Tea
ティー

ティーフレグランスの始まり

 香水業界においてティーフレグランスの始まりは、1992年ジャン-クロード=エレナの生み出したブルガリのオーパフメオーテヴェールからでした。この香りの革命的なところは、それまで1世紀の間、スミレの香りしか意味していなかったβ-イオノンへディオンと組み合わせることでお茶を想起させる香りとして生み出したことにあります。(ちなみに、この香りは緑茶と名前になっていますが、実際にはダージリンティーにインスピレーションを受け、抽象的なお茶として香りを作っています。)つまり、最初のティーの香水は、合成香料の組み合わせによって生まれたのです。

「1つ知っておいてほしいのは、私はお茶の香りを嗅がずにティーノートを作ったということだ。私のマリアージュに関するストーリーは後付けなんだ。マーケティングにはストーリーがいる、だから私はマリアージュに行って、もちろん、全ての香りを嗅いだよ。私はティーノートの上に、全てのストーリーを作ったんだ。

ジャン=クロード・エレナ

お茶の違い

 オーテヴェールを皮切りに、ティーがトレンドになった香水業界には色々なティーが出てきました。しかし、元々、お茶(ティー)はすべて同じ茶の木Camellia sinensis(カメリア シネンシス)の葉から作られます。違いは加工方法と発酵によって生まれます。

ホワイトティー

 ほとんど発酵させずに作られます。芽吹く直前の若い新芽(茶葉に白い産毛がある)を収穫し、萎びれさせ、乾燥させるだけで加工は終わりになります。栄養価が非常に高く、カフェインも最も少ない健康的な茶になります。白茶の最上級のものに、中国福建省で作られる白豪銀針というものがあります。ジョーマローンのレアティーコレクションには、これを実際に使ったシルバーニードルティがあります。

グリーンティー

 不発酵茶と言われ、摘み取った茶葉を加熱処理により発酵を妨げたものを言います。収穫された茶葉は、蒸してもみつぶしをし、乾燥させるという工程を行います。

ウーロン茶

 半発酵茶と言われ、収穫後の茶葉を発酵途中で加熱し、発酵を止めることで作られます。中国では青茶とも呼ばれます。

ブラックティー

 茶葉を発酵させて作られるお茶で、プーアル茶が黒茶の一種になります。一般に英語でブラックティーと言った場合、紅茶も指します。アッサム、ダージリン、セイロンはブラックティーの一種です。

フレーバーティー

 ティーに花びらやスパイス、エッセンシャルオイルでフレーバーをつけたものを言います。例えば、ブラックティー+ベルガモット=アールグレイティーです。ジャスミンオスマンサスなどはよくフレーバーとして使われます。

この記事を書いた人

香りの学び場「ルシェルシェパルファム」の運営者。
元香水販売員で、現在はとあるIT企業の管理職。
香水への愛が抑えきれず、自身の学んだことをはきだすサイトを作ってしまう。エルメス・フレデリックマルを主に愛用。

Rootをフォローする
香料た行な行は行
ルシェルシェアする
Rootをフォローする

コメント