生年:1985年
出身:イタリア・ミラノ
名前:ルカ・マッフェイ(Luca Maffei)
活動拠点:Atelier Fragranze Milano(AFM)
シャンパンの酵母感をアイリスにつなぐ。ガソリンの気配から、煙とアンバーを経て、空へ上がっていく物語を描く。ルカ・マッフェイの作品をたどると、香水で表せるものの広さに驚かされます。
けれど、彼がしているのは珍しい匂いを集めることだけではありません。なぜその素材が必要なのか。どんな気持ちを届けたいのか。物語と香りの組み立てが、きちんと結びついています。料理を題材にした《Ragù》からクラシックな花の香りまで、作風の幅を支えるのは、着想を実際にまとえる香水へと仕立てる力です。 [1]
1985年ミラノ生まれ。香料業界に携わる父のもとで育ち、グラースで伝統的な訓練を受けたのち、父マルコ・マッフェイと香料会社Atelier Fragranze Milano(AFM)を立ち上げました。クラシックな花の香りから、ビールCO2抽出物を使う試みや、ガソリン、料理、都市景観を題材にした実験的な香りまで、幅広い作品を手がけています。2015年、2016年、2023年、2024年には異なる作品でArt and Olfaction AwardsのIndependent部門を受賞しており、イタリアの独立系調香に国際的な注目を集めた一人です。 [2]
調香史
生い立ち
ルカ・マッフェイは1985年、ミラノの香水産業と深く結びついた家庭に生まれました。父マルコは国際的な香料企業でマネジャーを務め、ヴェルサーチやトラサルディなどイタリアのファッション企業の製品開発にも関わった人物です。父が顧客へのプレゼンテーション前に大量のラボサンプルを自宅へ持ち帰り、家庭では調香師、アコード、ボトルについての会話が日常的に交わされていました。 [3]
彼が育った1990年代は、本人が「イタリア香水の黄金時代」と呼ぶ時期でした。父を通じて華やかな香水産業を身近に見たことが、のちの職業選択の背景にあります。ただし彼は一直線に調香学校へ進んだのではなく、古典教育を経てミラノで経済学を学んでいます。 [4]
最初の明確な嗅覚記憶は、母がまとっていたシャネル《Coco》です。母が動くたび、ローズ、ジャスミン、クローブ、コリアンダーからなる華やかでスパイシーな残り香が漂い、不在のときにも衣服に残った香りから母の存在と安心感を感じたといいます。 [5]
海の匂いも、彼の記憶に繰り返し現れます。父とボートでリグリア海岸を進んだときの海水、木造船、太陽の暖かさは「自由」の感覚と結びつき、妹が幼かったころの肌の匂いも大切な記憶として語られています。のちの質問票でも、季節を問わず海の匂いが好きだと答えています。 [6]
調香師への道
香水への関心が職業意識へ変わったのは、ラボを訪ね、調香師たちと話した経験からです。素材を識別して言葉で説明し、アコードを映像や記憶へ結びつける作業が自分には自然にできると気づきました。小さなアコードを試作する遊びは、気がつけば頭から離れないほど夢中になるものへ変わっていました。香水に関わる仕事のなかでも、彼が選んだのは自分で香りを創る道でした。 [3]
2007年、学業を終えたマッフェイは家族の会社でアシスタント・パフューマーとして香料業界へ正式に入りました。その後グラースへ赴き、元Givaudan–Roure調香学校校長の調香師フランソワーズ・マラン(Françoise Marin)のもとで個別訓練を受けました。天然・合成香料の特徴から処方や抽出法まで学び、南フランスの香料会社で実地経験を積みました。 [4]
この教育では、素材を系統的に記憶し、アコードと歴史的名香を学ぶジャン・カールの方法に基づく訓練が行われました。マッフェイ自身も、マランから香料の記憶法、アコードの組み方、香水の歴史を学んだと振り返っています。帰国後はM&M Fragrancesに参加し、イタリアのマスター・パフューマー、マウリツィオ・チェリッツァと仕事をしました。マランとの学びで素材の扱い方を身につけ、チェリッツァのいる現場でそれを作品へ結びつけていきました。フランスで学んだ技術と、イタリアを拠点に創ることは、彼にとって地続きだったのです。 [4]
本人は「鼻は生まれつきか、育つものか」という問いに「両方」と答えています。家庭環境によって早くから香りへ注意を向けられた一方、嗅覚は運動と同じく日々鍛えられるもので、反復によって識別能力は高まるという考えです。 [7]
キャリアの変遷
2007年からアシスタントとして活動し、2011年にPineiderの《Cuoio Nobile》を制作しました。同作は翌2012年、Accademia del Profumoの「Best Niche Perfume」部門ショートリストに入りました。2013年には30歳未満の調香師を対象としたEsxenceのコンテストへ《Iris Magnifica》を出品し、最終候補5作品に選ばれています。この出品を勧めたのがチェリッツァでした。本人がのちにEsxenceの思い出を尋ねられてこの出来事を挙げていることからも、キャリア初期の大切な節目だったことがうかがえます。 [4]
2011年、父マルコとともにAtelier Fragranze Milanoを創設しました。会社は香水の企画、調香、製造までを扱う独立系フレグランスハウスであり、マルコが産業面を、ルカが創作面を率いる体制を築きました。2020年にはミラノの旧製パン工房を改修した拠点へ、クリエイティブセンター、オフィス、研究室、製造設備を統合しています。 [8]
