Nez(ネ)|Auparfumから生まれた嗅覚文化の出版活動と、香りを言葉にする編集の仕事

本、試香紙、無記名の試料瓶を配した、出版と嗅覚文化を表すLCP制作の生成静物。Nez・ネの文字。 香りの世界を広げる

人々は、匂いを嗅いだときに自分が感じることに、十分耳を傾けていないのです。

ジャンヌ・ドレ — Nez共同創設者・編集長、2019年

香水を嗅いで、好きだと感じる。その先を言葉にしようとすると、途端に難しくなる。何に似ているのか。なぜ気になるのか。その香りは、どんな時代や仕事から生まれたのか。Nez(ネ)は、そうした問いを読む楽しみにつなげてきたフランスの出版・メディア活動である。

入口には香水がある。しかしページをめくると、植物の栽培、脳の働き、文学、料理、写真、社会の価値観へと話が広がる。香りを作品として批評することと、人間が匂いを通して世界を知ることを、一つの編集の場に置いた。その成り立ちをたどると、無料の香水批評サイト、読者の参加、紙の出版を知るデザイナーとの出会いが見えてくる。

基本情報

  • 名称・読み方: Nez(ネ)。フランス語で「鼻」を意味する。
  • 活動の始まり: Nezの出版・嗅覚文化活動は2016年。前身となる香水批評サイトAuparfumは2007年に公開された。
  • 共同創設者: ジャンヌ・ドレ(Jeanne Doré)、ドミニク・ブリュネル(Dominique Brunel)、マチュー・シェヴァラ(Mathieu Chévara)。現在はそれぞれ編集、営業、クリエーションと事業開発を担う。
  • 拠点: フランス・パリ。
  • 主な活動: 半年ごとの雑誌、香水と嗅覚の書籍、ウェブ記事、ポッドキャスト、香りを伴う出版企画、展示・イベント。
  • 公式サイト: Nez — le mouvement culturel olfactif

Nezという活動名、雑誌『Nez, la revue olfactive』、出版レーベルNez éditions、法人Nez Médiaは、それぞれ異なる役割を持つ。出版社Le Contrepointの法人としての成立は2014年であり、Nezの創刊より早い。誌名の誕生と出版社の設立を同じ年にまとめると、この出会いの順序が見えなくなる。

創設者とNezの成り立ち

香水に批評の場をつくったAuparfum

ジャンヌ・ドレには、嗅ぐことと書くことという二つの関心があった。香水の学校ISIPCA(イジプカ)で学び、香水の仕事に携わっていた彼女は、ブランドが販売のために用意する説明とは別の言葉で香水を語りたいと考えた。音楽や映画、文学には批評がある。香水にも、作品を嗅いで考え、意見を交わせる場所があってよいはずだった。

一方のブリュネルは、二人の初期の紹介文で、自分では香水を選びきれず、勧められるままに買っていた人物として登場する。専門家の物語だけでなく、知りたい読者の側からも始まった活動だった。

構想が動き始めたのは2000年代半ばである。ドレが批評を書く案をメールで伝えると、ブリュネルは早速ドメインを取得した。「EauParfum.com」は空いておらず、名前は「Auparfum.com」になった。二人らしい軽い調子で語られたこの出来事は、後に二人がNezのサイト名を取得する話へと続いている。

Auparfumが実際に公開されたのは2007年。ドレとブリュネルに加え、共同創設者で技術を担うエマニュエル・ルミーズ(Emmanuel Remise)もサイトを支えた。読むだけだった人がコメントを寄せ、常連になり、自ら批評や文章を書くようになった。編集部の外にいた読者が、書き手として加わる。Nezを支える集団は、こうした往復のなかで育った。

ドレが目指したのは、広告の言葉をもう一度説明することではなく、香水を読者自身が判断するための言葉であった。その批評の経験が、やがて香水という商品を越える企画の土台になる。

無料のウェブから、読者が支える紙の出版へ

Auparfumは無料で読め、広告もほとんどなく、制作はボランティアに支えられていた。読者と書き手が増えても、そのままでは仕事を継続する経済的な仕組みが弱い。紙の出版には、読者が誌面に対価を払う道があった。同時に、香水の批評だけでは収まりきらない科学、芸術、歴史、食の話を扱いたいという考えもあった。

