一度も受けたことがない私の解説するアロマテラピー検定1級2級完全攻略ガイド

マニア向け記事

 本ページでは、アロマテラピー検定1級に合格するためのガイドになります。2級は1級の出題範囲に含まれるため、割愛します。2級を受けずに1級を受けることもできますので、最初から1級を受けることをお勧めします。ちなみに、タイトルの通り、私は一度もアロマテラピー検定を受けたことはございませんが、テキストおよび過去問を徹底分析し、少しでも香りを愛する方の一助になればと思い、このページを作成しました。

アロマテラピー検定概要

 アロマテラピー検定は、2級も1級も正答率80%以上が合格ラインになっています。2級も1級も合格率は全受験者の90%以上を誇っており、かなり優しい部類の試験になります。アロマテラピー検定がゴールではなく、アロマテラピー検定で合格したあとに何をするか?どうするか?が重要となっています。1級合格後は、アロマテラピー検定を主宰するAEAJに入会し、アロマテラピーインストラクターなどの難易度が跳ね上がる試験を受けることもできます。問題も正統派で、引っ掛け問題などはないため、勉強した分が結果となります。また、正統派すぎて、問題文がほぼ答えにつながるものもあります。そのため、アロマテラピー検定のコツは、問題文をしっかり読むことになります。

 ちなみに、当サイトをご覧になっている香水好き層は、当サイトの香料辞典や紹介している本を読んでいれば、ノー勉強でも合格ラインには達します。しかし、正しい知識を持ち、アロマセラピーを楽しめることが重要だと思うので、合格のための勉強ではなく、しっかりと学ぶことをオススメします。そして、実際に自分でアロマテラピーを行ってみましょう。

2級1級
試験時間30分35分
出題数55問70問
合格基準80%=44問80%=56問
受験料6600円6600円
試験形態自宅でのインターネット自宅でのインターネット
試験概要

 さて、アロマテラピー検定は、基本的に、精油に関する基礎知識(座学)と香りテスト(実際に香りを嗅いで当てる)の2種に分かれます。座学における対象の精油は、2級11種、1級30種(2級の11種含む)となっており、香りテストはその中から2級9種、1級17種となっています。つまり、せいぜい30種の香料しか対象になっていないため、当サイトの香料辞典で扱う120以上の香料を勉強していれば合格も当然になってきます。とはいっても、検定試験になるため、精油の知識だけでは合格はできません(どっちだよ)。

 アロマテラピー検定は、公式のテキスト・過去問が精油付きで売っているため、そちらで勉強するのが最もオススメです。まずは、何も知らない状態で問題を解く→間違った箇所を中心にテキストを読み、何が間違ったのかを理解する→テキストをすべて一読する→再度過去問を解いてみる。この繰り返しで、1週間でも相当な知識がつくはずです。

 当サイトでは、それらのテキストを踏まえた上で、より効率的に知識を身につけ、さらには試験以上のレベルになることが可能なように内容を作ったつもりです。試験勉強の一助になれば幸いです。

ポイント
  • まず本ページでテストに必要な知識を効率的に頭に入れる。
  • 次に、各詳細ページを見て、より深い情報を知ることで、テストに必要な知識の裏付けをする。

1級合格のコツ

①問題文をすべて読む(問題文がほぼ答えを言っている場合がよくある)。1つではなく、2つ以上のヒントがあることがほとんどなので、諦めないこと。
②アロマテラピー検定のテキストの言葉は、必ず単語の意味から理解する(答えが分からなくても、単語の意味が答えを教えてくれる場合がよくある)。
③勉強するときは、暗記するのではなく、なぜそうすべきなのか?という理由も含めて知る。分からなければネットで調べる。
④常識的に考えておかしいと思うものは大概間違っている。

 このコツから分かるように、合格の明暗を分けるのは、勉強していないと分からない設問にいかに間違いないか、という点になる。例えば、精油の原料植物の科名や性質などである。

1級への道のり(座学編)

 テキストを読んで学ぶのが基本ですが、記憶をし、さらにそれを生かしていくにはうまく覚えることが重要です。アロマテラピー検定合格を目指す方の学習のサポートになれば幸いです。下記は、テストによく出る部分で、覚える量が多いものをまとめています。随時更新していきます。

精油とアロマセラピーのイロハ

①AEAJの精油の定義は、「精油は、植物の花、葉、果皮、果実、心材、根、種子、樹皮、樹脂などから抽出した天然の素材で、有効成分を高濃度に含有した揮発性の芳香物質。各植物に特有の香りと機能をもち、アロマテラピーの基本となるもの。」