2014年、Société Française des Parfumeurs(フランス調香師協会)の会員となり、同年にはFondazione Cologni dei Mestieri d’ArteによるLes Talents du Luxe et de la Créationの候補者となりました。2020年版のMaestro d’Arte e Mestiere「黄金の書」にはArtistic Perfumery分野のマスターとして掲載されました。 [4]
AFMは2018年からフランス人調香師アントワーヌ・リーとの協働を進め、マッフェイとの共作も生まれました。両者は《The Italian Artists of Via Solferino》《The Courtyards of Castello Sforzesco》《Cupola》などで、イタリア的な題材と現代的な分子香料を結びつけています。 [9]
活動はボトル香水だけに限られません。VeniniのためのHOMI Milanoにおける嗅覚インスタレーション、マラネッロのMuseo Ferrari、Vivienne Westwoodのミラノ・ショールーム、Cosmoprof Bologna、MIDO Milanoなどの空間香も手がけました。 [4]
主な受賞・顕彰は次の通りです。
- 2012年:《Cuoio Nobile》がAccademia del Profumo「Best Niche Perfume」ショートリスト入り。 [4]
- 2013年:《Iris Magnifica》がEsxence若手調香師コンテスト最終候補5作に選出。 [4]
- 2014年:Société Française des Parfumeurs会員に選出。Les Talents du Luxe et de la Création候補。 [4]
- 2015年:《Black Pepper & Sandalwood》がArt and Olfaction Awards Independent部門受賞。 [2]
- 2016年:《Néa》が同賞Independent部門受賞。 [10]
- 2020年:Maestro d’Arte e MestiereのArtistic Perfumery分野に選出。 [4]
- 2023年:《Ierofante》がArt and Olfaction Awards Independent部門受賞。 [11]
- 2023年:アントワーヌ・リーとの共作《The Italian Artists of Via Solferino》がAccademia del Profumoの「Miglior Profumo Made in Italy」女性香水部門を受賞。 [12]
- 2024年:《Amnesia Rose》がArt and Olfaction Awards Independent部門受賞。 [13]
調香哲学・スタイル
マッフェイの仕事は、物語を香りへ置き換える「翻訳」として読むことができます。《L’Attesa》では恋人を待つ時間をアイリスとシャンパンの気配で、《Ierofante》では内面的な覚醒をガソリン、煙、アンバーの推移で表します。抽象的な気持ちや場面に、嗅覚でたどれる形を与えるのです。これは本人の肩書きではなく、作品をつなぐ一つの見方。説明を聞かなくても何かが伝わり、背景を知ればもう一度嗅ぎたくなる。その橋渡しに目を向けると、彼の幅広い作風も理解しやすくなります。 [1]
創作の中心にあるのは、依頼者との対話です。AFMでは原料の選択から香りが伝える感情まで、クライアントとともに考え、一つひとつの依頼に合わせて作品を仕立てます。相手はニッチ香水やファッションのブランドだけでなく、スキンケア、ボディケア、ホームフレグランスにも広がります。用途が変わっても、人の思いを香りに託すという姿勢は共通しています。 [14]
彼にとって良い香水の条件は「調和、創造性、情熱」です。強く押しつける香りより、調和と簡潔さを好み、自然な花香と、温かくクリーミーな木質香へ、スパイスや現代的な分子を対置して奥行きを作ります。特にローズとサンダルウッドを好み、別の質問票ではアイリスを最も好きな素材、ローズを最も好きな花として挙げています。 [7]
実務では数千種類の素材を片端から使うわけではありません。普段の創作では、自分の感性に合う200~300種類ほどのパレットを使うと説明しています。 [3]
素材への関心は、香りの性格だけでなく、その背景にも向かいます。2024年にはイタリアの農業生産者との協働を始め、アイリス・フロレンティーナやベルガモットなど、土地に根ざした素材に取り組みました。本人が重視するのは、どこで、どのように育てられ、誰がその品質を支えているのかを知ること。Made in Italyを作品のイメージだけにとどめず、原料を生む現場との関係へ広げている点が印象的です。 [14]
天然と合成を対立させる考えも取りません。天然素材には複雑さと産地固有の質がある一方、合成香料は天然の特徴を拡張し、表現の限界を押し広げます。ミラノの新旧建築を語る際にも、「自然が署名し、合成がそれを高める」という言葉で両者の関係を説明しました。 [15]
