Antoine Maisondieu
アントワーヌ・メゾンドゥー

調香史

 アントワーヌ・メゾンデューは、1969年、グラースで調香師の家系に生まれました。父も祖父もシャラボ社で調香師として働いており、彼の母方の祖父は小説家・哲学者として有名なアルベール・カミュ(Albert Camus)であります。

 アントワーヌは、最初、ロースクールに通っていましたが、映画や写真に夢中で、法律には全く興味を持っていませんでした。というよりも法学の修士号ですら彼は満足できず、芸術への渇きがあったのです。
 そして、父が働いていることから香水業界で働くことは考えておらず、映画や写真よりも香水はクリエイティブでないと考えていました。ただのマーケティングと化学だと考えていたのです。この背景には7歳のときに両親が離婚し、アントワーヌは母と一緒にニースに行ったこともあると考えられます。

 しかし、ジボダン社のインターンシップに行ったときに、父の知り合いであったJacques Chabert(モルトンブラウンやトムダクソンの調香師。2006年にCNNがゲランのサムサラを調香したと発言したことで多くのマニアを困惑させ、謎に導いた。事実は不明。)に出会い、香水がいかに自身のクリエイティビティを表現できるものなのかを知り、調香に目覚めることになります。

ちなみに…

アントワーヌは、シャネルの元専属調香師であったジャック・ポルジュの一家と仲が良く、これは単なる偶然ではなかったのだろう、と回顧しています。

 香りの芸術性を知ったアントワーヌはすぐにジボダンパフューマリースクールに入学し、1989年からジボダン社で調香師として仕事を始めます。彼は1人もしくは2人で調香することを好み、調香するためにチームを組ませれば自身のエゴを通すことがないため、チームで調香することに向いている調香師と言われます。

私がよく思うのはニッチパフューマリーが退屈で、価格が高すぎるということです。コムデギャルソンやラルチザンのような例外もいくつかはありますが。私が好きなのは、誰でも近づきやすく、リーズナブルな価格である香水なのです。

アントワーヌ・メゾンドゥー

調香師というのは、美と詩の専門家であります。しかし、とても残酷な競争があるという側面もつきまとっています。

アントワーヌ・メゾンドゥー

アントワーヌ・メゾンドゥーの細かい情報をもっと知りたい方はこちら(フランス語)

調香作品

私は香水のコピー品は作りません。たとえ、私がとても商業的なブランドで香水を作り、目的がまさに商売だったとしてもです。

アントワーヌ・メゾンドゥー
YearBrandNameWith
2000GucciGucci Rush for menDaniela Andrier
2004Giorgio ArmaniArmani CodeAntoine Lie
2004Giorgio ArmaniPrive Eau de Jade
2006BurberryLondon for men
2006~2007Etat Libre d’OrangeEncens & Bubblegum、Jasmin et Cigarette、Vraie Blonde、Yes I do Don’t Get Me Wrong Baby、Noel au Balcon、Fat Electrician
2008~2016Comme des GarconsMonocle Scent One: Hinoki、Monocle Scent Two: Laurel、Monocle Scent Three: Sugi、Play Black、Play Green、Play Red、Wonderoud、Blackpepper
2009Acqua di ParmaMagnolia Nobile
2009~2014Van Cleef & ArpelsCollection Extraordinaire Muguet Blanc・Rose Velours・California Rêverie
2010LanvinMarry Me
2013Bottega VenetaPour HommeDaniela Andrier
2014Tom FordVelvet OrchidYann Vasnier&Calice Becker & Shyamala Maisondieu
2014Victoria’s SecretForbiddenAurélien Guichard
2015ValentinoDonnaSonia Constant
2018Essential ParfumsNice Bergamote
2019MontblancExplorerOlivier Pescheux & Jordi Fernandez
2020CoachDreamsNathalie Gracia Cetto&Olivier Pescheux&Shyamala Maisondieu
2020Jimmy ChooI Want ChooSonia Constant&Louise Turner
2021FerragamoIntense Leather、Spicy Leather
主要作品年代順
この記事を書いた人

香りの学び場「ルシェルシェパルファム」の運営者。
元香水販売員で、現在はとあるIT企業の管理職。
香水への愛が抑えきれず、自身の学んだことをはきだすサイトを作ってしまう。エルメス・フレデリックマルを主に愛用。

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コメント

  1. […]  ルシェルシェパルファムさんの記事に調香師さんの詳細が丁寧に書かれています。 […]