香りなので、初めての方もつけやすいと思います」と語った。ブランドを中学生時代から使い続けていたという板野のコメントは、エンジェルハートがティーン層に深く根づいていることを示すエピソードとして広く伝えられた。

2015年には、パイロットコーポレーションの人気文具「ドクターグリップCL」とのコラボレーションを実現。シャープペンシルや油性ボールペンにハート型ミニ香水が付属するという珍しい商品は、同ブランドが中高生女子の文化圏に深く入り込んでいることを改めて示した。

ブランドのこだわり

「香りに物語を」という哲学

エンジェルハートが提唱するブランドコンセプトは「トキメキを形に、心に寄り添い、勇気の一歩をサポートし続ける」というものだ。単に「良い香りの香水を売る」のではなく、香水を身にまとう人の心情や物語に寄り添うことを目指している。

当社の差別化ポイントは、各製品に完全な『ストーリー=コンセプト』を創造し、唯一無二のものにすることである。これはフレグランスそのものだけでなく、使用時に生まれるライフスタイルも提供するという意味だ。

各香水に付されたキャッチメッセージ——「魅悪魔的天使の装い」「とことん可愛い女子へ」「クールに、そして大胆に」——はこの哲学の具体的な表れである。

ハート型ボトルの意匠

ブランドのシグネチャーともいえるのが、鮮やかな色彩のハート型ボトルである。視覚的な楽しさは、フレグランスの選定において「香り」に加えて「見た目」の喜びも重視するというブランド方針を反映している。公式サイトのブランド説明文には「ファインフレグランスを日本人の生活習慣に溶け込む香りとしてご提案しつつ、視覚にも楽しい形状や色合いを積極的に採用することをブランドの特徴としております」と記されている。

各ラインのボトルカラーや形状は、香りのイメージと連動してデザインされている。たとえば「エンジェルハート オードトワレ」の赤いハートボトルは「無垢な遊び心と内に秘めた情熱」を表現、「ピンクピンク」の淡いピンクのボトルは「桜色のシフォンスカート」をイメージ、「ライオンハート ビューティー&ビースト」はブラックで「セクシーな大人の女性」を演出している。持っているだけで気分が上がるデザインへの徹底した配慮が、ブランドの一貫したこだわりとなっている。

フランス産香料とのこだわり

一部ラインではフランス人調香師を起用し、本格的な香りづくりを追求している。「シャンベリー(Chamberí)オードトワレ」の商品説明には「フランス人調香師が日本女性の柔らかく可憐な姿をイメージ。少女から洗練された大人の女性まで、長きにわたって心地よく寄り添える新定番の香りを創作した」とある。さらに商品紹介では「エンジェルハート発売以来約20年、フランスの香りにこだわり続けたエンジェルハートシリーズ」とも記されており、フランス産香料への誇りがうかがえる。また「スティックパフューム エンジェルハートシリーズ」においては、フランス産香水香料を使用したワックスベースのフレグランスが展開されている。

リーズナブルな価格設定

高価格帯の輸入香水が多い中、エンジェルハートは一貫して手に取りやすい価格帯を維持している。10mlサイズを1,000円台後半から、50ml・100mlも5,000円前後で提供し、「香水デビューをためらわせない」価格設定を意識している。国産ブランドであることで輸入コストを省き、その分を価格に反映させている点が強みといえる。

香水ラインナップ

定番2大シリーズ:エンジェルハートとライオンハート

ブランドの中核をなすのが「エンジェルハート」と「ライオンハート」の2大シリーズである。

  • エンジェルハート オードトワレ(赤いハート型ボトル):アプリコット、マンダリン、パイナップル、グレープフルーツのフレッシュなトップから、ピーチ・フリージアのミドルへ、最後はホワイトムスク・アンバーグリスに落ち着く。「魅悪魔的天使の装い」というキャッチで、甘さと清楚さの二面性を表現したブランドの代名詞的な一本。
  • ライオンハート オードトワレ(青いハート型ボトル):マリン、ベルガモット、カルダモンの爽やかな出だしから、アプリコット・シダーのミドルへ、アンバー・ムスクで締めるユニセックスな香り。「クールにそして大胆に」のメッセージを持ち、男女ペアでの使用も想定されている。