一日の仕事は、朝早くに始まります。嗅覚が休まった朝に前日の試作品を確認し、通常は3~4件のプロジェクトを並行して進めます。書いた処方はすぐ判断せず、素材同士がなじみ構造が形成されるまで24時間置きます。技術と創造性に加えて不可欠なのは好奇心であり、依頼主のDNAと新素材の傾向を調べ続けます。 [3]
処方はおおむね35~90種の素材からなり、計量後にアルコールへ加えます。まずムエットで確認し、調香師が承認した後に肌上で変化を評価し、最後にクライアントへ提出します。コンペ形式の案件では採用されない試作もありますが、本人はそれを、他の調香師の異なる解釈に触れながら腕を磨く機会と考えています。 [16]
共同制作も、彼の仕事を知るうえで欠かせません。2025年のCarthusia「Intenso」では、アントワーヌ・リーとバジリコ、ミルト、ジネストラの3作を手がけました。共通の題材はカプリと地中海。そこから清涼感、温かな官能性、包み込む花の表情へと、それぞれ異なる方向を描いています。 [14]
代表作とその背景
ブラックペッパー&サンダルウッド — Acca Kappa(2014年)
本人が2015年当時「個人的なお気に入り」と語った作品です。発想源はインドで、乳白色のサンダルウッドが東洋のスパイスのヴェールに包まれる光景を思い描きました。ベルガモット、エレミ、ヨモギ、サフラン、クローブ、モミ、ナツメグから始まり、ダマスクローズ、黒胡椒、シナモン、ウードを経て、パチョリ、ハイチ産ベチバー、サンダルウッド、ヴァージニアシダー、シプリオール、ブラックムスクへ至ります。 [17]
この香りは2015年Art and Olfaction AwardsのIndependent部門を受賞しました。ここで注目したいのは、作品の発想源とブランドの出自が同じでなくてもよい、ということ。インドから思い描いたサンダルウッドとスパイスを、イタリアの老舗Acca Kappaのために仕立てる。ここでの「翻訳」とは、土地の匂いをそのまま再現するだけではなく、依頼された香水にふさわしい形へと整える仕事なのです。 [2]
ネア(Néa)— Jul et Mad Paris(2015年)
《Néa》はビザンティン帝国の黄金時代と、その豪奢な視覚世界を主題にしています。デーツ、ザクロ、ヨモギ、パームリーフ、黒胡椒に、プルーン、ダマスクローズ、サンバックジャスミン、キャラメル、ヴァニラ、トンカ、ベンゾイン、カシュメラン、アンブロキサン、パチョリ、ムスクを重ねた濃密なアンバー・フローラルです。 [18]
ブランド創設者は、既存案に不足を感じていた時期にマッフェイと出会い、依頼から約2週間で《Garuda》と《Néa》の最初の試作が届いたと振り返っています。《Néa》は2016年Art and Olfaction Awards Independent部門を受賞し、ブランド自身は後年、この作品がグルマン香水へ新しい方向を持ち込んだと位置づけています。 [19]
ラテッサ(L’Attesa)— Masque Milano(2016年)
《L’Attesa》は「待つこと」、とりわけ恋人が到着する直前の時間を描くアイリス香です。イタリア産アイリス・アブソリュート、イタリア産とフランス産のオリスバターを用い、香りの展開全体を貫くアイリスの軸を作りました。 [1]
技術的な焦点は、一般的なアルデヒドやスパイスの「泡」ではなく、開栓直後のシャンパンにある苦味、粉っぽさ、酵母感を再現することでした。マッフェイはCharabotのビールCO2抽出物を見つけ、ホップ由来の苦く粉っぽい性格を利用しました。高濃度のイロンを含むイタリアン・オリスの立ち上がりを補強し、酵母の苦い粉香からアイリスへ橋を架ける設計です。 [20]
三つのアイリス原料には、それぞれ役割があります。イタリア産アブソリュートの鋭く粉っぽい面は、立ち上がりの酵母感を引き立てます。一方、イタリア産とフランス産のバターのように濃厚な原料は花の中心を豊かにし、ミルキーなウッド、レザー、ムスクの余韻をなめらかにつなぎます。シャンパンは冒頭だけの飾りではなく、アイリスへ入っていくための導入。素材ごとの質感をつなぐことで、「待つ時間」の一場面が香りの展開になっています。 [1]
Ierofante — Parfums Quartana(2022年)
《Ierofante》は、クリエイティブディレクターのジョセフ・クァルターナが語る内面的な覚醒を、ロケットの発射になぞらえて描いた香水です。ガソリンとスエードで点火前を、熱分解スティラックス、乳香、スモーキーレザーで離陸を、カシュメラン、黄金色のアンバー、ベチバー、ミルラで到達を描きます。 [21]
マッフェイは「聖性」をウッディ、スパイシー、レザーのアコードと対照によって表し、神秘的な次元へ運ぶオーラを目指しました。重く湿ったガソリン調から煙を経て、次第に軽いアンバーへ上昇させる構造が技術的な核心であり、2023年Art and Olfaction Awards Independent部門を受賞しました。 [22]
アムネシア ローズ(Amnesia Rose)— Aedes de Venustas
Aedes de Venustasの店舗そのものの濃密で折衷的な雰囲気をボトルへ移すため、長期間をかけて作られたローズ香です。モロッコ産ローズ・アブソリュートとブルガリア産ローズ・エッセンスに、シプリオール、サフラン、Bushman’s Candleを対置し、花の丸みへ乾いた木質とスパイスを通しました。 [23]
