Matiere Premiere マティエールプリミエール

ブランド創業者

基本情報

設立:2019年
創設者:オーレリアン・ギシャール(Aurelien Guichard)
公式サイト:英語オフィシャル

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創業史

 2021年10月末のサロンドパルファンとともに日本初上陸を果たしたマティエールプリミエール(Matiere Premiere)は、代々続く調香師の家系で8代目の調香師として活躍しているオーレリアン・ギシャールが設立したブランドになります。
 2003年に調香師学校を卒業したオーレリアンは、常々、香料植物農園を所有して、それを自身の香水に使用するという世界で未だ一人もいない調香師に憧れていました。その夢を叶えるべくジボダン社、フィルメニッヒ社と世界の名だたる企業で、多くの偉大な調香師とコラボし、ついに2016年、自身の故郷である香りの都グラースにローズセンティフォリアチュベローズの農園を作りました。彼は自身の4分の1の時間をこの農園に費やしているそうです。さらにこの花畑で採れる花はエコサート認証を得ています。

私は祖父母がグラースでローズ、ジャスミン、バーベナなどを栽培している農園で育ちました。しかし、2014年ごろ、祖父母は高齢になり、祖父はこれ以上農園で働くことができませんでした。私は自分が農園を作らなければ、自分の家族が地方で代々受け継いできたノウハウが消えてしまうと感じていました。ちょうどその時、自分の夢は、自分で香料を育て、それを香水に使うという世界で唯一の調香師になることでした。だから、オーガニック農園を建設することに決め、まずはローズを12000苗木植え、南フランスで最も大きい農園にしたのです。それからチュベローズを植えました。

オーレリアン・ギシャール

 この経験はオーレリアンが調香する時に多くのインスピレーションを与え、同時に自身の香水ブランドを生み出したいという気持ちが強くなっていきます。こうして、2018年から高砂香料に所属していたオーレリアンは、高砂香料の理解と協力もあり、2019年10月、自身のブランド「Matiere Premiere(マティエールプリミエール)」をローンチしました。ブランドローンチにあたり、オーレリアンの両親(父は偉大なジャン・ギシャール)、そしてIFF・Mane・Givaudanでマネージャーとして働いてきたCedric Meiffret、LVMHやプーチ社で香水ブランドのマーケティングなどを担当してきたCaius Von Knorringがオーレリアンのビジョンに共感し、共同経営者となったようです。

 1960年代、70年代に作られた多くの香水はとても複雑でした。しかし、私が作りたかったのは、専門家であろうが、専門家でない人であろうが、どちらも原料の美しさを理解できる香水でした。だから、皆さんが香水は美しい原料で作られているということは全然良いのですが、本当にそれを感じることができているのか?香水を纏っている人は、原料の美しさを感じることはできるのか?

 この挑戦は、多くのテクスチャーを持つものを生み出すことでした。だから1つの天然香料をオーバードーズし、そこに現代性を組み合わせたのです。どのようにして、最初の印象が濃すぎない香りでロングラスティングな香水を生み出すのか?どのようにして、高品質と現代性を組み合わせるのか?これこそが、我々の作品の核になります。

オーレリアン・ギシャール

我々は、美はシンプリシティの中にあると考えています。そう、他のアート、例えば建築のように。

Caius Von Knorring

作品

我々は、市場において最も高品質なブランドの1つになりたいと思っています。我々が消費者の皆様に約束するのは、忘れられないシヤージュと決して消えない感情的な印象です。 

オーレリアン・ギシャール

コレクション

 オーレリアンがマティエールプリミエールの香水で意識していることは、できるだけジェンダーレス(ユニセックスではなく)な香水にすることです。例えば、ローズであれば、より男性的な要素を入れ、曖昧に感じるジェンダーレスな香りにするようにしています。また、マティエールプリミエールは、フランス語で「原料」を意味し、1つの原料にフォーカスし、オーバードーズしたクリエイションがこのブランドの中核になります。

 オーレリアンは、ブランドローンチとともに、6つの香りを発表しました。その中でも最も誇りに思っている香りは、自身の農園で栽培したセンティフォリアローズを使用したラディカルローズ(Radical Rose)とチュベローズを使用したフレンチフラワー(French Flower)です。現在発売されている香水と中心の香料は下記になります

  • ボワ デベンヌ(Bois D’Ebene)…パラグアイ産ガイアックウッド
  • コロンセドラ(Cologne Cedrat)…イタリア産のシトロン
  • アンサンスアーブ(Encens Suave)…ソマリア産インセンス
  • ネロリオランジェ(Neroli Oranger)…チュニジア産オレンジブロッサム
  • パリジャンムスク(Parisian Musc)…ペルー産アンブレットシード
  • サンタルオウストラル(Santal Austral)…オーストラリア産サンダルウッド
  • クリスタルサフラン(Crystal Saffron)…ギリシャ産サフラン
  • フレンチフラワー(French Flower)…自社産チュベローズのアブソリュートとアンフルラージュ
  • ラディカルローズ(Radical Rose)…自社産ローズセンティフォリアのアブソリュート
  • ファルコンレザー(Falcon Leather)…フィンランドのバーチタール
  • ウードセブン(Oud Seven)…バングラデシュ産ウードアッサム

パッケージ

 マティエールプリミエールの美は、クリーンでかつミニマルな部分です。さらには、毎日の生活と調香師としての装飾をリンクさせた機能性がブランドとしての美を表現しています。例えば、6mlボトルは、調香師が毎日香水のコンポジションを評価するために使う実際のボトルです。このボトルにインスパイアされたのが100mlボトルです。

 香水は天然香料が出す色のみで、香水自体に色をつけるために合成着色料は使用していません。85%~92%が天然香料で、ビーガンOK、フタル酸フリーでもあります。

この記事を書いた人

香りの学び場「ルシェルシェパルファム」の運営者。
元香水販売員で、現在はとあるIT企業の管理職。
香水への愛が抑えきれず、自身の学んだことをはきだすサイトを作ってしまう。エルメス・フレデリックマルを主に愛用。

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