ただし、二人に紙の雑誌を出版する経験はなかった。ここに加わったのが、デザイナーであり編集者でもあるマチュー・シェヴァラと、出版社Le Contrepointだった。

私たちは出版のやり方を知らなかったからです。ただ、それだけです。

ドミニク・ブリュネル — 出版社と組んだ理由について、2016年

シェヴァラはエスティエンヌ校のタイポグラフィ制作のアトリエで4年間学び、デザインと出版を仕事にしてきた。彼が創設したMarge Designは2004年から活動し、文化や出版の仕事を積み重ねていた。Le Contrepointは料理の出版物『Omnivore』も手がけており、ブリュネルたちは、そこに自分たちの企画を本の形にできる経験を見いだした。

Le Contrepointはグラフィックと出版の知識に加え、書店へ本を届けるInterforumとの関係、広報を担った。書く人がいるだけでは本は届かない。編集とデザイン、製造と流通がつながって、Nezは紙の出版物として成立したのである。

2016年の創刊と、最初の寄稿者たち

創刊のためのクラウドファンディングは、目標2万ユーロに対して約2万5,000ユーロを集めた。支援したのは約500人。長く無料のサイトを読んできたコミュニティが、今度は新しい出版物を支える側に回った。

2016年4月14日、初号『Pour une culture olfactive』が刊行された。最初の印刷は5,000部で、増刷によって7,000部になった。書店だけでなく、支援者、企業、香水店、オンラインを通して読者へ届けられた。

初号に参加した17人の寄稿者は無報酬だった。ブリュネルは、次号から報酬を支払う約束をしていたことも明らかにしている。これは、最初から完成した出版社が新雑誌を出したという話ではない。先に蓄積した批評と人のつながりを、続けられる出版の仕事へ変えていく試みだった。

初号から、香水のレビューと並んでアラゴンの文学、パリ・オペラ座の匂い、科学、料理、NASAで匂いを確認する仕事が登場した。香水に詳しい人が別の分野に出会い、別の分野の読者が香りに興味を持つ構成が、創刊時点ですでにあった。

英語版、書籍、出版組織の広がり

2017年には第3号『Le sexe des parfums/The Sex of Scent』が最初の英語版となった。男性用・女性用という区分は、香水店で繰り返し出会う身近な問いである。それを歴史や社会と結びつけて考える号が、フランス語圏の外への入口になった。

ブリュネルは、英語版には読者の範囲を広げる経済的な理由もあったと率直に話している。当初は十分な流通網がなくても、早く英語で出したかった。誌面づくりと並行して、海外の書店や香水店へ届ける関係をつくっていったのである。イタリア語版も展開され、雑誌のほかに書籍の翻訳出版も広がった。

2017年には『Les cent onze parfums qu’il faut sentir avant de mourir』、2018年には『Le Grand Livre du parfum』が刊行された。ドレは編集を率いるだけでなく、共同執筆や書籍の制作にも携わり、ウェブで培った批評を、香水史や業界全体を読める出版物に育てていった。

出版組織の変化にも、この拡大が表れている。2019年の出版案内では、Le ContrepointからNez éditionsへの展開が示されている。法人名のÉditions Le ContrepointがNez Médiaに変わったのは2020年1月28日。前身サイトの公開、雑誌の創刊、出版レーベルの展開、法人名の変更は、異なる段階の出来事である。

現在、Mag by Nezの運営法人はNez Média、総合サイトbynez.comはNez Holding、公式ショップはNez Commerceである。読者から見えるNezは一つの文化活動であり、その仕事は編集・出版、販売、イベントなどの複数の仕組みに支えられている。