マッフェイが目指したのは、時間がたっても存在感を失わないローズでした。フレッシュな一輪の花を写し取るより、店に並ぶ花や調度品、そこに漂う空気をひとつの香水へまとめる。ローズを主役にしながら、場所の記憶まで描こうとした作品といえます。2024年、同作はArt and Olfaction Awards Independent部門を受賞し、マッフェイに4度目の同賞をもたらしました。 [23]
ミラノという原料
マッフェイの創作を特徴づけるのは、イタリアを抽象的なブランド記号ではなく、具体的な色、建築、地区、素材へ分解する態度です。本人はMade in Italyを「世界と美を見る独自の方法」とし、スタイル、ラグジュアリー、創造性を嗅覚の個性へ変えようとしています。 [7]
《The Italian Artists of Via Solferino》では、ブレラの画材店を想起させる黄、ピンク、白を、オスマンサス、ピオニー、マグノリアで表しました。そこへユズ、マテ、赤ショウガの躍動、パチョリとスエードの艶を重ね、日曜朝の光がVia Solferinoの建物の間へ差す情景を、アントワーヌ・リーと共同で構成しました。 [24]
彼がミラノで好む匂いは、オスマンサスが咲くGuastalla庭園、湿り気のあるNavigli、謎めいた中庭です。古いリバティ様式と高層建築の双方を愛し、前者を天然精油の温かさ、後者を合成分子の前衛性になぞらえています。この都市観は、伝統と技術を対立させず、一つの香りへ共存させる彼の方法そのものでもあります。 [9]
AFMと人間中心の調香
AFMが独立系の香料会社として大切にしているのは、ブランドの作り手と調香師が直接、創作を深められる関係です。規模の大きさだけを価値とせず、細部を仕上げる職人的な姿勢と対話を重視しています。香水を誰のために、どんな思いで創るのか。その問いを依頼者と共有し、ブランドの個性を表す香りへ育てていくことが、会社の方針として掲げられています。 [8]
AFMが掲げる「Human Centric Perfumery」は、人の感情や対話を香水づくりの中心に置くという考え方です。市場統計や予測モデルを参照しても、出発点には人間の直観、対話、依頼者の物語を置きます。彼の説明では、処方は頭にあるアイデアを素材と量へ置き換えたもの。配合を検証する技術は欠かせませんが、その前に、何を描きたいかという思いがあります。どんな香水を創るかという問いを、数字だけに預けないのです。 [16]
ニッチ香水については、リスクを取れる領域だと考えます。市場動向を無視するのではなく、流行する素材や消費者の嗜好を読みながら、未経験の組み合わせ、通常の10倍といった大胆な用量、新しい抽出物によって独自性を作ります。コーヒー・アブソリュート、カカオ・アブソリュート、ジンジャーフラワー、新規アロマケミカルなどを例に挙げています。 [25]
ちなみに…
- 身につける楽しさを教えてくれた香水:2015年の質問票で最初にまとった香水を尋ねられ、Prada《Infusion d’Iris》と回答。身につけるとエレガントになった気がしたと振り返っています。アイリスを好きな素材に挙げる彼らしい、少し背筋が伸びるような思い出です。 [6]
- 香りの原点になった家族:母の《Coco》、父と出かけた海、幼い妹の肌。彼の嗅覚の記憶には、素材名だけでなく、そばにいた人やそのときの感覚が残っています。作品に物語を求める姿勢も、そうした記憶と重ねて読むと腑に落ちます。 [15]
- 好きな自作:2015年時点では《Black Pepper & Sandalwood》、2023年には《Cedro di Diamante》をお気に入りとして挙げています。 [15]
- 好きな匂い:海、研究室、サフランを使ったミラノ風リゾット。嫌いな匂いは「恐怖の匂い」です。 [6]
- 影響を受けた香水:自分が創りたかった作品としてGuerlain《Insolence》を挙げ、女性の官能性を十全に表すと評価しました。 [6]
- 理想の題材:濡れたアスファルト、雨、新車の匂いを「ボトルに入れてみたい自然・環境の匂い」として挙げています。 [7]
- 美意識:美術展、映画、星付きレストランでの食事など、感覚を刺激するものすべてが着想源であり、自らを「美を最大のインスピレーションとする唯美主義者」と表現しています。 [7]
- 収集癖:硬貨、切手、スニーカー、レコードなどを集めてきました。特に入手困難な一点を探す過程が好きだといいます。 [6]
- 好きなボトル:質問票で選んだのは、Christian Diorのデザイン、Baccarat製のクリスタルと紹介された初代《Diorissimo》。カットを施したクリスタルと金色の花束型キャップに惹かれています。 [6]
- 嗅覚訓練の助言:毎日練習し、一日を通じて身の回りの匂いへ注意を払うこと。本人はこれを体操になぞらえています。 [6]
調香作品
主な調香作品を年代順にまとめました。受賞作だけでなく、花、木、柑橘、グルマンといった幅広い方向へ仕事が広がっているのが分かります。共作は共同調香師を記載しました。年は原則として発表年で、制作年や資料による違いがあるものには補足を添えています。香水データベースの登録件数は濃度違いや再版でも変わるため、この表は全作品数を示すものではありません。Fragranticaの作品一覧/Parfumoの作品一覧
