A. 香水を肌につけてみると、ブロッターで試した時と異なっていたり、隣にいた友人や家族とも同じ香りなのに異なって感じたりすることがあります。この理由を解明してみましょう。
ブロッターと香りが異なる
ブロッターとは、匂い紙、ムエットとも呼ばれ、香水をお店などで試す際に使用する試香紙をいいます。ブロッターは、紙自体に匂いが無いのが特徴です。これによって香水が素でどのような香りなのかを評価することができるのです。
一方、人間の肌には水分や皮脂があり、体温もあります。香料がとどまったり空気中へ出ていったりする条件は、紙と同じではありません。もともとの体臭も重なるため、肌で試すとブロッターとは違う印象を受けることがあります。
肌の質によって異なるのも事実。肌がドライかオイリーかでも異なるし、酸性度や体温、肌についてるバクテリアの影響もある。紙とか布につけただけじゃ、こういう違いは分からない。
タニア・サンチェス
人と香りが異なる
友人や家族と一緒につけた場合に、香りが異なるように感じることがあります。香水について調べてみるとよく聞く「人によって香りが変わる」ということです。なぜ、人によって香りが変わるのか。
ここでは、肌から空気中へ出る成分の違いと、人が嗅いで感じる印象の違いを分けて考えると整理しやすくなります。もともとの体臭に違いがあることだけで、つけた香水がどう変わるかまで説明できるわけではありません。
肌の状態と、香料成分の性質
2025年の研究では、10人の前腕に同じ香料混合物を塗り、肌の上の空気へ出てくる成分を機器で調べました。成分の放出量には個人差があり、肌の水分量や表面の細かな凹凸との関連も、成分によって異なりました。肌の特徴と香料の性質を組み合わせて考える手がかりになります。詳しくは、肌からの香り立ちを調べた研究で紹介しています。
ただし、これは少人数の成分分析で、参加者が感じた香りの強さや好みを測った実験ではありません。肌の水分量を変えたり、保湿剤を使ったりする比較もしていません。性別・年齢・人種だけで、その人の香水の香り方を決めつけることはできません。
時間がたったときの変化にも個人差がある
2018年の研究では、8人が同じ香りの製品を前腕につけた後、2時間まで成分を採取しました。時間とともに回収される成分の組み合わせが変わり、人同士の違いも広がりました。この結果も機器で捉えた成分の違いで、人が嗅いでどれほど違うと感じたかを示すものではありません。研究の範囲は、肌から出る成分は人と時間でどう変わる?で詳しく解説しています。
気候により香りが異なる
人間の影響だけではなく、自然も影響してきます。例えば、気温、湿度、季節によっても香り方は異なり、国が違えば異なってきます。これは話が少しズレますので、また別の記事にて。
嗅覚の変化により香りが異なる
恋、結婚、出産、別れ、人生には様々な大きな出来事がありますが、これらが我々の感覚に与える影響は大きなものです。
昨日好きだった香りが、次の日には嫌いになる。
かつて愛用していた香りが、不快に感じる。
逆に、嫌いだった香りが、今では意外といけるじゃん。
この話は少しズレますので、また別の記事にて。
まとめ:自分の肌で確かめる
肌から出る成分には個人差がありますが、その違いだけで香水の印象がすべて決まるわけではありません。気になる香水は、ブロッターで候補を絞ってから自分の肌でも試し、トップノートからハートノート、さらに時間がたった後まで、自分がどう感じるかを確かめてみましょう。ほかの人の感想を参考にしながら、自分の好みも確かめるための工夫です。



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