「調香とは、忍耐の問題である。」
— ジャック・ゲラン(Jacques Guerlain)
基本情報
設立年: 1828年
創設者: ピエール・フランソワ・パスカル・ゲラン(Pierre-François-Pascal Guerlain)
本社: パリ、フランス
現在の親会社: LVMH(エルヴイエムエイチ)モエ・ヘネシー・ルイ・ヴィトン(1994年より)
公式サイト: https://www.guerlain.com
創設者・ブランドの成り立ち
香辛料商の家に生まれた少年の好奇心
1798年、フランス北部の港湾都市アブビルに、ピエール・フランソワ・パスカル・ゲランは生まれた。 代々香辛料商や貿易商を営む家に育った彼は、幼い頃から科学と香りに強い関心を示したという。 やがてイギリスへ渡り、医学と化学を修め、さらに調香術と石鹸製造の技術を習得した。 当時のパリで調香と石鹸製造が花形産業として急成長しつつあったことも、彼の進む道を後押しした。
1828年、リヴォリ通りの小さな店
1828年、知識と野心を携えてパリへ戻ったピエールは、リヴォリ通り42番地に最初のブティックを開いた。 当時の香水業界では、顧客ひとりひとりのために香りをカスタムブレンドすることが一般的であり、ゲランの店もその慣習に倣っていた。 しかし、彼の調香の才能は瞬く間に評判を呼ぶ。上流社会の顧客を次々と惹きつけ、1840年には、当時パリ随一のファッション街として知られたラ・ペ通り15番地に旗艦店を移転した。
皇妃への献上品が生んだ伝説
ピエール・フランソワ・パスカルの名を不朽にしたのが、1853年のエポックメイキングな出来事である。ナポレオン3世との婚礼を控えた皇妃ユージェニーのために、彼はベルガモット、レモン、ネロリ、プチグレンのオー・ド・コロン「オー・ド・コロン・アンペリアル(Eau de Cologne Impériale)」を創作した。 その香水を収めるボトルの設計はガラス工房「ポシェ・デュ・クールバル」に依頼し、フランス帝国の象徴であるミツバチ69匹を手描き金彩で施した独創的なフラコンが誕生した。
この香水は皇妃の頭痛を和らげたとも伝えられ、同年5月11日、皇妃の侍従から「陛下の公式御用達調香師」の称号授与を告げる書簡が届いた。 この栄誉はゲランの名声を欧州全土に知らしめ、英国のヴィクトリア女王、スペインのイザベル女王2世らもゲランの顧客に名を連ねることとなった。
1864年、ピエールの死去とともにブランドは息子たちの世代へ引き継がれた。
第2世代―「ジッキー」という革命
弟ガブリエルが経営を、兄エメ(Aimé)が調香を担うという役割分担のもと、ゲラン家の2代目は香水史に残る一本を世に送り出す。
1889年、エッフェル塔がパリの空にそびえ建ったその年、エメ・ゲランは「ジッキー(Jicky)」を発表した。 合成香料と天然香料を組み合わせた先駆的な香水であり、現代的フレグランスの概念を切り開いた「世界初のモダン香水」として今日も広く認知されている。 ラベンダー、シトラス、バニラ(天然バニラを補う合成バニリンを採用)が織りなすユニセックスな香りは、当時の常識を覆した。 ジッキーは現在も生産が続く、現代香水の中でも最も長く製造されている作品のひとつである。
名前の由来については諸説あり、「エメのイギリス留学時代の恋人のあだ名」という説と、「甥のジャック・ゲランのあだ名」という説が並立している。
第3世代―ジャック・ゲラン、天才の沈黙
ゲラン家の中で最も輝かしい名前は、エメの甥にして3代目の調香師、ジャック・エドゥアール・ゲラン(1874年〜1963年)だろう。
ガブリエルとクラリスの次男として、1874年にコロンブの一家別荘で生まれたジャックは、家族の慣例に従ってイギリスで教育を受け、その後パリのエコール・モンジュで歴史・英語・ドイツ語・ギリシア語・ラテン語を学んだ。 子供のいないエメは、16歳のジャックを後継者として手元に置き、香りの世界の手ほどきを始めた。 1890年、ジャックは最初の香水「アンブル(Ambre)」を創作し、その後パリ大学のシャルル・フリーデルの有機化学研究室でさらに腕を磨いた。
しかしジャック・ゲランは、その圧倒的な才能と名声にもかかわらず、生涯を通じて公の場に出ることを徹底して避け、インタビューを一度も受けなかった。 彼の内面や制作プロセスについて残された資料は少なく、香水評論家マルセル・ビロが1964年に記した追悼文に、数少ない「肉声」の痕跡が見出せる。