| 年 | ブランド | 作品名 | 共同調香・補足 |
|---|---|---|---|
| 2009 | Washington Tremlett | Chelsea Garden | |
| 2011/2012 | Alyssa Ashley | Ambre Gris | 発表年は資料によって異なる |
| 2011 | Pineider | Cuoio Nobile(制作年) | |
| 2012 | Alyssa Ashley | Oud pour Elle | |
| 2012 | Alyssa Ashley | Oud pour Lui | |
| 2012 | Perris Monte Carlo | Oud Imperial | |
| 2013 | Acca Kappa | Virginia Rose | |
| 2013 | Perris Monte Carlo | Rose de Taif | |
| 2013 | Atelier Fragranze Milano / Esxence | Iris Magnifica | |
| 2014 | Acca Kappa | Black Pepper & Sandalwood | |
| 2014 | Acca Kappa | Tilia Cordata | |
| 2014 | Acca Kappa | Vaniglia Fior di Mandorlo | |
| 2014 | Gabriella Chieffo | Hystera | |
| 2014 | Gabriella Chieffo | Ragù | |
| 2014 | Silvia Monti – Profumi d’Artista | Tintura Spiritosa (a cucchiaini) | |
| 2014 | Womo | Blue Linen | |
| 2014 | Womo | Red Velvet | |
| 2015 | Carthusia | Essence of the Park | |
| 2015 | Houbigant | Cologne Intense | |
| 2015 | Jul et Mad Paris | Garuda | |
| 2015 | Jul et Mad Paris | Néa | |
| 2015 | Onyrico | Empireo | |
| 2015 | Onyrico | Rossa Bohème | |
| 2015 | Onyrico | Unguentum | |
| 2015 | Perris Monte Carlo | Oud Imperial Extrait | |
| 2015 | Perris Monte Carlo | Rose de Taif Extrait | |
| 2015 | Pupa | I’m | |
| 2015 | Replay | Stone for Him | |
| 2016 | Gabriella Chieffo | Taersìa | |
| 2016 | Jul et Mad Paris | Secrets du Paradis Rouge | |
| 2016 | Laboratorio Olfattivo | MyLO | |
| 2016 | Laboratorio Olfattivo | Nun | |
| 2016 | Masque Milano | L’Attesa | |
| 2016 | Parco 1923 | Parco 1923 | |
| 2017 | Carthusia | Gelsomini di Capri | |
| 2017 | Carthusia | Terra Mia | |
| 2017 | Comporta Perfumes | Muda | |
| 2017 | Comporta Perfumes | Palafítico | |
| 2017 | Histoires de Parfums | Irrévérent | |
| 2017 | Histoires de Parfums | This is not a Blue Bottle 1.2 | |
| 2017 | Houbigant | Quelques Fleurs Jardin Secret EDP | |
| 2017 | Jacques Fath | Les Frivolités | |
| 2017 | Jacques Fath | Lilas Exquis | |
| 2017 | Jacques Fath | L’Orée du Bois | |
| 2017 | Jacques Fath | Rosso Epicureo | |
| 2017 | Jul et Mad Paris | Bella Donna | |
| 2017 | Laboratorio Olfattivo | Vanhera | |
| 2017 | Mendittorosa | Archetipo | |
| 2017 | Naso di Raza | Giuseppe | |
| 2017 | Nobile 1942 | 1001 | |
