A. 香水に特化した国家資格はありませんが、あなたが何をしたいかによって、取っておいても良い資格・試験があります。香水だけでなく、香り・匂いという広い範囲で学べる資格をレベル別にご紹介しましょう。
趣味・香水販売員レベル
①香水テスト
まず、何といっても香水に関わる知識を身につけるなら、当サイトが作成した香水テストをオススメします。順次、新たなテストを発表しており、「いつでも無料で試すことができる」、「解説がしっかりしている」、「幅広い知識を学ぶことができる」という点で、趣味・販売員レベルのテストの中では最も優れているのではないかと思っています。
今後、さらに種類が増えていく予定なので、こちらは要チェック!!
②フレグランスセールススペシャリスト
日本フレグランス協会が、2002年から毎年行っているフレグランスの接客(セールス)に関するスペシャリストを生み出す「資格取得講座」になります。年に1回しかなく、担当する講師は、調香師や香料会社の社長・役員など業界のプロフェッショナルになります。
3日間6万円で、香水に関するイロハが分かりますが、基本的には香水・化粧品販売を1年以上経験している方や香粧品業界で働いている方となるため、趣味で気軽に受けられるものではありません。試験のレベルは高くないでしょうが、香水関係の資格の中では有名なため、肩書のために取得するくらいに考えておくことが良いでしょう。
③アロマテラピー検定
香水ではなく、アロマテラピーのため、香水販売員は注意が必要ですが、精油に関する知識を深めることができるため、販売員にもオススメの資格となっております。AEAJ(唯一のアロマテラピーの公益法人)の主催するこの検定試験は、2級と1級があり、ある程度香りの知識がある人は勉強しなくても2級には合格でき、少し勉強すれば1級合格も難しくはありません。ここがこの資格の難しいところで、アロマテラピー検定1級は簡単すぎるため、知識が身についていなくても合格できてしまうのです。そして、1級合格は、あくまでその後のアロマテラピーアドバイザーやインストラクター試験を受けるために必要な準備となります。したがって、アロマテラピー検定1級合格の肩書きが通じるのは、それをしらない素人に対してだけであり、知識の基礎を確かめる試験であることをゆめゆめ忘れてはなりません。
AEAJは、他にも環境カオリスタ検定等の様々な検定を行っているので、興味のある方は参照されたし。
④フレーバー・フレグランス検定
2017年に設立されたフレーバー・フレグランス協会の講座受講後に行われる検定試験になります。東京農業大学の教授が代表理事をつとめており、役員・顧問にも東京農業大学の教授が名を連ねています。
学術的なことも学べる試験のため、より化学から香りについて学びたい人はオススメの試験になります。
⑤パルファムソムリエール
全国の百貨店をはじめとする様々な場所に、香水専門店ラトリエデパルファム(L’ATELIER DES PARFUMS)を展開するブルーベルジャパン独自の資格がパルファムソムリエールです。恐らくすべての販売員が挑戦できるわけではないようで、ある程度の経験を積むと試験に挑戦できるようです。この資格を取った販売員は、「P」のバッジをつけることができます。
必ずしも知識の豊富な人が持っているわけではないですが、より良い接客を受けられる目安にはなるかもしれません。中には、取材を受けているパルファムソムリエールもいるようです。
もし、あなたがブルーベルに勤めているのならば、このバッジをつけられるようにすることがまず最初のステップでしょう。
⑥香水ブランドのスクール
ミヤシンマを創業した新間美也、パルファンサトリを創業した大沢さとり、この両名は、香水文化を日本で根付かせ、未来の調香師を育てるためのスクールを行っていました。しかも、新間氏のスクールはディプロマの資格としても使用できました。しかし、残念ながら、どちらも今では新規受講生を採用はしていないようです。再度開始する日は要チェックです。
⑦バンタンデザイン研究所「フレグランスクリエイターコース」
2023年10月から開講されたこの講座は、週に1度開かれ、今の仕事をしながら、香りに関する仕事を全方位から学ぶことのできる講座になります。
ポイントは、何と言っても、リベルタパフュームの創業者である山根氏が監修し、EDIT(h)のクリエイティブディレクター葛和氏、ドルセージャパンのディレクター坂野氏が講師に名を連ねていることです。つまり、これから日本の香水業界を盛り上げていく面々とつながりを持ち、さらに学ぶことができるのです。
期間は、1年間。毎週日曜9時半~18時20分×32回となります。どちらかというと、自身でビジネスを生み出していきたい人にオススメの内容です。
調香師・香りのプロフェッショナルレベル
プロの資格を取得して、それを仕事に活かすならば、基本的にはスクールに通うことがマストになります。もちろん、歴史上、調香師養成スクールに通わずに、香水を生み出している人もいますが、それは自身のブランドであるという特殊な場合がほとんどであり、調香を仕事とする場合は、調香師学校を卒業して香料会社等に就職するのが当然の時代となっています。ただし、必ずしも大学レベルの化学の知識が必要ではないというのが本場フランスの調香師の見解なので、その点は安心しても良いでしょう
①海外の調香師養成スクール
本場フランスには、多くの調香師養成スクールがあります。英語が話せることが必須であり、入学試験に勝ち抜かなければならない場合もありますが、イジプカやジボダンに入学して卒業すれば、将来はほとんど確約されたも同然です。特にアメリカ・フランスでは調香師の地位はとても高く、栄誉ある仕事です。
②日本フレーバー・フレグランス学院
さて、日本の調香師養成スクールで注意しておきたいのは、日本は香水よりもフレーバーが発達しているということです。つまり、調香師≒フレーバリストが日本の常識であり、多くの企業の調香師は、香水ではなく、フレーバーとなります。もちろん、本場でもファインフレグランス(香水)の調香師は一握りの調香師のみしかできませんが、日本ではさらに少ないことを知っておきましょう。
日本フレーバー・フレグランス学院は、1999年に設立された調香師学校であり、2年制~3年制となるしっかりした学校になります。高卒を最低条件とし、毎年15名ほどが入学しているようです。
学校に通うことで、日本調香技術師検定を受けることができます。
③臭気判定士
このページにおいて、唯一の国家資格が、臭気判定士になります。調香とはまた異なり、「全国で12,000件(令和元年度苦情件数)以上も発生している悪臭苦情を解決するために」、においを測定する専門職となります。合格率は20~30%であり、この資格を持っていること自体が、職に結びつくことになります。
趣味~販売員の範囲内であれば、日本における香水サイトの中でも、当サイトが最も包括的にまとめている(最中)なので、ぜひ活用していただければ幸いです。また、当サイトの情報は主に海外のサイトや書籍からの情報となるため、下記もご覧になると、より知識が身につくでしょう。