「これほど多くの傑作を生み出しながら、彼はその才能をほとんど意識していないように見えた。『調香とは忍耐の問題である』と言うに留まり、それ以上を語ろうとしなかった。」
— マルセル・ビロ(調香師・フランス調香師協会初代会長)、1964年(ビロがジャック・ゲランの発言を引用したもの)
香水で描いた絵画たち
ジャックの創作活動は、1912年から1955年にかけて、前例のないほど多彩な傑作群を生み出した。
ルール ブルー(L’Heure Bleue、1912年) は、ジャックがセーヌ川沿いを散歩していたある夏の夕暮れに着想を得た。地平線に沈む太陽と、まだ星の出ていない空の間に広がる、どこまでも深い青。ゲランのアーカイブによれば、彼はこう記している。「あれほど強烈なものを感じたのに、言葉では表現できなかった。香水で表現するしかなかった。」 このパリの宵闇を閉じ込めたフローラル・アンバーは、百年以上を経た今も、その感動をそのまま伝え続けている。
ミツコ(Mitsouko、1919年) は、数百回にも及ぶ試行錯誤の末に完成した、オークモスと桃を思わせるガンマ・ウンデカラクトンを核としたフルーティ・シプレーである。 名前は、クロード・ファレールの小説『ラ・バタイユ』(1909年)の女主人公「ミツコ」にちなむ。日露戦争における日本海軍の活躍を描いたこの小説から、ジャックの日本への強い憧憬が伝わってくる。
シャリマー(Shalimar) は、ゲランの歴史の中でも特別な位置を占める一本だ。あるパリでの席でマハラジャから、ムガル皇帝シャー・ジャハーンが妃ムムターズ・マハルのために庭園「シャリマール・バーグ」(サンスクリット語で「愛の神殿」)を築いた逸話を聞いたジャックは、その官能的な愛に触発された。 誕生のきっかけは衝動的だったとも伝わる。ジャックがジッキーのボトルにエチルバニリンを注ぎ込んだ瞬間、シャリマーの核となるハーモニーが生まれたという。 ムスク、サンダルウッド、アイリス、安息香、バニラ、パチョリなど濃密な東洋の香りが重なり合った、当時としては「あつかましいほど深いV字ネックのイブニングドレス」とゲランが表現したほどの官能的な香りが完成した。
シャリマーのボトルは、ジャックの甥レイモン・ゲランがデザイン。東洋の庭園の水盤をモチーフにした曲線に、インドの星空を想起させるバカラ水晶のミッドナイトブルーの扇形ストッパーを戴いた。 この瓶は1925年の装飾芸術・現代産業博覧会で第一位を獲得している。
シャリマーについては、シャネル N°5(ナンバーファイブ)の創造者エルネスト・ボーが残したとされる言葉が名言として伝わる。
「私がバニラを使えばクレームブリュレかカスタードになってしまう。しかしジャック・ゲランはバニラを使って、シャリマーという傑作を生み出した。」
— エルネスト・ボー(シャネル N°5(Chanel N°5、ナンバーファイブ)の調香師)
夜間飛行(Vol de Nuit、1933年) は、親友でもあったアントワーヌ・ド・サン=テグジュペリの同名小説(1931年)へのオマージュとして生まれた。 早期航空開拓時代の冒険と緊張感を表現したこの香水は、飛行機のプロペラを模したボトルに入れられ、アフリカへの異国趣味を想起させるシマウマ模様の外箱に収められた。 ちなみにサン=テグジュペリ自身も、小説の主人公ファビアンと同じように、偵察飛行中に行方不明となり謎の死を遂げている(1944年)。
ジャックは1955年まで現役の調香師として活動を続け、レジオン・ドヌール勲章(シュバリエ)を授与された。
第4世代―視力を失った少年、祖父に導かれた鼻
ジャック・ゲランの孫、ジャン=ポール・ゲランは、まったく異なる道筋でこの家業に引き込まれた。16歳で視力を失い、学校を辞めて家に引きこもっていた彼を、祖父ジャックが工場へ連れ出し、香りを嗅ぐことを教えたという。 その後の複数の手術で視力は回復したが、磨かれた嗅覚はそのままに、調香師の道を歩み始めた。
ジャン=ポールは1956年から調香を担当し、代表作には「ヴェティヴェール(Vetiver、1959年)」、アビ・ルージュ(Habit Rouge、1965年)、「シャマード(Chamade、1969年)」、「サムサラ(Samsara、1989年)」などがある。 とりわけアビ・ルージュは、「香水史上初の男性用オリエンタル香水」として位置づけられ、シャリマーを「男性版」に昇華させたとも称される。 自らも馬術の国際競技に参加した愛馬家であった彼が、乗馬服(アビ・ルージュ)をモチーフに創ったこの香水は、革、ベルガモット、シナモン、バニラが複雑に絡み合う官能的な一本となった。