| 2017 | Olibere | Savannah’s Heart | |
| 2017/2020 | Pauline Rochas / Coolife | N°6 Genie in a Bottle / Le Sixième Parfum | Coolife名義の初出は2017年 |
| 2017/2020 | Pauline Rochas / Coolife | N°7 Bliss in a Bottle / Le Septième Parfum | Coolife名義の初出は2017年 |
| 2018 | Brera6 | 60mph Club | |
| 2018 | Brera6 | Liberty | |
| 2018 | Brera6 | No-Name | |
| 2018 | Extrait d’Atelier | Maître Céramiste | |
| 2018 | Familia Familia | Deal | |
| 2018 | Familia Familia | Family In Love | |
| 2018 | Familia Familia | Family In Love Baby | |
| 2018 | Familia Familia | Wake Me Up | |
| 2018 | Histoires de Parfums | This Is Not A Blue Bottle 1.5 | |
| 2018 | Houbigant | Bois Mystique EDP | |
| 2018 | Houbigant | Quelques Fleurs Jardin Secret EDP Extrême | |
| 2018 | Jacques Fath | Le Loden | |
| 2018 | Jacques Fath | Velours Boisé | |
| 2018 | Le Monarque | Le Monarque II | |
| 2018 | Le Monarque | Le Monarque IV | |
| 2018 | Olibere | Chemical Love | |
| 2018 | Olibere | Dangerous Rose | |
| 2018 | Olibere | Le Jardin de la Reine | |
| 2018 | Olibere | Le Jardin de Madame Chan | |
| 2018 | Olibere | Leather Attraction | |
| 2018 | Parco 1923 | Scarpetta di Venere | |
| 2018 | Perris Monte Carlo | Bergamotto di Calabria | |
| 2018 | Perris Monte Carlo | Cedro di Diamante | |
| 2018/2019 | I Fiori del Male | Tubéreuse Maléfique | 資料によって年表記が異なる |
| 2019 | Onyrico | Ingenium | 一部資料は2015年と記載 |
| 2019 | Coreterno | Catharsis | |
| 2019 | Coreterno | Hierba Nera | |
| 2019 | Coreterno | Punk Motel | |
| 2019 | Houbigant | Mon Boudoir | |
| 2019 | I Fiori del Male | Iris Obscur | |
| 2019 | Naso di Raza | Esmeralda | |
| 2019 | UERMI | NU Leather | |
| 2019 | Isabey | Prends-moi (take me) | 一部資料は2020年と記載 |
| 2020 | Astrophil & Stella | Amberlievable | |
| 2020 | Cigno Nero | Anima Libera | |
| 2020 | Cigno Nero | Forza Suprema | |
| 2020 | Mendittorosa | Athanor | |
| 2020 | Salvatore Ferragamo | Cupola | アントワーヌ・リー |
| 2021 | Acca Kappa | Volata | |
| 2021 | Alyssa Ashley | Cedro Musk EDP | |
| 2021 | Astrophil & Stella | A Night at the Opera | |
| 2021 | Astrophil & Stella | The Iris Way | |
| 2021 | Carthusia | A’mmare | |
| 2021 | Coreterno | Mystic Sugar | |
| 2021 | Coreterno | No Sleep | |
| 2021 | Gallivant | Naples | |
| 2021 | Maison Tahité | Vicious Cacao | |
| 2021 | Mendittorosa | Daymon | |