Nezと前身の活動をたどる年表

年主な歩み
2004年シェヴァラが創設したMarge Designの活動開始。出版とデザインの経験が、後のNezにつながる。
2007年ドレとブリュネルによる香水批評サイトAuparfumが公開される。
2014年出版社Éditions Le Contrepointが成立。Nez創刊以前の出版組織である。
2016年クラウドファンディングを経て、4月14日にNez初号を刊行。年末にはAuparfumのデザインもNezと連携する。
2017年第3号から英語版を展開。『Les cent onze parfums qu’il faut sentir avant de mourir』を刊行。
2018年『Le Grand Livre du parfum』初版を刊行。
2019年Nez+LMRの天然香料を扱う書籍シリーズ、香りの共同制作企画1+1を開始。ローザンヌの展示に関連して『Sentir, ressentir』も刊行。
2020年1月28日付で法人名Éditions Le ContrepointをNez Médiaに変更。
2021年11月、Podcasts by Nezを開始。
2023年4月、ミラノのEsxenceでNiche by Nezを始動。GDR O3との科学コミュニケーションの協働も始まる。
2024年Paris Perfume Week初開催。ポッドキャストの英語での展開が加わる。
2025年3月、英語・中国語のNez in Chinaを創刊。Grasse Perfume Week初開催。
2026年創刊10周年。第21号『L’Odeur du futur/The Smell of the Future』を刊行し、『Le Grand Livre du parfum』の増補改訂版も展開。

香りを言葉で伝える編集の仕事

感じたことから、自分の言葉を育てる

ドレは、匂いを説明する語彙を、初めから専門家だけが持つものとは考えていない。甘い、柔らかい、鋭い、心地よい、ある記憶を思い出す。正体の分からない匂いでも、感情や印象から話し始めることはできる。調香を学ぶ人も原料を覚えるとき、自分の経験と語彙を使っている。

嗅覚文化を学ぶとは、正解の名前を先に覚えることだけではない。匂いに注意を向け、感じた違いに言葉を与え、ほかの人と照らし合わせることでもある。Nezの文章は、その経験を香水の構成や素材、歴史、作り手の選択へつなげる。

2017年の『111の香水』をめぐる発言にも、この考え方がある。ドレは革新を、何にも似ていない香りを作ることだけで捉えていない。

一般に、調香師が完全に新しいものを生み出すことはありません。ある系譜のなかに身を置くのです。

ジャンヌ・ドレ — 香水の革新と歴史について、2017年

香水を一つずつ順位づけするだけでなく、前の作品から何を受け継ぎ、構成のどこを変えたのかを見る。香りの知識が増えることで、好き嫌いを失うのではなく、その判断をもっと具体的に話せるようになるのである。

一つの特集を、科学・歴史・社会から読む

Nezの編集思想は、扱う題材よりも、それを複数の角度から考える構成に表れている。

たとえば第5号の「天然と合成」。ここでは、どちらが上等かという二択で話を閉じない。植物の香りを構成する分子、19世紀の合成香料の登場、新しい分子の研究、安全性をめぐる議論、天然を訴求するマーケティングが、それぞれ別の問いとして並ぶ。原料を巡るイメージを、化学、歴史、産業、宣伝の話にほどいていくのである。

同じ号には、カラブリアのベルガモットを扱うルポ、ミシェル・アルメラックへのインタビュー、文学や嗅覚芸術もある。大特集で考え方を深めながら、現場の仕事と表現の具体例に戻れる。

第10号『Du nez à la bouche/From the Nose to the Mouth』では、香水と料理を結ぶ。味覚と嗅覚の関係から、料理史、食品の香りを作るフレーバリストの仕事、食の問題、香水の食べ物を思わせる表現へ進む。ノートに菓子や果物が入っているという話から、食べる行為そのものへ問いを広げる特集である。

紙のデザインも、読むための道具である

Nezは、雑誌の多様な記事形式と、本として残る品質を組み合わせた出版物である。写真を大きく見せるページ、タイポグラフィを前面に出すページ、理解を助ける図解、長い本文が、題材に合わせて組み合わされる。

Marge Designは、Nezのための書体も制作した。見た目を揃えるだけでなく、雑誌、書籍、ウェブなどを同じ活動として認識できる軸になっている。2016年末、AuparfumのデザインもNezに合わせて更新されたが、二つの媒体の内容と役割は区別して保たれた。

この仕事を創刊から支えてきたのが、Marge Designのアートディレクター、クレマン・シャルボニエ・ブエらである。2026年の10周年の座談会には三人の共同創設者に加え、彼と、「La Boutique imaginaire」を書いてきたレア・ワルテルも参加した。作り手や架空の人物に合う香水を考えるこの欄も、商品広告とは別の仕方で香水について想像し、語る入口になっている。