1999年には「アクア・アレゴリア(Aqua Allegoria)」コレクションを創設し、自身の庭園への愛情を香水の形で表現した。 ジャン=ポールは天然原料の調達にも深くこだわり、インドからのサンダルウッドやジャスミン、グラースのロゼ・ド・マイ、マダガスカルのゼラニウムやパルマローザなど、世界中の生産者と直接関係を構築した。
彼はしばしばこう語った。
「灯りを消せば、女性のドレスも宝石も、苦心した髪型も見えなくなる。残るのは彼女の香りだけ、それが最も強烈な記憶の形だ。私の秘訣は、創った全ての香水に愛が宿っているということだ。祖父が16歳の私に語ったように―愛する女性のために香水を創るべきだ、と。」
— ジャン=ポール・ゲラン
ファミリーから世界へ―LVMH(エルヴィエムエイチ)への合流
1994年、4代にわたってゲラン一族が守り続けた香水王朝に転機が訪れた。フランスの高級品複合企業LVMH(エルヴイエムエイチ)が、ゲランを傘下に収めることを発表したのである。 ベルナール・アルノーはこの買収を「パートナーシップ」と表現し、当初はゲラン家が創造的コントロールを維持する形を取った。買収額はル・モンドによると約19億5800万フラン(当時)、ゲランの企業評価額は44億フランに達した。 1996年にはLVMHが株式の100%を取得し、今日に至る。
第5世代―ゲラン家の外からやってきた「鼻」
2008年、ゲラン家以外の人間として初めて専属調香師に就任したのが、スイス出身のティエリー・ワッサー(Thierry Wasser)だった。
スイスのモントロー近郊の森と農場に囲まれた環境で育った彼は、学校が嫌いで農場に入り浸り、最終的に薬草師の見習いとして4年間を過ごした。 19歳のとき、何かに導かれるように、香料・香水の大手メーカー2社に手紙を書いた。ジボダンに採用され、調香の道へと踏み込んだ。 その後、フィルメニッヒ(ニューヨーク)でランコムやクリスチャン・ディオールの香水を手がけ(2002年の「アディクト」など)、2008年に46歳でゲランの専属調香師に就任した。
彼はジャン=ポール・ゲランと2009年にチュニジアのオレンジ花の蒸留所を訪れ、老いた先代が庭の椅子に座り涙を流しながら自分を見守る姿を目の当たりにした。その経験が、ワッサーにとってゲランという家の意味を刻みつけた。
「私がブランドのために生み出すものは、時間と空間を超えて人を運ぶ体験でなければならない。嗅覚は感情に結びついている。香水を処方するのは科学ではなく、美学だ。ルールはない。原料は語彙のようなもの。それを組み合わせて物語を語る。」
— ティエリー・ワッサー(ラグジュアリー・トリビューン(Luxury Tribune)、2024年インタビューより)
その後は女性調香師のデルフィーヌ・ジェルク(Delphine Jelk、スイス人)と創作を共にしてきた。ジェルクは現在、フレグランスのクリエイションディレクターを務めている。 代表作は「ラ・プティット・ロブ・ノワール(La Petite Robe Noire)」「モン・ゲラン(Mon Guerlain)」など。
ブランドのこだわり
ゲルリナード(Guerlinade)―ゲランの魂
ゲランの香水には「ゲルリナード(Guerlinade)」と呼ばれる独自のアコード(複数の香料の調和的組み合わせ)がある。 発生の正確な時期については研究者間でも諸説があるが、ジャック・ゲランの時代に確立されたと広く理解されており、シャリマー、ルール ブルー、夜間飛行といった名作群に宿る「ゲランらしさ」の根幹をなすものだ。
その核心となる6つの素材は、ベルガモット、ローズ、ジャスミン、トンカビーン(マジパン、干し草、タバコを思わせる甘い香り)、アイリス、そしてバニラである。 この6素材は、近年ゲランが展開した「レ・エクストレ(Les Extraits)」コレクションにおいて、各素材を主役に据えた単独の香水として結実している。
ジャン=ポール・ゲランはかつて、ゲルリナードの意味についてこう語っている。
「偉大なワインの産地を見分けるように、また交響曲の作曲家を認識するように、あなたはゲランの刻印を感じ取るだろう。それは今日もなお持続している。」
— ジャン=ポール・ゲラン
天然原料への愛着と産地直接調達
ゲランの調香師は、単に処方を練るだけでなく、原料の生産地を自ら訪ね、農家や職人と直接関係を構築することを伝統としてきた。ワッサーは年間の3分の1を産地訪問に費やしており、インドや東南アジアの蒸留所、イタリア・カラブリアのベルガモット農家、チュニジアのオレンジ花蒸留所などへと出向く。