②精油の香り成分は、空気・紫外線・温度などにより成分が変化し、香りが変化するため、精油は正しい保管をしなければならない。ポイントは、遮光性のガラス容器直射日光が当たらず季節による温度変化があまりない冷暗所での保管、開封後は1年以内を目安(柑橘はもう少し短い)に使用。

③精油の4つの性質。1.芳香性(香りを放つ性質)、2.揮発性(液体が気体になり、香りが広がる性質)、3.親油性・脂溶性(油に溶けやすく、水に溶けにくい性質)、4.引火性

④精油を取り扱う際は、1.原液を直接皮膚にはつけず希釈(薄める)すること、2.精油は「雑品」にあたるため飲用はしない(ただし、ハッカ油などの日本薬局方に収載されている精油や食品香料として生産されている精油は例外的にOK)、3.引火性があるため火気に注意する、4.子供やペットの手の届かない場所に置く、5.精油が目に入らないように注意する。

⑤アロマテラピーを楽しむためには、1.妊産婦の方は芳香浴を基本とし、それ以外を楽しむ場合は注意すること、2.3歳未満の幼児は芳香浴のみとし、それ以上の子供の場合は成人よりも少ない量(多くでも2分の1)で行うこと、3.ペットへの使用はしない、4.高齢者や既往歴のある方は基準の半分以下の量から試すこと、5.皮膚の弱い方や初めてする方は低い濃度から試すこと、6.病気・アレルギーのある方は医師に相談すること。

⑥精油とアロマオイルは異なり、アロマオイルは合成香料を含むものがある。

⑦精油は、植物が光合成により水と二酸化炭素から生み出した炭水化物(一次代謝物)から作り出す有機化合物(二次代謝物)である。

⑧同じ種類の植物なのに精油の構成成分が異なるものをケモタイプ(化学種)と呼ぶ。ローズマリーは3種のケモタイプがあることで有名。

⑨香りの持つ3つの大きな働きは、1.誘引効果(受粉のため、生物を引き寄せる効果)、2.忌避効果(摂食を防ぐため、生物を遠ざける効果)、3.抗真菌効果・抗菌効果(カビや酵母などの真菌・細菌の発生・繁殖を防ぐ効果)

⑩アロマテラピーは、エッセンシャルオイルを使用し、香りを楽しみながら、心と身体をトータルにサポートするホリスティック(全体的)な自然療法のことです。病気や不調だけではなく、ライフスタイルやストレス、身体、心、環境など包括的に整えていく考え方です。

⑪トリートメントオイルやアロマコスメを作る際には、
水が含まれるもの:1~2週間
オイルやクリーム:1ヶ月
を目安に使い切ることをおすすめします。高温多湿を避け、冷暗所に保存することも忘れずに。

⑫AEAJにおける精油の希釈濃度の目安は、
ボディ用:1%以下
フェイス用:0.1~0.5%

⑬精油はそのままでは刺激が強いため、植物油、エタノール、グリセリン、ミツロウ、クレイなどと混ぜて使用します。精油は、油と馴染みやすく(親油性)、水に溶けにくい(疎水性)を持つ。詳細は下記参照。

アロマテラピーの歴史

古代

エジプト
 古代エジプトでは、神殿などで乳香(フランキンセンス)没薬(ミルラ)を焚く「薫香」が宗教儀式として行われていました。これらはエジプトでは産出されず、周辺国との交易で得られる貴重なもので、中でも「キフィ」と呼ばれるものが格段に上等なものと言われています。また、ミルラ(没薬)はミイラの語源とも呼ばれ、遺体をミルラで殺菌して防腐剤として体に入れられました

ギリシャ
 紀元前400年代、医学者ヒポクラテスは、病気を科学的にとらえ、『ヒポクラテス全集』を著し、医学の父と呼ばれるようになります。彼の治療法の1つとして、生もしくは乾燥した芳香植物を焚いて燻蒸することが用いられました。

 また、植物学の祖と言われる哲学者テオフラストスは、植物を科学的に分類し、『植物誌』に500以上の植物、香料の調合、製造、使用方法などを記載しています。

ローマ
 医学者ディオスコリデスは、皇帝ネロの軍医であり、自身の知識を『マテリア・メディカ(薬物誌)』にまとめ、600種の植物の生育地、効能等をまとめました。これは千数百年の間、写本され、512年にはウィーン写本が最も有名です。