書籍で、植物から香水史まで掘り下げる

雑誌が一つの題材を多方面から考える場所なら、書籍にはまとまった知識を手元に残す役割がある。

『Les cent onze parfums qu’il faut sentir avant de mourir』は、ジャンヌ・ドレ、ヨアン・セルヴィ、アレクシ・トゥーブランらによる香水史の本である。有名な香水だけを並べず、時代を動かした作品や、すでに失われた作品も取り上げる。年代の区分と作品の系譜を使い、一つの香水を歴史のなかで読む構成になっている。

『Le Grand Livre du parfum』の英語版が『The Big Book of Perfume』である。嗅覚、香水史、原料、創作、製造、マーケティング、流通までをつなぎ、一本の香水ができて読者に届くまでの仕事を見渡せる。2018年のフランス語初版から翻訳が広がり、2026年の増補改訂版には、業界の変化を伝える新たなインタビューも加わった。

2019年に始まったNez+LMR「Cahiers des naturels/The Naturals Notebooks」は、IFFのLMR Naturalsと共同で、植物原料を一冊ずつ扱うシリーズである。ダマスクローズの巻では、植物学、栽培、経済、化学だけでなく、文学、芸術、料理へも視野を広げる。原料名を覚えるための本から、その植物と人間の関係を読む本へと厚みを与えている。LCPにも、この香料シリーズの書籍レビューがある。

また『The Sense of Scent』では、マチルド・ローランとサラ・ブアスが、調香師の歩みや信念を一冊の言葉として伝える。共同執筆、取材、編集によって作り手の考えを残すことも、Nezの出版の大切な仕事である。

ウェブと科学の協働、声で届く取材

現在のウェブは役割の異なる二つの入口を持つ。Auparfumは香水の批評と読者のコミュニティを中心に置き、Mag by Nezはインタビュー、論考、特集、催しの情報を通して、嗅覚文化の広い範囲を扱う。

科学の仕事を一般読者に伝える具体例が、2023年に始まったGDR O3との協働である。GDR O3は「匂いを発する物質・匂い・嗅覚」を対象に、分野を越えて研究者を結ぶ集団。Nezは、その代表者で神経科学者のナタリー・マンダイロン、化学者のグザヴィエ・フェルナンデスへの取材から、研究と読者のあいだに接点をつくった。

研究者をひとくくりの「科学的根拠」として登場させるのではなく、誰が何を調べ、どの分野を結んでいるのかを聞く。続く記事では嗅覚受容体などの研究も取り上げている。香水の感覚的な話と、嗅覚を解明する研究を、同じ読者が行き来できるようにする仕事である。

2021年11月に始まったPodcasts by Nezは、文章に加えて声で聞く入口となった。責任者のギヨーム・テソンは、料理や酒を専門とするジャーナリストでもある。長いインタビュー、現場を訪ねるルポ、Smell Talksの対話を配信し、2024年からは英語のエピソードも展開している。イベントで一度行われた会話を、その場にいなかった読者にも届けられる。

香り付きの紙と、共同制作企画1+1

Nezは、読んだ言葉を実際の匂いへ戻す工夫もしてきた。初号には、学校の匂いを題材にした香り付きカードが添えられ、IFFとArcade Beautyがその制作を支えた。ブリュネルたちが思い浮かべたのは、フランスの学校で親しまれた、アーモンドを思わせるCléopâtreの糊の匂いだった。

最初のカードの一つは、学校についてのものでした。

ドミニク・ブリュネル — 初期の香り付きカードについて

2019年に始まった1+1は、調香師と別の分野の創作者を組み合わせ、制作過程を誌面で伝える企画である。出来上がった香水だけでなく、対話と試作が出版内容になる。

第10号で扱った「Ambre à lèvres(アンブル・ア・レーヴル)」では、漫画家・映画監督のマルジャン・サトラピと、マネの調香師マチルド・ビジャウイが組んだ。2020年6月の最初の対話から、サトラピが幼いころ憧れた親族の化粧品、とりわけ口紅の匂いが制作の手がかりになる。

香料を嗅ぐ過程では、嫌いだと思っていたバニラに対する反応が変わった。彼女が苦手としていた身近な甘さと、バニラ・アブソリュートの印象には違いがあったのである。ビジャウイは好みを聞き、原料と試作を示し、その反応を次の制作へ持ち帰る。完成品のノート一覧よりも、こうした行き来から、記憶が香水になる仕事を読者は知ることができる。

