香水のサブスク&量り売りサービス徹底比較

香水のサブスク3社比較 マニア向け記事

結論

 昨今、香水業界でも話題のサブスクリプションサービス、通称サブスク。毎月一定額を払うことで、好きな香水がサンプルより少し大きいサイズで届きます。サブスクはカラリア(COLORIA)セントピック(SCENTPICK)の2社が存在します。似たようなサービスとして、量り売りサービスがあり、その中で上記の2社とともに急激に成長しているのがセレス(Celes)になります。

 これらのサービスのおかげで、地方に住んでいても、お店が無いブランドの香りを試すことができ、さらに香りへの選択肢が広がりましたが、一方で、「本当に利用しても大丈夫なのだろうか…?」「香りは本物なの?劣化はしてない?」といった利用への不安も聞こえてきます。

 今回は、実際に各社を利用し、特徴やサービス内容の比較を徹底してまとめました。少しでも不安になっている方の参考にしていただければ幸いです。

 結論から申し上げると、下記のようにオススメできる人とオススメできない人を分けました。(あくまで個人的主観によるものです。)

<オススメ>
・香水ライト層
・とりあえず何か香りを始めてみたい人
・色々な香水を試したい人
地方に住んでいて、周りに香水を扱うお店が無く、且つスプレーで試したい人

<notオススメ>
・香りの劣化が気になり、正規品の比較的新しい香りを嗅ぎたい人
・香水販売員の接客を受けて、リアルタイムで話しながら買いたい人
・正規代理店/公式メーカーの保証が欲しい人

 また、販売員が後輩へのトレーニングの第一歩として、有名な香水を試しながら学ぶような場合などには活躍するかもしれません。

 なお、こちらの記事は、PR記事ではないため、プロモーションコードはございません。また、ポイント毎に3社を比較することに重点を置いているので、各社のことをもっと知りたい方は下記のリンクよりご覧ください。

その前に…

香水の小分けや量り売りとは、メーカー正規の小さなサイズの商品を販売しているわけではなく、どのような経路からか購入した商品を、小分けしたり、量り売りしたり、しているサービスです。したがって、「どのように小分けがなされているのか?」「どのような環境で保管されているのか?」は一般に不透明であり、小分けされている時点で香水の酸化が始まってしまうため、本物の香りをきちんと味わいたいという方には確実にオススメしません。
 最初から劣化の恐れがある及び劣化しやすいというのが弱点です。また、サブスクや量り売りの香水ばかりを購入していると、案外普通の香水が買えていることもあります。この記事を参考に、自己判断の精度を高めて頂ければ幸いです。

香水のサブスクと量り売りの違い

 香水のサブスクは、正確に言うと「小分け販売」になります。また、香水の量り売りは、正確に言うと「分割販売」になります。そこで、下記では、小分け販売と分割販売の違いをまとめます。

小分け販売分割販売
会社カラリア、セントピックなどセレスなど
化粧品製造販売業許可必要不要
薬機法化粧品製造販売業許可が無ければ違法合法
表示義務全成分・製造販売元・製品の製造番号などの法定表示が必要全成分・製造販売元・製品の製造番号・分割販売日・分割者の氏名と住所
衛生確保義務化粧品製造となるので当然ある容器の衛生管理、詰め替え時の消毒等の徹底、製造番号の異なる商品の混合をしない
小分けと量り売りの違い

 ただし、分割販売(量り売り)とは、本来、客側の要望に応じて、その場で量って販売するものなので、〇ml〇円と記載している場合は、「小分け販売」とみなされるため、化粧品製造販売業許可がなければないと思われます。ちなみに、カラリアはボトルに製造年月日を記載しているため、その香水がいつ詰め替えられたのかを見ることができます。

カラリアvsセントピックvsセレス(2022年8月)

