Aurelien Guichard
オーレリアン・ギシャール

調香師名鑑
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調香史

Q. 他の職業に興味を持ったことはありましたか?あればどんな職業ですか?

ありません。ただ、大事なことは、どんな仕事でも単なる労働ととらえるのではなく、この仕事を心からしたいと思う強い気持ちです。調香師になれて私はとても幸運でした。他の人と一緒に仕事をし、色々な人に出会い、自分の可能性を広げたい、という私の想いを叶えることができたからです。調香師の仕事は、冒険と発見に満ち、たくさんの出会いと旅がつまっています。

Shiseidoインタビュー記事より オーレリアン・ギシャール

 調香師の父であるジャン・ギシャールと同じグラースで生まれ、育ったオーレリアンは、家族が何世代にも渡って従事しているバラやジャスミンといった香料植物の農園に囲まれていたこともあり、若い頃から香水業界に興味を持っていました。ちなみに、オーレリアンが8代目の調香師だそうで、母は彫刻家です。

 イギリスのウェストオブイングランド大学で経済学・政治学・社会学の学位を取った後、ニューヨークのジボダン社にインターンシップに行った際に香水を生み出したいという気持ちが沸き起こったそうです。20歳の頃に調香師になることを決心すると、1997年、21歳の時にジボダンパフューマリースクールで調香訓練を受けます。2003年、24歳で学校を卒業したのち、何の調香経験もない彼に仕事の機会を与えてくれたのが、当時ゲラン家以外の調香師に様々な香水を依頼していたゲランとニナリッチでありました。ゲランは当時シルヴェーヌ・ドラクルトが指揮を執っており、アクアアレゴリア アニシアベッラ(2004)を調香しました。そして、ニナリッチではラブインパリ(2004)を調香し、ニューヨークで働きます。

 2014年7月にジボダンからフィルメニッヒ社に移ると2018年5月からは自身のビジネスを行いながら高砂香料に入社します。

 2016年には、自身がオーナーを務めるバラ農園を設立します。これは自身の祖父母が経営していた農園が古くなり、彼が作らなければ何代にも渡って蓄積されたノウハウが無くなってしまうことを恐れてであり、彼の夢が自分の香料を自分で育て、自分の香水に使う調香師になりたいからでありました。南フランスで最も大きな農園には、12000のローズ、22000のチュベローズが植えられています。そして、自身のブランドを設立したい思いが強くなり、2019年にマティエールプリミエールをローンチします。

 日本にも上陸しているマティエールプリミエール(Matiere Premiere)は、「1つの主要な香料をオーバードーズすることで、1つの香料の美しさを多くの人に見せる」ために、オーレリアン・ギシャールが両親、そしてCedric Meiffret、Caius Von Knorringとともに創りました。

 自分がどんな香水を創りたいか?という質問には、メンズ香水としてはディオールオム、テールドエルメス、女性用としてはロードゥイッセイ、シャネルNo゜5と答えています。

 ちなみに学生時代はホッケーチームのキャプテンだったようです。

調香作品

私は、ミニマリズムとファンクショナリズムが原料や色のオーバードーズと邂逅した印象派の絵画やストリートアートが大好きです。また、安藤忠雄のような日本人建築家の大ファンで、特に忠雄の僅かな原料の使い方や空間の概念がとても好きです。

オーレリアン・ギシャール
YearBrandNamewith
2004GuerlainAqua Allegoria Anisia Bella
2007Comme des GarconsPlay
2008John GallianoJohn GallianoChristine Nagel
2012VersaceEros
2014Bath & Body WorksA Thousand WishesAdriana Medina, Stephen Nilsen and Yann Vasnier
2016Michael KorsWonderlustHonorine Blanc
2016Salvatore FerragamoUomoAlberto Morillas
2018Bottega VenetaParco Palladiano ⅩⅢ Quadrifoglio
2018Giorgio ArmaniArmani Prive Bleu Turquoise
2018Roger & GalletRose Mignonnerie
2019Carine RoitfeldParfums Aurélien, Parfums Orson
2021BurberryHero, Midnight Journey
2022EdenisteDream, Energy, Happiness, Jasmin Cruel, Neroli Sensuel, Relax, Rose Fatale, Seduction, Vanille Irresistible, Vetiver Imaginaire, Wellbeing
2004~2011Nina RicciL’Eau du Temps(with Jean Guichard), Les Belles de Ricci Cherry Fantasy, Love in Paris, Love in Paris Fleur de Pivoine, Ricci Ricci(with Jacques Huclier), Ricci Ricci Dancing Ribbon(with Jacques Huclier)
2005~2019Bond no. 9Andy Warhol Silver Factory, Chinatown, Hudson Yards, Jones Beach
2006~2015Robert PiguetAlameda, Baghari, Blossom, Bois Bleu, Bois Noir, Calypso, Casbah, Chai, Douglas Hannant de Robert Piguet, Futur, Gardénia, Jeunesse, Knightsbridge, Mademoiselle Piguet, Notes, Oud, Oud Delice, Oud Divin, Rose Perfection, Visa
2008~2013KenzoEau de Fleur de Thé, L’eau par for her Wild Edition, Madly Kenzo, Madly Kiss ‘n Fly, Madly Oud, Parfum Objet Non Identifie
2008~2015GucciGucci Pour Homme, Guilty, Guilty Black Woman, Guilty Intense Woman, Intense Oud
2009~2011Thierry MuglerAngel Aqua Chic, Angel Goût du Parfum, Angel Sunessence(with Louise Turner), Angel Sunessence Edition Bleu Lagon
2009~2016Narciso Rodriguezfor Her Amber Musc, For Her Eau de Parfum Intense, For Her Eau de Toilette Delicate, For Her In Color, For Her L’Absolu, L’Eau For Her, Narciso, Narciso Poudrée
2012~2019Issey MiyakeL’Eau d’Issey Pour Homme Shade of Lagoon, L’Eau d’Issey Pure Shade of Flower, L’Eau d’Issey Shade of Sunrise, L’Eau Majeure d’Issey Shade of Sea, Pleats Please, Pleats Please in Bloom, Pleats Please L’Eau
2013~2014David BeckhamClassic, Classic Blue
2013~2014Victoria’s SecretForbidden(with Antoine Maisondieu), Victoria(with Adriana Medina, Quentin Bisch, Stephen Nilsen & Yann Vasnier)
2015~2016ShiseidoEver Bloom, Ever Bloom Ginza Flower
2019~2023Matiere Premiereすべて
主要作品
この記事を書いた人

香りの学び場「ルシェルシェパルファム」の運営者。
元香水販売員で、現在はとあるIT企業の管理職。
香水への愛が抑えきれず、自身の学んだことをはきだすサイトを作ってしまう。エルメス・フレデリックマルを主に愛用。

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