Amber
アンバー

香料解説

 一般に、アンバーとは樹液の塊である琥珀のことを意味します。しかし、香水業界でアンバーと言うとき、それは琥珀の黄金のような色と輝きをイメージして作られた「アンバーノート」を意味します。本当の樹脂の琥珀とは異なり、主にラブダナム、ベンゾインなどの樹脂とバニリン(もしくは天然のバニラ)から成る甘く温かみのあるコンポジションを意味します。

 また、アンバーグリスとは全くの別物であり、関係がなく、よく混同されるので注意が必要です。しかし、香水の中には、香りのピラミッドでアンバーグリスとアンバーの香りをほとんど同じ言葉として用いたりしている場合もあります。そもそもアンバーグリスは、アンバーノートのような香りがしません。

調香師は合成香料を使うことで、「自然」という制約から解放された。創造の新たな地平が開かれた。たとえばアンバーは香水製造のベースのひとつだが、樹脂の化石である黄色い琥珀とも、マッコウ鯨の腸結石であるアンバーグリスとも、なんの関係もない物質だ。それは19世紀の終わりにバニリンの発明から生まれた、最初の抽象的な匂いだ。

ジャン=クロード・エレナ

香水ではどう香る?

香水の「アンバー」は単一の原料名ではなく、樹脂や甘い素材を重ねて温かな奥行きをつくる香調です。天然ラブダナムのレジノイドは、アンバー、木、革を思わせる乾いた残香を与え、ベンゾイン・シャムはバニラのようなバルサムとパウダリーな柔らかさを添えます。ラブダナムとオリバナムを組み合わせたAMBRANUMのような市販原料もあります。樹脂感を強めればドライに、ベンゾインなどの甘さを強めれば柔らかく包み込む印象になります。

アンバーの香水を選ぶときのポイント

 アンバーの温かさには、バニラの甘さもあれば、ラブダナムなど樹脂の深さもあります。甘い香水が好きでも、樹脂の渋さは苦手ということも。甘さを楽しみたいのか、樹脂の香りに惹かれるのかを分けると、欲しいアンバーが見えてきます。

アンバーの表情を比べる香水

グラン ソワール オードパルファム(メゾン フランシス クルジャン)

 アンバーとバニラの温かい甘さに、ベンゾインらしさを感じさせる香り。ラブダナム、ラバンジン、シナモンリーフのアコードも含みます。

アンブル スュルタン(セルジュ・ルタンス)

 ラブダナムとバニラから生まれたアンバーで、樹脂の香りが中心。グラン ソワールと共通するバニラの甘さはありながら、こちらはラブダナムの存在が際立つ作品です。

アンバーの好みから、次の一本へ

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