書籍情報
書籍名:『調香師が語る 香料植物の図鑑』
(原題:L’Herbier Parfume)
著者: フレディ・ゴズラン(Freddy Ghozland)、グザビエ・フェルナンデス(Xavier Fernandez)、ベルナール・ガロタン(Bernard Garotin)
出版年:2010年(日本語訳は2013年)
出版社:原書房
書籍レビュー
イリスの香りを本物らしく模倣した合成香料はまだ知られていない。たとえ原料を自由に使うことができて、香りの効果をいくらか感じさせる配合が完成しても、天然のイリス本来の香りを再現できる成分は未知である。
アマンディーヌ・クレール・マリー
天然香料として使われる植物について、各香料のエキスパート調香師38名がその植物の香料に関する解説を書いている本です。植物図鑑としての側面だけでなく、香料が香水に使われるときに、何のために&どう使うのかということまで書かれているため、香りの見識を深めたい場合に必須の本と言えます。
全編カラー写真であり、その香料を使った料理や著名な香水、調香師の小ネタも書かれており、初心者から上級者まで幅広くオススメです。ただし、内容が細かすぎるため、誰かに伝えるレベルになるには初心者から50回以上読む必要がある……かも。
香料の解説をしている調香師には、ミシェル・アルメラック、モーリス・ルーセル、オリヴィエ・ポルジュ、ジャン・ギシャール、マチルド・ローランなど一流調香師が名前を連ねています。
どの原料が好きかと尋ねられることがある。こうした質問は、画家にどんな色を使うつもりかと尋ねるのに少し似ている。肝心なのは何を選択するかではなく、いかに用いるかにある。香水は抽象芸術のように、使う原料から評価しようとはせずに、全体性を受け入れるべきなのである。
オリヴィエ・ポルジュ
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