 軍人かつ学者であったプリニウスは、77年に『博物誌』を著し、植物や植物薬剤について広く言及しました。

 ヒポクラテス医学を基礎とし、体系的な学問として医学を確立したのが医学者ガレノスです。彼が植物を用いて作った製剤処方はガレノス製剤と呼ばれました。

インド
 3000年以上前から植物の活用や宇宙観、自然観などを説く哲学「アユールヴェーダ」が誕生し、今でも伝統療法として知られています。

中国
 2~3世紀の漢の時代にまとめられた薬物について書かれた本の中で最も有名なのが『神農本草経』です。5世紀末には、学者の陶弘景(とうこうけい)が『神農本草経集注』として再編纂しました。

中世

アラビア・イスラム
 10世紀のイスラム帝国時代に医師・哲学者として活躍したイブン・シーナーは、ローズウォーターなどの芳香蒸留水を治療に用い、『医学典範』を著しました。

ヨーロッパ
 中世ヨーロッパでは、修道院で薬草が治療に活用され、医学校も開設されました。中でもイタリアのサレルノとフランスのモンペリエが有名です。また、十字軍の遠征により、イスラム諸国から蒸留技術が伝わります。修道女であったヒルデガルドは、ラベンダーなどのハーブを用いた治療法に関する書物を著しました。14世紀の中頃にはハンガリアンウォーターが流行しました。
また、ペストが流行り、果実にクローブを詰め乾燥させたポマンダーが魔除けとして使われたり、ハーブを酢につけこんだビネガー(泥棒がこれでペストにかからなかったため盗賊のビネガーとも呼ばれる)が流行しました。

日本
飛鳥時代:香りに関する記述のある最も古い文献『日本書紀』には、沈香のことが書かれています。
平安時代:貴族の間でお香が親しまれ、源氏物語にも描かれます。室内で香を燻らせる空薫物そらだきもの、衣服等に香を焚き染める薫衣くぬえ、香薬を調合し優劣を品評する薫物合たきものあわせなどの風習がありました。

近世~近代

 ルネサンスは芸術だけでなく医学にも影響を与え、薬草学の専門家ハーバリストが現れます。イギリスでは特に盛んで、ジョン・ジェラードは『The Herball(本草書)』を著します。薬草を占星術と結びつけたニコラス・カルペッパーは『The English Physician』を著し、薬草は太陽や月、惑星の支配を受けると説きました。

 スウェーデン生まれのカール・フォン・リンネは、現在でも植物の命名に使用される二名法の基本となる植物の命名法を提案しました。

 大航海時代になると航海に植物学者が同行し、プラントハンターと呼ばれ、珍しい植物を自国に持ち帰りました。ジェームス・クックの船に乗ったジョセフ・バンクスは、ユーカリやミモザなどをヨーロッパに紹介したことで有名です。

 16世紀ごろになると、植物から精油が抽出されるようになり、芳香や治療として香りが使われるようになります。17世紀末、イタリアでアクアミラビリス(すばらしい水)という名で人気だった芳香水を、ジョヴァンニ・パオロ・フェミニスがドイツのケルンで販売をします。これをジョヴァンニ・マリア・ファリーナ(ジョン・マリ・ファリナとも呼ばれる)が引き継ぎ、ケルンの水(=Eau de Cologne、オーデコロン)として有名になります。

 フランスでは元々香料よりも革手袋の方が盛んでしたが、香り付きの革手袋がきっかけで香料産業が栄え、グラースは香りの都と呼ばれるまでになりました。

 19世紀に入ると科学技術の発展により、合成香料が生まれます。

現代

ヨーロッパ
 化学者ルネ・モーリス・ガットフォセは、実験中の事故でやけどを負ってしまい、その治療にラベンダー精油を使用しました。ここから精油の治癒効果を研究し、1937年に『Aromatherapie』を著し、アロマテラピー(アロマ:芳香、テラピー:療法)という造語を生み出します。戦時中、フランスの軍医であったジャン・バルネは戦争の負傷者に精油から作った薬剤を用いて治療しました。

 イギリスでは、マルグリット・モーリーが精油によって精神と肉体のバランスを整えるという美容法と健康法を生み出しました。これはのちにホリスティック・アロマテラピーと呼ばれます。

 2004年には、リチャード・アクセルとリンダ・バックが嗅覚の研究でノーベル生理学・医学賞を受賞します。

日本
 明治時代に西洋から石鹼や香水が輸入されると、精油を目的にハッカやラベンダーの栽培を開始します。1980年代後半にアロマテラピーが広まり始めると、1996年にはアロマテラピーの健全な発展と普及啓発を目的に日本アロマテラピー協会(AAJ)が設立(2012年にAEAJとなる)。

