Lily of the Valley(Muguet)
リリーオブザバレー(ミュゲ)

スズラン 香料ま行や行ら行わ行

基本情報

 日本語でスズラン(鈴蘭)と呼ばれ、フランス語ではミュゲ(Muguet)と呼ばれます。語源はナツメグ(仏muscade)から来ており、muscadeは麝香(musc)を語源とするため、スズランはフランスで別名「森の麝香」とも言われます。

 フランスでは幸せの象徴で、5月1日に愛する人にスズランを送りあう習慣があります(ただし毒性があり、スズランをつけた水にも浸透するため注意が必要)。これは1561年5月1日にスズランの花束をプレゼントされて喜んだシャルル9世(第12代フランス王)に由来します。

香料ミュゲ

 基本的には、抽出しても収集率が非常に悪く、本来の花の香りとアブソリュートの香りが違うため、合成で香りが作られます。特に、ヒドロキシシトロネラールという香料が使われ、他にもリラール(Liral)リリア―ル(Lilial)が使われますが、これらアルデヒド系の合成香料はいずれもIFRAの制限により使えなくなってきています。代わりに、マヨールマジャントールフロローサといったアルコール系もミュゲの香りを表現するのに使われています。

 スズランのソリフローラで最も有名な香りはディオリッシモ(Dior, 1956, エドモン・ルドニツカ)であります。
 1900年グラースで初めてスズランのフォーミュラが作られ、1942年コティのミュゲドボワ、1956年ディオールのディオリッシモ、そして、IFFも開発し、エスティローダーのユースデュー、クリニークのアロマティックエリクシールといった香水にスズランのノートは使われてきました。

最初、私はスズランのノートを研究していましたが、同時にヒヤシンスのノートも研究していました。そのグリーンなノートのおかげで、スズランの香りはより自然なものに近づきました。

エドモン・ルドニツカ

 残念ながら、アレルギー制限のため、IFRAによって量が規制されており、昔のスズランの香りは全く変わってしまいました。しかし、その中でも、ジャン=クロード・エレナが新たなスズランの香りを生み出そうと革命を起こしたのがミュゲポースレン(エルメス、2016)でありました。

スズランは、その自然な繊細さが、力強さとミステリーを隠している、という反逆者です。

ジャン=クロード・エレナ
この記事を書いた人

香りの学び場「ルシェルシェパルファム」の運営者。
元香水販売員で、現在はとあるIT企業の管理職。
香水への愛が抑えきれず、自身の学んだことをはきだすサイトを作ってしまう。エルメス・フレデリックマルを主に愛用。

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Le Chercheur de Parfum

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