| 2021 | Pupa | Vamp! (Pink) | |
| 2021 | Pupa | Vamp! (Red) | |
| 2022 | Jul et Mad Paris | Bergamote Twist | |
| 2022 | Jul et Mad Paris | Cédrat Gingembre | |
| 2022 | Jul et Mad Paris | Ganja Oud | |
| 2022 | Jul et Mad Paris | Lys Nobilis | |
| 2022 | Jul et Mad Paris | Noisette Iris | |
| 2022 | Jul et Mad Paris | Revelo | |
| 2022 | Jul et Mad Paris | Vetiver Cuir | |
| 2022 | Olibanum. | Ambrette | |
| 2022 | Olibanum. | Iris | |
| 2022 | Olibanum. | Opoponax | |
| 2022 | Olibanum. | Osmanthus | |
| 2022 | Parco 1923 | Riserva Regia | |
| 2022 | Parfums Quartana | Ierofante | |
| 2022 | Trussardi | The Italian Artists of Via Solferino | アントワーヌ・リー |
| 2022 | Trussardi | The Courtyards of Castello Sforzesco | アントワーヌ・リー |
| 2023 | Aedes de Venustas | Amnesia Rose | AFMの作品ページは2022年と記載 |
| 2023 | Houbigant | Ambre des Abysses | |
| 2023 | Houbigant | Oud Or | |
| 2023 | Houbigant | Patchouli Sauvage | |
| 2023 | Laboratorio Olfattivo | Miss-U | |
| 2023 | Laboratorio Olfattivo | Tiglio Mirabilis | |
| 2023 | Sãlum Parfums | Abyss Rose | |
| 2023 | Sãlum Parfums | Amber Wave | |
| 2023 | Sãlum Parfums | Delicious Bay | |
| 2023 | Sãlum Parfums | Marine Oud | |
| 2023 | Zoologist | Harvest Mouse | |
| 2023 | Private Mood | Velvet Coco | |
| 2024 | Perris Portofino | Bel Sole | 一部資料は2023年と記載 |
| 2024 | Perris Portofino | Blu Profondo | 一部資料は2023年と記載 |
| 2024 | Perris Portofino | Fiori di Mare | 一部資料は2023年と記載 |
| 2024 | Perris Portofino | In Riviera | 一部資料は2023年と記載 |
| 2024 | Coreterno | Oceanoir | |
| 2024 | Houbigant | Ambre Rubis | |
| 2024 | Houbigant | Rose du Désert | |
| 2024 | Houbigant | Vanille Impériale | |
| 2024 | Jul et Mad Paris | Callisto | |
| 2024 | Marc Gebauer | Vendetta | |
| 2024 | OHTOP | Half Moon | |
| 2024 | Replay | Green on Me for Man | |
| 2024 | Śasva | Forbidden Words Bombay Gourmand | |
| 2025 | Carthusia | Intenso di Basilico | アントワーヌ・リー |
| 2025 | Carthusia | Intenso di Ginestra | アントワーヌ・リー |
| 2025 | Carthusia | Intenso di Mirto | アントワーヌ・リー |
| 2025 | Coreterno | Godimenta | |
| 2025 | Coreterno | Hypnorange | |
| 2025 | CZAR | LINK X Luca Maffei | |
| 2025 | Marc Gebauer | Cocoon | |
| 2025 | Mutis – Nueva Granada | Bolero | |
| 2025 | Mutis – Nueva Granada | Mambo | |
| 2025 | Olfactive Traveller | Pelle Viola | |
