A. よく見てみると香水には、無色透明なものと少し色がついているもの、しっかりと色がついているものがあります。
まず、なぜ香水に色がついているのか。理由は2つあると考えられます。
①使われている天然香料に色がついている
②香水のイメージを表すためにわざと色をつけている
①天然香料に色がついている場合
天然香料は、精油に色がついているものが多いため、香水に使う量によって色がつきます。多くは薄い黄色がついており、樹脂などの精油になると濃い茶色のような色になります。(→『香料植物の図鑑』に載っています。)
そして、これらの元々ついている精油の色は、光に当たったり、時間が経ったり、空気に触れたりすることで、ワインが熟成されるように色が変わっていきます。これは酸化や蒸発によるものです。これが理由で、精油を保存するときは、褐色の遮光性のある色のガラス瓶を使い、温度変化の少ない冷暗所に保管されます。香水も同じ保管方法が奨励されるのはこのためなのです。
したがって、香水を保管して、色が少し変わったかな?と思ったら、それはちゃんと天然香料を使用している1つの証にもなります。(ほとんどが茶色っぽくなっていきます)
ただし、価格帯の高いフレグランスになると、特別に色を抜いた精油を使用し、あえて無色透明にしている場合もあります。色を抜く工程には、お金がかかるため、わざわざするのは少数派だとは思います。ジャン=クロード・エレナは、色のついた香水があまり好きではないため、基本的に無色の香水を創ります。
ビターオレンジのエッセンスを使った場合、普通は黄色が香水の液体に残ります。ビターオレンジの精油を高濃度で使ったフレデリックマルのコロンビガラード(2001、ジャン=クロード・エレナ)は無色です。これはエレナがわざわざモニーク・レミー社に頼んでオーダーメイドで作ってもらったからです。
②香水のイメージを表すために色を付けている場合
別のパターンとして、香料に色がついているかどうかに限らず、香水のイメージを表現するために色がつけられることがあります。
例えば、ルイ・ヴィトンの香水は、各々が香水のイメージを表すために色がついています。
ルイ・ヴィトンの香水の色は、ピグメント(顔料)によって強調されています。しかし、香水の輝きや透明感を維持しながら、香水の色を安定させるのは非常に難しく、複雑であります。だから私たちは、香水を発表した最初から、色の専門家(カラリスト)と仕事をしてきました。
ジャック・キャヴァリエ
注意点
さて、香水の付け方ですが、色がついていても、ついていなくても、基本的に肌につけて頂くことになります。その際は、服にはつかないようにしてください。
色がついている場合はもちろんのこと、洋服(特にシルクや木綿)によってはシミになることもあるからです。
また、一般的な香水をつける注意事項がいくつかありますので、詳細はこちらをご覧ください↓↓
コメント