香料解説
フランス人の植物学者Pierre Magnol(ピエール・マニョール)にちなんで名前がつけられたマグノリアは最古の花の1つで、200以上の種類があります。1億年前に出現したとされるハチよりも起源が古く、恐竜のいた時代から咲く大きな白い花になります。主にアジア(日本と中国)とアメリカ(ルイジアナ・ミシシッピの州花)で栽培されています。
モクレン科の総称として、マグノリアと名付けられており、木蓮もマグノリアの1つになります。香料として使用されるのは、タイサンボク(泰山木、Magnolia grandiflora)という種になります。
香りは、シトラスのニュアンスを持ち、ライチのようなフルーティーを持つ香りです。初めて香水でエッセンスが使われたのはTocade(ロシャス、1994、モーリス・ルーセル)と言われています。モーリスが使用するのは、michelia centifloriaという種のマグノリアで、自身のサインとして様々な香水に忍ばせています。
香料になったマグノリアフラワーオイルは甘く、ブチブチと熟れて発酵したベリーのような香りがします。天然の花の香料で、珍しくフルーティ要素を持っています。
熟れた果実のトップノートが終わると、すぐにセージのようなハーバルな香りが強くなり、この二つの取り合わせが妙な感じの香料です。
また、caryophyllene(注:クローブの香りに含まれる香気成分)の渋い枯れたウッディな匂いもします。
大沢さとり
香水ではどう香る?
香水のマグノリアは、透明感のある白い花に、果実、青葉、ほのかなスパイスが重なるフローラルです。Michelia albaの花を蒸留した天然花油は、花そのものの複雑な表情を持つ素材。一方、合成分子Hedione HCは、マグノリアを思わせる澄んだ香りと拡散力を備え、トップからミドルのフローラルを明るく広げます。両者は別の原料であり、香水では単独またはほかの花材と組み合わせて、軽やかさや空気感をつくります。
マグノリアの香水を選ぶときのポイント
マグノリアの香水は、白い花の香りに加え、柑橘を思わせる明るさや、果実、木との組み合わせで選べます。
- 柑橘のような明るさ:レモンやベルガモットとの組み合わせ。花に、すっきりした爽やかさも欲しい人に。
- 花の柔らかさ:果実やムスクとの組み合わせ。透明感の中に甘さも欲しい人に。
- スパイスや緑の香り:ハーブやスパイスとの組み合わせ。白い花だけでは物足りない人に。
マグノリアの香りを楽しめる香水
オー ドゥ マグノリア オードトワレ(フレデリック マル)
柑橘やローズを思わせるマグノリアに、ベルガモット、レモン、グレープフルーツを合わせた香り。桃やアプリコットの甘さに、オークモスとパチョリが重なります。
コリアンダー(D.S. & DURGA)
コリアンダー、ゼラニウム、クラリセージに、マグノリア、ムスク、メースを重ねた香り。青いスパイスが中心で、ベースにマグノリアの花の香りが加わります。
マグノリアの好みから、次の一本へ
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