 以下では、次の項目について、3社を比較してみます。基本情報、サブスク内容、コンテンツ。

基本情報

カラリアセントピックセレス
会社名株式会社High LinkSCENTPICK株式会社株式会社The Fragrance Company
設立年2017年6月2019年2月2018年11月
化粧品製造販売業許可番号13C0X1175013C0X1162313C0X11929
サービスサブスクサブスク量り売り
香水診断ありクイズ(会員登録時)男性版 / 女性版
取り扱い数約1,000(入荷未定等かなり含む?)約500約800
各香水のレビュー・評価あり(評価は曖昧)なしあり(★で評価あり)
ブログカラリアマガジンなしセレスの香水ブログ
メルマガあり(新規入荷と退会時のみ)あり(退会時のみ)あり
Twitterあり(約2.6万人)あり(約300人)あり(約3,300人)
Instagramオフィシャル(約1.3万人) / マガジン(約21万人)あり(約250人)あり(約1.2万人)
TikTokあり(約7.7万人)なしあり(約5200人)
LINEありなしなし
採用情報こちらなしこちら
各社基本情報

サブスク内容

サイズ・料金等

カラリアセントピックセレス
ボトルサイズ4ml5mlムエット、0.75ml、2.5ml、5ml、フルボトル
金額1,980円(1本)
3,260円(2本)
4,540円(3本)
1,180円×本数0.75ml…580円~
2.5ml…1,160円~
5ml…1,740円~
※香水により価格が異なる
※プレミア入会で15%OFF
送料無料347円(1本)
622円(2本)
987円(3本)
450円
※税込み5,000円以上で無料
※プレミア入会で無料
追加料金香水により500円~3,000円が追加される香水により300円~900円が追加される月額500円のプレミアプランあり
サイズ・料金比較

香水・香水カード・包装等

今回、同じ香水を販売している場合はそれらを同じタイミングで購入してみました。また、自分の持つ香水との香りの比較も実行。その結果、シトラス系の多い香水で香りが全く違うことが判明しました。シトラスは元々、揮発性が高いので、香りも飛びやすいです。小分けや量り売りの場合、移し替えたり、ボトルの中の空気と混ざったりして、酸化し、香りが変化しやすいと考えられます。シトラスの香りは店頭で試すことを強くオススメします。

カラリア
セントピック
セレス
香水カード
カラリアセントピックセレス
初回限定・専用の豪華ボックス(無料)
・専用のアトマイザーケース(無料)
・専用のアトマイザーケース(無料)・5mlを頼んだ場合のみアトマイザーケース(無料)
包装初回のみボックス。2回目以降は白の封筒。香水は円筒状の箱におさまっている。遮光性は〇黒のプチプチ封筒。香水は円筒状の箱におさまっている。遮光性は◎白のプチプチ封筒。香水はカードと一緒にOPP袋にはいっている。遮光性は△
中身・外装比較

コンテンツ

香水診断

このために、各社何度も診断させていただきましたm(__)m

香水診断カラリアセントピックセレス
種類11男性版/女性版
質問数1546~7
質問内容・半分近くが○○のタイプの香りが気になるかどうか。
・最初の質問が「香水に詳しいかどうか?」だが意図と影響が不明。
・確実に好きな香りを当てにきている設問の設定。
4つの質問だが堅実で、「好きな香り」「性格」「シーン」「好きな香水」でできるだけ近いけど未知の香りを当てにきている気がする。・設問と香りの結びつきが分からない、感覚派の香水診断。
・設問の中身が少し比較できないのでは?分類が少ない?と感じることも。
オススメ数3つ定期購入で「おまかせ」の際に参考にされる5つ
分かりやすさ★★★★★★★★★★★★★
ワクワク感★★★★★★★★★★★★
満足感★★★★★★★★★★★★
UI★★★★★★★★★★★★
香水診断比較

ブログ

他人のものを評価できるほどの記事を書いていないかもしれませんが、参考にしていただければ、幸いです。

ブログカラリアセレス
使用サイトClipkitWordPress(テーマ:WooCommerce)
執筆者coloriaライター(約1名)
coloria編集部(7,8名*)
*時期によって持ち回り?
ライター(詳細不明)
記事数330以上80以上
更新頻度週1~2週1
UI★★★★
※カテゴライズ・量が◎。
TOPページがもう少し改善できそう。