素材へのこだわりは細部に及ぶ。アイリスの香料はその根(リゾーム)から抽出されるが、栽培と乾燥に6年を要し、1トンの原料から得られるエッセンスはわずか2リットルに過ぎない。 バニラはアルコールに21日間コールドソーク(冷浸)してティンクチャーとし、オルファン(パリ近郊)の工場で手作業によって仕上げられる。 ベルガモットはイタリア・カラブリアの複数の生産者の精油をブレンドして独自のベルガモット香を実現している。
ボトルという芸術
ゲランの香水瓶は、中身と同等の芸術的価値を持つと言っても過言ではない。
ビーボトル(フラコン・オ・ザベイユ)は、1853年に皇妃ユージェニーへの贈り物として誕生して以来、170年以上にわたってゲランを象徴するアイコンであり続けている。 ナポレオン3世の帝国紋章であるミツバチ69匹と、ヴァンドーム広場の柱からインスピレーションを得たフェストゥーン模様が施されたシリンダー型フラコンは、ビーボトル誕生以来同じガラス工房「ポシェ・デュ・クールバル」が製造している。 金彩の蜂は今日も職人による手描きであり、香水の口は「ボードリュシャージュ(baudruchage)」と呼ばれる、薄い膜を糸で固定する伝統的な封止技法で封じられる。 この技法は現代の真空シールより古くから存在する。
シャンゼリゼ旗艦店もまた、ブランドのこだわりを体現する空間である。1914年に建築家シャルル・ムウェス(パリのリッツ、ロンドンのカールトンも手がけた人物)が設計したこの建物は、17種のカラーラ大理石で内装されたベル・エポック様式の建築の傑作だ。 現在はフランス政府の「歴史的記念物」に指定されており、2013年の改装後は世界最大のモノブランド香水・化粧品店(延床面積1600㎡、4フロア)となっている。
香水ラインナップ
ゲランはこれまでに600を超える香水を発表しており、全てを紹介することは紙幅的に不可能である。ここでは主要なラインとコレクションの構造を紹介する。
レ・レジャンデール(Les Légendaires)―伝説の一群
ゲランの「古典」として今日も生産・販売されている名作シリーズ。歴代調香師の代表作を現代版として提供する。
- ジッキー(Jicky、1889年):現行の現代香水の中でも最古級の一本。ラベンダー、シトラス、バニラのアンドロジナスな構成。
- ルール ブルー(L’Heure Bleue、1912年):アニス、ベルガモット、アイリス、スミレが紡ぐ、たそがれ時の情景。
- ミツコ(Mitsouko、1919年):桃の皮を思わせる独特のフルーティ・シプレー。
- シャリマー(Shalimar、1925年。創作の起点を1921年とする資料もある):東洋のバルサム、バニラ、ムスクが官能的に絡み合うオリエンタルの極致。世界で最も多く売れた香水のひとつ。
- 夜間飛行(Vol de Nuit、1933年):航空黎明期の冒険をまとった謎めいたアンバー。
- アビ・ルージュ(Habit Rouge、1965年):男性用オリエンタルの草分けであり「メンズ版シャリマー」。乗馬服に宿る革と森とバニラ。
アクア・アレゴリア(Aqua Allegoria)
1999年にジャン=ポール・ゲランが「庭への賛歌」として創設した、軽やかで明るい香りのシリーズ。 毎年新作が加わり、13本以上を数える多彩なラインナップへと広がってきた。 2022年のリニューアルでは、有機農業由来アルコール(フランス・シャルトル産ビートシュガーアルコール)を採用し、天然由来成分が最大95%に達する処方となった。 ビーボトルも再利用可能なリフィル式となり、サステナビリティへの移行を体現している。
レ・アブソリュ・ドリアン(Les Absolus d’Orient)
ティエリー・ワッサーが手がける、東洋の高貴な原料を核に据えたコレクション。アウード、サンタル・ロワイヤル、アンブル・エテルネル、ミュスク・ノーブルなど、各作品が際立つ個性を持つ。 ニュージーランド産の本物のアンバーグリス(ワッサー自身が厳選)を使用したエンセンス・ミティークなど、希少原料の使用にこだわった高濃度の作品群。
モン・ゲラン(Mon Guerlain)
2017年、ティエリー・ワッサーとデルフィーヌ・ジェルクがアンジェリーナ・ジョリーをミューズとして創作した現代のフローラル・オリエンタル。 プロヴァンス産カルラ・ラベンダー、インド産サンバック・ジャスミン、タヒチアンバニラ、オーストラリア産アルバムサンダルウッドという、世界4か国から集めた素材が調和した「現代の女性像」を表現する。 ジョリーの母がゲランのパウダーを愛用していたという縁も、このパートナーシップを引き寄せた。
