『Atlas of Perfumed Botany』(Jean Claude Ellena)

書籍情報

書籍名:『Atlas of Perfumed Botany』
著者:ジャン=クロード・エレナ
出版年:2022年4月5日(英語版)
出版社:MIT Press

神が香りを創り、人間が香水を作った。無防備で脆く、技術によってしか生き延び得ない。香水とは、香りと人間存在を合わせたものなのである。

ジャン・ジオノ

書籍レビュー

 ジャン=クロード・エレナは偉大である。それはエドモン・ルドニツカの意志を継ぎ、次世代へと自身の知識を伝えようと尽力しているからです。この1冊は、香水業界で使われる植物と香りのコンポジションの地図を作成する試みです。1人の調香師が香料について言及した本を出版するのは、恐らく史上初でしょう。

 内容は抽出される部位に応じてマッピングされます。木・樹皮、葉、花、果実、樹脂、種、根と分かれています。各香料は、歴史や香水への使われ方などが解説されています。重要なポイントは、単純にその植物の香りがどのような匂いかだけではなく、香水に使われる際の違いが筆者の視点から書かれているところです。

シナモンはヨーロッパの香水業界では広く使用されていません。しかし、エドモン・ルドニツカがエルメス最初の香水として創った革新的なオードゥエルメス(1951)に使用されています。この香水のインスピレーションは、女性の内なる欲求、つまり、レザーで作られたものに由来しています。

ジャン=クロード・エレナ

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この記事を書いた人

香りの学び場「ルシェルシェパルファム」の運営者。
元香水販売員で、現在はとあるIT企業の管理職。
香水への愛が抑えきれず、自身の学んだことをはきだすサイトを作ってしまう。エルメス・フレデリックマルを主に愛用。

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