Q. どうやって香水を勉強したらいいですか?どうしたら香水に詳しくなれますか?

learnperfume Q&A

A. そもそも香水について勉強するべきかどうか、という議論はさておき、「もっと香水を学びたい」という香水LOVER、「自分は香水を販売しているが、どう勉強していいか分からない。だけどもっと知りたい」という香水販売員、そんな方たちのために、引用をしながら私なりの考えを書きましょう。

何を費やすのか

香水について語る人は、それ以上に香水を買っている。

タニア・サンチェス

 これに付け足すならば、香水に関わることすべてに、お金時間をかければかけるほど香水に詳しくなれます。それは、イコール香水を勉強したということなのです。

 具体的にいうと、販売員ならば、自社製品はもちろん、他社製品や名香と呼ばれる過去の偉大な香水たちを買うor自分で足を運んで嗅ぐという物理的な経験は、何よりも自身が香水を語る際の「」になります
・身銭を切り、その香水を時間をかけて味わえば、カウンターに行ってムエットで嗅ぐだけよりも、その香水に対して理解は深まります。
・カウンターに行ってムエットで嗅げば、何もしないより段違いにその香水を知ったことになります。

 ここで大事なことは、お金だけではなく、時間をかけることも学ぶことになるということです。「お金が無いから」というのは、ただの言い訳に過ぎません。お金が無いなら、時間を使えば良いのです。カウンターに行って、ムエットで試香させてもらう(もちろん、常識の範囲で)、インターネットで香水のことを調べる(もちろん、このサイトもそうです)、のは無料なのです。

 さて、本を買って読んだり、インターネット上の記事を読んだりすることで学ぶ方法は、比較的安価で時間もたくさんかけずにすることができます。この方法では、香水の背景を知り、歴史を知り、香水の基礎から応用までを知ることができます。この経験は、香水を語る際の「」になります。
 香水を嗅いだだけの人よりも、使われている香料やストーリーを知っている人の方が、それよりもその香水の歴史的背景や調香師の思いを知っている人の方がより語ることができるということです。

香水とは、記憶と性では絶対にない。香水は美であり、知なのです。香水とは、香りではなく、ボトルに詰め込まれたメッセージなのです。そして、そのメッセージは調香師によって書かれたものであり、嗅ぐ人に読まれるものなのです

ルカ・トゥリン

 そして、この学んだことを別の人に話して、アウトプットをする、これが最も良いスパイラルだと考えます。

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人生経験を積む

 香水とは芸術であります。そして、芸術は学びだけではなく、人生経験によっても味わいが変わってきます。様々な人生経験を積むことは、香水の味わいに影響を与えます。もし、あなたが香水のクリエイションを考えているならなおさらです。

調香には、たくさんの香料を覚え、組み合わせるといった訓練が必要です。しかし技術だけでなく、歩んだ人生が感動の多いものであればあるほど、作品は光彩を放つ美しいものになるでしょう。香水をデザインすることは、他の全ての芸術と同じ、クリエーションの世界なのです。

大沢さとり

あなたの学びを励ます調香師の名言

人の趣味、またはセンスは、たえず自分を深く磨くことによって高められます。それは絵画、彫刻に接したり、音楽や文学に心を開くのと同じことではないでしょうか。自分自身を高めること、それが、自分にとってよい香水に出会える道といえるでしょう。自分を深く知れば、自分に一番似合った香りは自然にわかってくるものです

エドモン・ルドニツカ

私は過去を沢山振り返ります。なぜなら、過去とは歴史で、歴史とは繰り返すものだからです。もちろん、全く同じようには繰り返しませんが、価値観は変わらないのです。だから、歴史を記憶し、研究し、もっともっと学ぶということは、とても重要なことだと私は思うのです

フランシス・クルジャン
この記事を書いた人

香りの学び場「ルシェルシェパルファム」の運営者。
元香水販売員で、現在はとあるIT企業の管理職。
香水への愛が抑えきれず、自身の学んだことをはきだすサイトを作ってしまう。エルメス・フレデリックマルを主に愛用。

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