ラ・プティット・ロブ・ノワール(La Petite Robe Noire)
パリジェンヌの精神を宿したローズを核とした香水。ブラックチェリー、アーモンド、ベルガモット、ティーノートが個性を添える。 ボトルは1912年に遡る「逆ハート型」の古典的デザインを踏襲している。
ちなみに…
いくつかの興味深いエピソードを付け加えておきたい。
シャリマーの誕生は偶然の産物? 最も有名な伝承のひとつが、ジャック・ゲランがジッキーのボトルにエチルバニリンを注ぎ込んだ瞬間に、シャリマーのベース・ハーモニーが誕生したというエピソードである。 ただし、これは「天才の偶然」を強調したいブランド側の伝承の可能性もあり、実際には数百回に及ぶ試行錯誤もあったとされる。
ジャック・ゲランは一度もインタビューを受けなかった。 最も影響力を持つ20世紀の調香師のひとりでありながら、レジオン・ドヌール勲章を受章しながら、ジャック・ゲランは公の場に出ることを徹底して避けた。 その創作の秘密は「香水が語る」として、ほとんど語り残されていない。
13歳からアビ・ルージュを愛用するティエリー・ワッサー。 現調香師ワッサーは、少年時代からジャン=ポール・ゲランが創ったアビ・ルージュを愛用しており、今日もこれをポケットに忍ばせている。 彼は自分が創った香水は自分では着けないという逆説的な姿勢を持つ。
ゲランは「生きた文化遺産企業」。 1828年から受け継がれてきた独自の製造ノウハウが評価され、フランス政府から「生きた文化遺産企業(Entreprise du Patrimoine Vivant、アントルプリーズ・デュ・パトリモワンヌ・ヴィヴァン)」の認定を受けている。
参考文献
- "P.F.P. Guerlain: The Story of a Master Perfumer" — L'Atelier Parfum
- "Guerlain Perfume House and Its History" — Bois de Jasmin
- "Guerlain" — Wikipedia
- "The Surprisingly Rich History of Guerlain's Bee Bottle" — W Magazine
- "Jicky, the First Modern Perfume" — Smithsonian Magazine
- "Jacques Guerlain" — Wikipedia
- "Perfumers on Perfume: Jacques Guerlain" — Bois de Jasmin
- "Shalimar by Guerlain: The History of a Fragrance Legend" — Blog Delacourte
- "Jacques Guerlain, the biography of a perfumery genius" — Blog Delacourte
- "Shalimar (perfume)" — Wikipedia
- "L'Heure Bleue at 100" — Perfumer & Flavorist
- "Jicky" — Wikipedia
- "Jean-Paul Guerlain" — NST Perfume
- "Thierry Wasser, Director of Perfumes Creations at Guerlain" — Luxury Tribune
- "Glass interviews Guerlain master perfumer Thierry Wasser" — The Glass Magazine
- "Getting to the Heart of Perfumery with Guerlain's Master Perfumer Thierry Wasser" — The Exchange
- "Iconic: Shalimar, the Perfume of the Roaring Twenties" — France-Amerique
- "Discover Les Extraits: Guerlain's Perfume Collection" — S Magazine
- "JOURNEY INTO LIGHT: VOL DE NUIT by GUERLAIN (1933)" — The Black Narcissus
