Jasmine
ジャスミン

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基本情報

 ローズの次に重要な花と呼ばれるジャスミンは、ペルシア語のYasameenから由来し、神の贈り物(Gift of God)という意味を持ちます。植物としては、オリーブ、オスマンサスライラックの近縁にあたり、リッチで官能的、フルーティーで温かみのある香りで、酔わせるようなフローラルの香りとアニマリックな香りを同時に嗅ぐことができる花です。そのエッシェンシャルオイルは「King of Oils」(ローズはQueen of Oils)と言われ、1kgあたり最低100€(約12,000円)以上します。

 香水業界で使われるジャスミンは、大きく2つに分かれます。よく使われるジャスミン グランディフローラムとインドや南アジア、中国で採れるジャスミンサンバックです。ジャスミンには、インドールジヒドロジャスモナート(へディオン)が成分として主に含まれ、温かい気候で育つとインドールが多くなり、ジャスモナートは少なくなります。

私がフレッシュなイメージやシュワっとした感じをフローラルノートに付け足したいと思ったときは、いつもジャスミンサンバックを使います。

カリス・ベッカー

ジャスミン グランディフローラム(Jasminum grandiflorum)

 大きな花びらのジャスミンという意味のこのジャスミンは、ジャスミン G.、フレンチジャスミン、スパニッシュジャスミン、ロイヤルジャスミンとも言われ、最も香水で使われる種類になります。元はグラースが主産地でしたが、現在はエジプト、インド、モロッコで栽培され、エジプト産ジャスミンが全体の80%を占めます。香りは、アプリコットやバナナのような甘さがあります。

 1000kgの手摘みジャスミン(=800万個の花)から2.3kgのコンクリートが作られ、最終的には1kgのアブソリュートになります。

 このジャスミン グランディフローラムの中で最高峰と言われるのがグラース産ジャスミンになります。元々、ジャスミンはグラースの産業を支えていたものであったため、グラースで単に花(the flower)と言えば、それはジャスミンを指します。最も高価で、1kgあたり最低150万円、質のいいものは400万円します。

 フランスは低温のため、グラース産ジャスミンは、特にインドールが多量に含まれ、香りは優雅、かつ、よりフレッシュで、フルーティーなアンダートーンがあり、これによりアニマリックな香りが抑えられていますカシスに似た雰囲気の香りだとも言われます。

 シャネルはグラースにジャスミン畑を持っており、シャネルのNo.5はグラース産ジャスミンを使った代表的な香水です。

ジャック・ゲランの作ったゲルリナーデが含んでいるのはグランディフローラムのジャスミンですが、サンバックとはいとこのような関係です。ジャックの時代には、まだサンバックは香水業界では使われていませんでした。そして、ジャン・ポールは、この2つをサムサラで組み合わせました。私が見る限り、ゲルリナーデには、どちらも同じくらい使用されています。

ティエリー・ワッサー

ジャスミンサンバック(Jasminum Sambac)

 アラビアンジャスミン、ミッドナイトジャスミンとも呼ばれ、中国では、マツリカ(茉莉花)と書きます。中国でジャスミンティーとして使われるのはこの花になります。
 Sambacは、サンスクリット語で「酔わせる香り」を意味するcampakaに由来します。800kgの手摘みの花から1kgのコンクリートが得られ、そこから600gのアブソリュートが得られます。アブソリュートは、1kgあたり45万円以上します。

 基本的に夜(18時〜20時)から早朝に花が開き、ジャスミングランディフォーラムに比べ、肉厚で、インドールが多く含まれ、ダークで、グリーンで、アニマリックな重みのある香りがしますオレンジブロッサムに近い香りがします。

ジャスミンサンバックは、ほとんどジャスミンではありません。なぜなら、ジャスミンとオレンジブロッサムの間の香りがするからです。花の香気成分を構成している中にはインドールやちょっとしたアニマルノート、グリーンノートが含まれます。とても複雑で、様々な側面があるのです。これがジャスミンサンバックの香りを、とてもフレッシュで、でも魅惑的で、悩殺してしまうかのような印象にしているのです。

ソフィー・ラべ

ジャスミンに関する調香師・業界人の有名な言葉

私はジャスミンサンバックを愛しています。なぜなら、とても太陽のような香りがし、非常にポジティブになれるし、エレガントでもあるからです。だから、ルイ・ヴィトンでは、メンズフレグランスにも入れるのです。

ジャック・キャヴァリエ

First(ヴァンクリーフ&アーペル)は、ジャスミンの香水です(4種も使われている!)。ソフィア・グロスマンの作品と比べると、彼女はローズに夢中でしたが、私はジャスミンに夢中だったのです。だから、ジャスミンをどう使えばいいか知っているんです。

ジャン=クロード・エレナ

代表的な香水(ジャスミンサンバック)

 分類は、主にJasmine Sambac(Nez Editions、2020)を元に、場合によって追加等しています。詳細をご覧になりたい場合は、この本がオススメです。
 自分がどういうタイプのジャスミンサンバックの香りが好きなのか、発見の一助になれば幸いです。

ウッディジャスミン

サムサラ(ゲラン、1989)、エイリアン(ミュグレー、2005)、シダーサンバック(エルメス、2018)

サムサラでジャスミンとサンダルウッドが混ざった香りを嗅いだ私は、本当に素晴らしいと思いました。完璧な組み合わせだったのです。そして、まるで魔法にかけられたかのようなのですが、ゲランで使っているジャスミンサンバックとサンダルウッドはどちらもインド原産なのです。

ティエリー・ワッサー

オリエンタルジャスミン

ヒプノティックプワゾン(ディオール、1998)、ランスタンドゲラン(ゲラン、2003)、ジャスミンノワール(ブルガリ、2008)

フローラルブーケジャスミン

24,ファーブル(エルメス、1995)、グッチブルーム(グッチ、2017)、ジャスミンサンバック&マリーゴールド(ジョーマローン、2018)

フルーティジャスミン

ジャドール(ディオール、1999)

ソリフローラジャスミン

ジャスミンルージュ(トムフォード、2011)、インペリアルティー(キリアン、2014)、ジャスミナムサンバック(クロエ、2019)

この記事を書いた人

香りの学び場「ルシェルシェパルファム」の運営者。
元香水販売員で、現在はとあるIT企業の管理職。
香水への愛が抑えきれず、自身の学んだことをはきだすサイトを作ってしまう。エルメス・フレデリックマルを主に愛用。

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Le Chercheur de Parfum

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