展示と国際展開で、読む場所の外へ

出版は展示ともつながっている。2019年のローザンヌでは、mudacの『Nez à nez. Parfumeurs contemporains』と、Musée de la mainの『Quel flair ! Odeurs et sentiments』に関連し、仏語・英語の書籍『Sentir, ressentir』が刊行された。13人の調香師へのインタビューと研究者の文章を組み合わせ、創作と知覚の両方を読む形で、展示の問いを本に残した。

『A World Tour Through Scent』では、調香師、ジャーナリスト、写真家が各地へ出かけ、同じ場所を匂い、文章、写真で伝えた。12か国の体験が冊子、香り、写真のポートフォリオとなり、複数の都市の展示へ展開された。言葉で説明した旅と、その土地から着想した香りを一緒に体験する試みである。

2023年には独立香水を扱うNiche by Nezが加わった。仏語・英語で年1回刊行される無料の媒体で、香水の催しを通して読者に届く。2025年3月には、Notes Shanghaiで配布される英語・中国語の半期刊Nez in Chinaも始まった。主雑誌の仏語版・英語版とは別の媒体であり、新たな読者と地域に向けた出版の入口である。

2024年に始まったParis Perfume Weekでは、展示、対話、香りの体験が一つの場に集まる。料理のイベントOmnivoreの運営経験を持つロマン・ランボーも、Nez Eventsの仕事に加わった。2025年にはグラースにもPerfume Weekが広がった。ページで知った作り手の声を聞き、香りに触れる場所へ、出版の活動が伸びている。

今、何を読めて、どう体験できるのか

Nezへの入り方は、一つに決まっていない。現在の主雑誌はフランス語版と英語版で刊行される。二言語が同じ冊子に入っているという意味ではなく、読む言語に合う版を選ぶ。書籍には単独言語の版と、仏語・英語を併記した本があり、タイトルごとに異なる。

入口読める・体験できる内容言語と入手方法
紙の雑誌Nez一つの大特集に、原料のルポ、人物への取材、文化、批評を組み合わせた半年ごとの出版物仏語版・英語版。公式Shop by Nezで単号や購読を選べる。書店・一部の独立香水店でも扱う。
Nez éditionsの書籍香水史、業界の仕事、天然香料、作り手の考えなどを、一冊で掘り下げる仏語・英語を中心に、書籍ごとに翻訳版や二言語版がある。公式ショップの言語表示を確認して選ぶ。
Auparfum香水批評、記事、読者のコメントフランス語のウェブサイト。香水についての具体的な意見を読める。
Mag by Nezインタビュー、特集、科学と文化の記事、イベント情報フランス語・英語。公開記事に加えて、会員向けコンテンツもある。
Podcasts by Nez作り手の声、現場のルポ、Smell Talksフランス語・英語のエピソード。公式サイトと主要な音声配信サービスから聞ける。
Niche by Nez/Nez in China独立香水や地域の嗅覚文化を扱う別媒体前者は仏語・英語、後者は英語・中国語。主に香水イベントで無料配布される。
Perfume Weekなどの催し作り手との対話、展示、香りを知る体験開催地・時期・参加方法は公式Perfume Weekの案内で確認できる。

2026年10月時点、刊行済みの第21号は『L’Odeur du futur/The Smell of the Future』。嗅覚の未来を考える特集に加え、テキサスのシダー、クエンタン・ビシュへの取材、日本の香水文化などが含まれる。第22号は11月発売予定として予約を受け付けている。

購入先はShop by Nezが国際向けの入口となり、北米の読者にはNez Éditionsの米国サイトが案内されている。日本から紙の本を選ぶ場合も、まず読む言語を確かめ、配送先と送料を注文画面で確認するとよい。香水を伴う企画と本のみの商品は区別して選びたい。

無料のウェブ記事から始めるならMag by Nezへ、作品の批評と読者の意見を読みたいならAuparfumへ進める。催しの予定はPerfume Weekにまとまっている。

Nezが読者に渡してきたのは、香水の名前や知識に加えて、嗅いだことを考え、話すための手がかりである。一つの植物を本で知り、香水の系譜を読み、作り手の声を聞いて、もう一度香りに向き合う。その往復に、Nezの出版活動の面白さがある。

参考文献