※カテゴライズがされていないのがもったいない。
デフォルトのまま?
内容★★★
・9割の記事は、他でもよくある「10選」などのまとめ記事のちょっとボリューム多めバージョン。数が半端ない。
・カラリアで扱っていないブランドやヘアケア、ハンドケアなど幅広い記事がある。
・学べる記事は少ないが、まとめ記事のバリエーションには脱帽。香りの感想もしっかりと書いている。
・カラリアのターゲット層(マス層)にはマッチしているが、少し詳しくなってくるとあまりハマらないかも。
★★★★
・まとめ記事の数が全体の1~2割くらいのため、飽きずに見られる。
・まとめ記事も比較的ブランドの紹介がしっかりしている。
・文章が論理的かつ包括的のため、香水の勉強になる記事が比較的多い。
・香りの変化やどういう香りかを知りたい人には消化不良。
まとめ記事における「香り以外のブランド・ストーリ等」の文字数比較(できるだけ近い記事を厳選)・「キャロライナヘレラの212ってどんな香水?芸能人にも愛用者多数!」(166文字)
・「CREED(クリード)の香水人気商品8選 初めての方にもおすすめ」(236文字)

コメント)香りの説明は主観をもとにかなり頑張って書いている。時間をかけてそう◎だが、背景にはあまり興味無さそう。クリードに至ってはまだ百貨店で買えるという不勉強も。。。
・「洗練された都会的な美しさ!キャロライナヘレラ 212ってどんな香水?」(245文字)
・「英国王室が認めた上質さ!クリードってどんな香水?」(480文字)

コメント)1つ1つの香りの紹介は短く、感想はほぼ無く、口コミや使用者のレビューにつなげる形にしている。キャロライナヘレラには、212が意味することも記載するなど、「このブランド・香水はここが面白いんだ」というオタク感が出ている◎
独自記事5選(香水紹介ではない記事を厳選)・「香水は人によって香りが変わる?! 212とCK oneを香りのプロ4人が比較検証してみた!
・「香水が苦手な方必見!!香水とのうまーい付き合い方♪
・「調香師になるには?パフューマーに必要な素質や能力を解説
・「オーダーメイド香水の魅力~自分好みの香りが作れる香水店を紹介~

コメント)カラリアの記事は、基本的に「記事+香水まとめ紹介」という形になっています。なので記事はあくまで前座としか捉えられていない印象があります。
・「香水のヴィンテージは価値あるの?使って大丈夫?
・「香水が全然匂わない!原因と対策4つと上手なつけ方
・「担当をすぐそばに♪ジャニーズオタクのための推し香水の楽しみ方
・「きつくならない!香水の付け直しのタイミングと付け方
・「1日で消える・すぐできる!【香水タトゥーのやり方】まとめ
コメント)セレスの記事は、香水をまとめた内容を入れないものも多く、商売っ気は薄めです。
誤字脱字文章レベルcoloriaライターの書いた記事とcoloria編集部の書いた記事に少し差があり、ライターのものの方が丁寧かつ文章がしっかりしている。全体的な記事のレベルはカラリアより高いが、差別化できるほどではなく、「少し詳しい」くらいになっているのがもったいない。
ブログ比較

メルマガ

カラリアセントピックセレス
受信頻度不定期、解約時不定期週3回(水・金・日)
内容・取り扱い香水の追加
・再登録時に使えるクーポン
・再登録時に使えるクーポン水…特集記事や香水の紹介など、中の人の言葉がぎっしり書かれている
金…プレゼント企画の案内(購入金額に応じて香水のプレゼント)
日…新着香水の紹介
メルマガ比較

総合比較

 好感度の低いカラリアとシステムまわりの弱いセレスが事業提携して1つになれば、1番良いものができそうだと思います。

総合比較カラリアセントピックセレス
垣間見える香水愛
サイトのワクワク度
サイトの使いやすさ
カスタマーへの誠実さ
将来への期待
総合比較

あまり他のサイトでは見ない比較ができたのではないかと思います。どんなサービスにも良い・悪いはあります。こちらの記事を参考にし、理解を深めたうえで、自分の選ぶ道を考えていただければ幸いです。

この記事を書いた人

香りの学び場「ルシェルシェパルファム」の運営者。
元香水販売員で、現在はとあるIT企業の管理職。
香水への愛が抑えきれず、自身の学んだことをはきだすサイトを作ってしまう。エルメス・フレデリックマルを主に愛用。

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