精油攻略表

 下記の画像には、精油において覚えておくべき必須の内容をまとめてあります。これを覚えるだけで各精油に関する問題は99%答えることができます。覚えやすいようにまとまりをいくつか作っているので、違いを確認しながらまとめて覚えましょう。(クリックで画像が拡大されます)

シソ科
ミカン科
イネ科&フトモモ科
樹脂やウッディ
フローラルとスパイス

精油抽出法

抽出法検定の対象の植物抽出の特徴
水蒸気蒸留法ラベンダー(花)、クラリセージ(花)、ネロリ(花)、
ジャーマンカモミール(花)、ローマンカモミール(花)、イランイラン(花)、
ローズオットー(花)

ペパーミント(葉)、ローズマリー(葉)、スイートマジョラム(葉)、
パチュリ(葉)、メリッサ(葉)、レモングラス(葉)、
ティーツリー(葉)、ユーカリ(葉)、サイプレス(葉)、ゼラニウム(葉)

ベチバー(根)
フランキンセンス(樹脂)、ミルラ(樹脂)、ジュニパーベリー(球果)、
サンダルウッド(心材)、ブラックペッパー(果実)
水に溶けにくい性質を利用し、
蒸気の熱で植物の香り成分を揮発させ、
その水蒸気を冷却器で冷やすことで水と精油を分離させて抽出する。
水の中にも香りが含まれ、
芳香蒸留水(フラワーウォーターやハーブウォーター)と呼ぶ。
デメリットとしては、熱により香りや成分が損なわれる可能性がある。
圧搾法スイートオレンジ(果皮)
レモン(果皮)
グレープフルーツ(果皮)
ベルガモット(果皮)
主に柑橘類の精油抽出に使われる。
昔は手で絞っていたが、現在は機械で、
熱を加えずに圧搾抽出する。
これをコールドプレス(低温圧搾)とも呼ぶ。
自然のままの香りが得られるのがメリット。
不純物の混入や劣化しやすいのがデメリット。
揮発性有機溶剤抽出法ベンゾイン(樹脂)
ローズアブソリュート(花)
ジャスミン(花)
石油エーテルやヘキサンといった有機溶剤を使用することで、
繊細な花の香りを得る抽出法。
花のワックス成分ごと溶剤に溶け、溶剤を揮発させると、
半固形状のコンクリートと呼ばれるものが残る。
これにエタノールを加え、
香り成分とワックス成分をを取り除くことで
アブソリュートが得られます。
樹脂から得られるのはレジノイドと呼ばれます。
油脂吸着法動物の油脂やオリーブ油に、
花の香り成分を吸着させて香りを抽出する昔の伝統的手法。
常温で行う冷浸法(アンフルラージュ)
60℃~70℃の加熱した油脂に浸す温浸法(マセレーション)
の2種がある。
これによって香り成分のついた油脂をポマードと呼ぶ。
これをエタノールに浸し、アブソリュートを得る。
超臨界流体抽出法二酸化炭素の超臨界状態を利用することで、
流体になった二酸化炭素が植物内に浸透し、
香り成分を取り出す手法。
これは低温で行うことができるため、
植物そのものに近い香りを得ることができる
デメリットは高価な機械が必要なこと。

試験を超えて学ぶ

 正直、試験の合格だけであれば、上記の要点を押さえておけば問題ありません。しかし、試験に合格したから精油に関する知識が増えるわけでも、実力があるというわけでもありません。ただの資格を持っているだけです。したがって、その知識を使えるようにし、よりプロフェッショナルに近づけるために、試験範囲外のことも学ぶべきなのです。さらに、それはそのまま試験に役立つことにもなるのです。
 各精油の名前から飛ぶと、よりその香料植物の詳細を学ぶことができます。香水サイトという関係上、香水に関する内容がほとんどですが、少しは役に立つことでしょう。

ラベンダー
クラリセージ
ペパーミント
ローズマリー
スイートマジョラム
パチョリ
メリッサ
ネロリ
スイートオレンジ
レモン
グレープフルーツ
ベルガモット
ベチバー
レモングラス
ティーツリー
ユーカリ
フランキンセンス
ミルラ
サイプレス
ジュニパーベリー
ベンゾイン
サンダルウッド
センティフォリアローズ
ダマスクローズ
ジャーマンカモミール
ローマンカモミール
イランイラン
ジャスミン
ゼラニウム
ブラックペッパー

1級への道のり(香りテスト編)