浅野忠信もこの「ライオンハート」のユニセックスな香りを評価し、イベントでも積極的に紹介していた。

エンジェルハートの派生ライン

エンジェルハートラインの派生には、
ピンクピンク(南国フルーツ&ムスク、淡いピンクボトル)、
シャンベリー(フランス人調香師作のアップルピーチティー、トリコロールカラー)、
クレイジーフォーユー(トロピカルフルーツ+バニラクリームのスイートオリエンタル、メタリックゴールドボトル)、
ヴェローナ(アイスオレンジティーのシトラス系、リボン付きハートボトル)などがある。

ライオンハートの派生ライン

ライオンハートには複数のバリエーションが存在する。
ビューティー&ビースト」はブラックのスタイリッシュなボトルを持ち、グリーンカシス・ライチから始まりダージリン・カルダモンのスパイシーなミドルへ展開するセクシー系。
ブラックビーチ」は海塩のソルティな香りを組み込んだアクアシリーズ。
ベルセルク」は北欧神話の戦士をインスパイアしたシトラスグリーン系で、メタリックシルバーのパッケージが印象的。

エンジェルハニー

独立したラインとして位置づけられる「エンジェルハニー」は、アッサムティーとアップルを中心にした落ち着いた大人の香り。「控えめに美しく煌めく」というメッセージを持ち、ヌーディオレンジのシックなボトルに仕上がっている。

ロマンチックドロップスシリーズ

花の形をしたパッケージが特徴的な「ロマンチックドロップス」シリーズは、スイーツのような甘い香調を中心に展開。「恋にまっすぐ届く香り」という世界観のもと、ベルガモット・ラズベリー・ムスクが重なるフローラルフルーティーなコレクションである。

バイエンジェルハート(By Angel Heart)

2020年代に入り、よりティーンに特化した新シリーズ「バイエンジェルハート」がドン・キホーテとの共同開発によってスタートした。Z世代・α世代の声を直接反映し、価格帯をさらに抑えた設計が特徴。2025年には、ニコラ誌・ドン・キホーテとの三社コラボによる「青春エモフレグランス」全6種が誕生。1,200人以上の10〜20代へのアンケートをもとに、香りの選定からボトルデザインまでを若者目線で作り上げた意欲作となった。

  1. 会社概要 – 株式会社エンジェルハート – https://angelheart-perfume.co.jp/company_overview.html
  2. 株式会社エンジェルハート 公式サイト – https://angelheart-perfume.co.jp
  3. 「エンジェルハート、『PARFUM BAR』を魅力的な売場として期待」– 週刊粧業 – https://syogyo.jp/news/2015/10/post_012721
  4. 「浅野忠信、男の先輩にはあげたことある」– オリコン – https://beauty.oricon.co.jp/news/47548/full/
  5. 「Angel Heart / エンジェルハート」– Parfumo – https://www.parfumo.com/Perfumes/Angel_Heart/Angel_Heart__Eau_de_Toilette
  6. 「大人気クリエイター『しなこ』が初の香水プロデュース!香水ブランド『エンジェルハート』と待望のコラボレーション」– PR TIMES – https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000002.000168740.html
  7. 「【Z〜α世代1200人に聞いた】令和のティーンがいま、本当に欲しい『香水』が誕生!!」– 公募ガイド – https://koubo.jp/press-release/prtimes/c47877_r1969
  8. Angel Heart Co., Ltd. 企業プロフィール – TradeKey – https://www.tradekey.com/company/Angel-Heart-Co-Ltd-5363101.html
  9. 「エンジェルハート シャンベリー オードトワレ 50mL」– ANGEL HEART 公式サイト – https://www.fragrance-u.jp/c/brand/angel-heart/ay-angelheartchamb-50
  10. 「ドクターグリップCL アロマ エンジェルハート コラボデザイン 限定発売」– パイロットコーポレーション – https://www.pilot.co.jp/press_release/2015/12/01/cl.html
  11. 「エンジェルハート AngelHeart」– Angel Heart ネットショップ – https://angelheart-perfume.shop