歴史と方法
柑橘系(レモン、グレープフルーツ、ベルガモット、ビターオレンジなど)の原料は、非常に繊細であるため、水蒸気蒸留法ではエッセンスを抽出することができません。そこで、これらの香料植物に使われる手法が圧搾法(Expression)になります。
19世紀にイタリアのシシリー島で開発された圧搾法は、柑橘類にのみ使われる抽出法です。柑橘類の実の皮(ピール)には、油胞と呼ばれる精油が蓄えられる細胞があります。その細胞壁は圧力を加えると簡単に破れ、精油を取ることができます。昔は手動で行われており、実を半分に切り、中身をくりぬき、果皮をお湯の中で手で絞り、浮いた精油をスポンジに吸着させていたようです。このため、スポンジ法とも呼ばれていました。
冷圧搾法
過去の圧搾法は、労働力とコストがかかるため、現在は新しい科学技術を使用した圧搾法が開発されました。プロセスの途中に熱が必要なく、冷やしながら行われるため、冷圧搾法(Cold Expression)と呼ばれます。
農園から到着した柑橘の果実は、洗浄され、傷んだ果実が取り除かれます。その後、「果実全体を機械にかける」ペラトリーチェ式(pélatrice)と「果肉を除いた果皮を機械にかける」スフマトリーチェ式(sfumatric)のどちらかが使用されます。抽出されたものは、精油と果汁が混ざっているため、遠心分離機にかけて、精油を手に入れます。
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