Fougère Family
フゼア系

フゼア系 香調
フゼア系

語源

 1882年にウビガン社が発売したフジェール・ロイヤル(ポール・パルケ)から始まった系統であり、その名から名前をとったオルファクティブファミリーです。
 Fougèreとは、フランス語で「シダ(植物)のような」という意味です。しかし、シダには香りがないため、想像上の香りだと言われています(実際には、色々なシダ植物があり、独特の香りも持ちます)。ちなみに、面白いことに、2010年(オークモスの規制により)、ロドリゴ・フローレス・ルーロジャー・ダヴによって現代的に再調香されたフジェール・ロイヤルはシプレーの香りになっています・

もし神がシダに香りを与えたなら、Fougère Royaleのような香りがするだろう。

ポール・パルケ

フゼアの構成要素

 主に、オークモスラベンダーゼラニウムといったハーバルな香料に、クマリンを加えることで作られます。フゼアは、トップノートのゼラニウムの香り方が、フゼアの決め手とも言われています。
 トップノートはゼラニウムやラベンダー以外にもローズマリーやタイムカモミール、シトラスといったアロマティックなノートが使われます。ベースノートはオークモスやクマリン以外に、ベチバーレザーノートが使われます。

 男性用が多く、よく売れるため、今でも男性用の香水のカテゴリーでよく作られる香りですが、似たような香りが多く面白味がないとも言われます。そのため、最近は新しいタイプのフゼアとして構造を少し変えたものも発売されています。ちなみに、ゲランのジッキーは女性向けのフゼアです。

 キーワードは、伝統的、男らしい(ダンディ)、洗練された、です。 

フゼアの香りを纏ったなら、あなたは偉大な嗅覚の伝統と繋がります。フゼアの香水は、確かに男らしく、周りにいれば安心とセクシーさを感じさせる香りになります。だから大事な場面では、あなたはフゼアのような男性になりたいと思うでしょう。そして女性の皆さんは、フゼアの香水のような人に悩みを相談したいのは確実です。

ペンハリガンの公式ブログより

代表的なフゼア

フジェール・ロイヤル(ウビガン、1882、ポール・パルケ)
ジッキー(ゲラン、1889、エメ・ゲラン)
タスカニーペルウオモ(アラミス、1984)
エタニティフォーメン(カルバンクライン、1990、カルロス・ベナイム)
エゴイストプラチナム(シャネル、1993、ジャック・ポルジュ)
ブルージーンズ(ヴェルサーチ、1994)
ジーゼニア(エルメネジルドゼニア、2005、アントワーヌ・リー、オリヴィエ・ギロチン、ピエール・ネグリン)
フーアブサン(ラルチザン、2006、オリビア・ジャコベッティ)
ゼラニウムプールムッシュー(フレデリックマル、2009、ドミニク・ロピオン):ありきたりのメンズの香水に一石を投じるため、新しいタイプのフゼアとして生み出した。
サルトリアル(ペンハリガン、2010、ベルトラン・ドゥショフール)
エロス(ヴェルサーチ、2012、オーレリアン・ギシャール)
イントキシケイテッド(キリアン、2014、カリス・ベッカー):新しいタイプのフゼア。ゼラニウムのハーバルの代わりに、カルダモンの冷たさがキーになっている。
ソバージュ(ディオール、2015、フランソワ・ドゥマシー)
オーデミンテ(ディプティック、2018、ファブリス・ペレグリン):ミントとローズオキシドを使うことでモダンなフゼアに仕上げている。
ラベンダーエクストリーム(トムフォード、2019、オリヴィエ・ギロチン)
グリクレール(セルジュルタンス、2019、クリストファー・シェルドレイク)
ロードゥパイユ(セルジュルタンス、2019、クリストファー・シェルドレイク)
サイプレス&グレープバイン(ジョーマローン、2020、ソフィエ・ラべ)
H24(エルメス、2021、クリスティーヌ・ナジル):誰もが使うラベンダーの代わりにセージを使うことで意外性をもたらした。

この記事を書いた人

香りの学び場「ルシェルシェパルファム」の運営者。
元香水販売員で、現在はとあるIT企業の管理職。
香水への愛が抑えきれず、自身の学んだことをはきだすサイトを作ってしまう。エルメス・フレデリックマルを主に愛用。

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