 ここでは、精油を持っている前提で話を進めます。まだお持ちでない場合は、公式テキストと一緒になったものを購入することをオススメします。

 エッセンシャルオイルを嗅いで、どの香料かを当てるテストは、2級9種、1級17種(2級の9種含む)になります。ここでは17種の香りをそれぞれどのような香りで記憶をすればよいのか?香りを嗅いだ時の印象を紹介します。おすすめのやり方としては、ムエット(細長い紙=試香紙)に香りをつけ、最初に嗅いだ印象=どのような香りと感じたかをメモし、すべての香りを嗅いでみます。その後、すべての香りをムエットにつけ、裏にエッセンシャルオイルの名前を書き、逆側にしてブラインドでどの香りかを当てていきます。これを繰り返すことで、それぞれのエッセンシャルオイルの特徴をつかむことができます。

エッセンシャルオイルを嗅ぐときの注意点

  1. 試す香料は多くても1回あたり10種までにする。鼻が麻痺したり、頭が痛くなったりするため、特に最初のころは3~5種から始めることをお勧めします。
  2. エッセンシャルオイルの瓶から直接香りを嗅がないこと。エッセンシャルオイルは希釈されていないため、非常に強烈です。直接嗅ぐのは、刺激が大きいため、絶対にやめましょう。ムエット(ブロッターとか試香紙とも呼ばれる)につけて、精油をつけた部分が地面に触れないように折り曲げて置くこと。
  3. 精油をスポイトでとる際には、必ず1種ごとにスポイトを洗って綺麗にすること。そうしなければ、精油同士が混ざり、違う香りになってしまいます。
  4. ムエット上で試す際には、鼻を5cm~10cmほど離して嗅ぎ、ムエットを振るのではなく、上下左右前後に動かしながら香りを試すこと。近くで嗅がなくても十分香りを感じることができます。
  5. 保存する際には、必ず冷暗所(棚の中がオススメ)に保存すること。

精油の香りの感想参考表

 下記を参考にする際には、必ず自分の感じ方をメモした上で見て下さい。余計な先入観を入れずに、見て、感想を比較しながら、自分が納得する香りの表現でその精油を表現するようにしていきましょう。これが香りを覚えるコツです。

ラベンダーオレンジの実を感じさせる甘さとアロマティックなハーブをかけあわせたような香り。
クラリセージ茶葉をそのまま嗅いだような、葉をすりつぶしたような、苦味と渋みのある香り。
ペパーミントミントのガムのようなスーッとした清涼感だけでなく、甘さも含まれている。
ローズマリー病院を感じさせるような冷たく傷を癒す消毒液のような香りを感じさせる。
スイートマジョラムスイートの名から想起される甘さはなく、葉を思わせるグリーンで清涼感のあるハーバルな香り。
シソ科
スイートオレンジハッキリと甘いオレンジの皮の香りがする。
レモン独特の酸味と苦味が感じられ、非常にみずみずしい。
グレープフルーツスイートオレンジに比べると少し苦味を感じ、もう少しスーッとした冷たさを感じる。液の色も少し薄い。
ベルガモット他の柑橘とは異なり、緑色の実を想起させる=熟していない果実のような香りを感じさせる。ライムのような苦味も感じられる。
ミカン科
レモングラスリモンチェッロのような、レモンの砂糖漬けのような甘さがする。
ティーツリープールの塩素を濃くし、ミントと混ぜたような、清涼感のある香り。
ユーカリ若干、動物臭さを感じる、冷たいハーブ調の香り。
イネ科&フトモモ科
フランキンセンススパイシーでシトラスのような冷たさを感じる。薬や歯磨き粉のような清涼感も感じる。
ジュニパーベリー針葉樹の苦みを感じるグリーンぽさとアロマティックさが合わさった香り。ベリーという名前から想像する甘さは全くない。
ローマンカモミールカルヴァドスを少し思わせるようなリンゴの渋みとねっとりした甘みを感じさせながらもスーッとしたアロマティックな香り。
イランイラン完熟したバナナを感じさせる香りと花粉のような花の蜜を感じさせる温もりある香り。
ゼラニウム葉をすりつぶしたような渋いグリーンぽさと塩味を感じさせる香り。奥に深紅のローズを感じさせる
その他
この記事を書いた人

香りの学び場「ルシェルシェパルファム」の運営者。
元香水販売員で、現在はとあるIT企業の管理職。
香水への愛が抑えきれず、自身の学んだことをはきだすサイトを作ってしまう。エルメス・フレデリックマルを主に愛用。

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Le Chercheur de Parfum