- "Guerlain: Avenue des Champs-Élysées Paris Flagship Store Review" — Bespoke Unit
- "Guerlain" — Graces Guide
- "A New Spring, A New Aqua Allegoria For Guerlain" — Forbes
- "Guerlain unveils updated Aqua Allegoria collection" — Moodie Davitt Report
- "Angelina Jolie for Mon Guerlain" — Vertigo Magazine
- "LVMH acquisition of Guerlain" — Le Monde archives
- "ゲランの香りに息づく究極のフレンチシック" — CREA
- "憧れのフランス老舗コスメブランド「ゲラン」" — Torothy.com
- Guerlain – Wikiwand
- The Bee Bottle ⋅ GUERLAIN
- Guerlain's Jicky: The Birth of Modern Perfumery – daisies-in-the-wind
- Guerlain Jicky — The Modern Parfum, The History, & The Old Legend
- Shalimar by Guerlain: Review and History Info for an Iconic …
- Guerlain Shalimar Archives
- Lightyears CollectionVol de NuitGuerlain(1933)
- Guerlain Vol de Nuit: fragrance review and history – Perfume Shrine
- Jean-Paul Guerlain :: Perfumers
- Habit Rouge c1965
- GUERLAIN Habit Rouge – Eau de Toilette
- Persolaise Review: Habit Rouge from Guerlain (Jean-Paul Guerlain
- Sara Basra talks to Jean-Paul Guerlain – World Of Fine Wine
- Related Posts
- Guerlain – Company-Histories.com
- Guerlain Business Information, Profile, and History
- Une transaction de 1958 milliard de francs Guerlain rejoint …
- The history of the Guerlinade accord, original & re-issued Guerlinade perfume by Guerlain
- Guerlinade Accord
- Visit to Maison Guerlain: Heritage of 68 Champs-Élysées
- Les Légendaires ⋅ L'Heure Bleue – Eau De Toilette ⋅ GUERLAIN
- Guerlain introduces two new fragrances to its … – fashion headline
- Guerlain Les Absolus d'Orient Collection Overview 2020
- Guerlain Les Absolus D'Orient Encens Mythique EDP
- (Official) Mon Guerlain commercial: Starring Angelina Jolie
- GUERLAIN | La Petite Robe Noire – Eau De Parfum – Sephora
- La Petite Robe Noire ⋅ Eau De Parfum … – Guerlain
- Guerlain's Master Perfumer Thierry Wasser On The Art Of Emotional …
- ゲラン公式 ブランドの歴史
- ゲラン公式 ジッキー
- ゲラン公式 シャリマー
- パリ地方観光局 シャンゼリゼのゲラン
- ゲラン公式 クリエイター
- ゲラン公式 香水の工芸