| 2025 | Perris Monte Carlo | Balsamir | アントワーヌ・リー |
| 2025 | Spiritica | Yuzuyakuza | |
| 不明 | Houbigant | Bois Mystique Extrait |
年代順の表では別々に見える《L’Attesa》《Ierofante》《Amnesia Rose》も、着想と素材の関係に目を向けるとつながってきます。大切なのは、何の匂いかだけでなく、なぜその匂いがそこにあるのか。マッフェイの香水を読む面白さは、まさにその部分にあります。
参考文献
- Masque Milano, Noses
- 2nd annual Art and Olfaction AWARDS
- The work of the perfume maker: Nose Interview | Alyssa Ashley
- Luca Maffei
- Luca Maffei perfumer
- Luca Maffei: Perfume Questionnaire
- Nice to meet you! I’m a “nose”! – Niche & Co.
- About
- L’intervista di Club Milano al naso profumiere Luca Maffei | IT
- The Art and Olfaction Awards › 2016 Winners
- THE WINNERS of The 9th ART & OLFACTION AWARDS ~ Art Books Events ~ Fragrantica
- PREMIO ACCADEMIA DEL PROFUMO 2023: I VINCITORI
- THE WINNERS of The 10th ART & OLFACTION AWARDS (2024) ~ Art Books Events ~ Fragrantica
- the fragrance of my summers in Forte
- “When you smell it, it unfolds like a story” — Luca Maffei, Italian perfumer
- Profumeria e dati analitici: l’intelligenza artificiale potrà mai vincere la creatività umana?
- Black Pepper & Sandalwood Acca Kappa perfume – a fragrance for women and men 2014
- Néa Jul et Mad Paris perfume – a fragrance for women 2015
- Interview with Julien and Madalina Blanchard, souls of the brand JUL ET MAD.
- Masque Milano L’Atessa Review – ÇaFleureBon Perfume Blog
- PARFUMS QUARTANA Ierofante extrait de parfum
- Quartana – Ierofante | Atelier Fragranze Milano
- Amnesia Rose – Eau de Parfum
- Trussardi – Le Vie di Milano – The Italian Artists of Via Solferino
- Luca Maffei (Atelier Fragranze Milano): “Niche perfumery allows me to take risks” – Nez the olfactory cultural movement
作品一覧・補足資料
- Luca Maffei – Egoist Royal Parfums
- Manifest – brera6 perfumes
- Jul et Mad LES WHITE – Néa, Nin-Shar and Garuda – ÇaFleureBon
- Italian artisan excellence acknowledgment: MAM
- Trussardi – Le Vie di Milano The Italian Artists of Via Solferino
- Trussardi – Le Vie di Milano – The Courtyards of Castello Sforzesco
- Salvatore Ferragamo – Cupola – Atelier Fragranze Milano
- Possibly of interest
- Our Special Thanks – Jul et Mad Paris
- Unveiling the Scented World of Joseph Quartana
- Fragrantica:Luca Maffei 作品一覧
- Parfumo:Luca Maffei 作品一覧
- Parfumo:Taersìa
- Parfumo:Balsamir
- Forte Magazine:Luca Maffei インタビュー、2025年5月


