Camille Goutal
カミーユ・グタール

グタールパリ カミーユ・グタール ブランド創業者

調香史

母と過ごした時間はどんな瞬間も香りと結びついています。

カミーユ・グタール

 1975年、当時まだ香水ブランドAnnick Goutalを設立する前だったアニック・グタールとアンティーク収集が好きな父の元に、カミーユは生まれました。

 ルーブル美術館学校で、文学を研究すると、その後、芸術・写真・デザインのコースを修め、写真家として仕事を始めます。母のアニックも写真家として生きていくことを喜んでおり、カミーユは会社を継ぐ気はありませんでした。

ちなみに…

カミーユの4歳年上の義姉シャーロットが13歳のとき、アニックはシャーロットのために香水を創りました。それが羨ましかったカミーユは、庭のツタの香りが欲しいと母にねだり、オードゥカミーユが誕生しました。

 1999年、母親のアニックが亡くなると、「誰か別の人が跡を継ぐと、ブランドの精神が変わってしまう」と感じたカミーユは、母と一緒に調香していたイザベル・ドワイヤンとともにブランドを継ぐ決意をします。当時、まだ24歳でした。

私は、母が死んだとき、まだ24歳でした。ちょうどその時、イザベルが私に香水の作り方を教えてくれたのです。27歳になると写真家をやめて、すべての時間を会社に使えるようになりました。

カミーユ・グタール

 2006年、カミーユ初の香水ソンジュSongesを発売します。

 2人の娘が19歳と22歳(2022年時点)がおり、イザベルの子供も年が近いため、ママ友としても仲良しなようです。

私と母の香水の創り方は同じですが、もちろん私たちは異なる人間なので、好みも違います。母は様々なローズを愛していましたが、私はホワイトフラワーを好んでいます。だから、私はシンプルな原料と直線的なフォーミュラを好みますが、母は柔らかく、繊細なアプローチを時として好みました。

カミーユ・グタール

新生グタール

私の母がイザベルと香水を創っていたとき、ブランド名は「Annick Goutal」であり、消費者が私の母の名前だけを出すのは論理的に当然です。しかし、私がイザベルと働き始めて、彼女が香りを創っているのに、私が香水を作ったかのように思われるのは、心地よく無いと感じたのです。

カミーユ・グタール

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 2011年に、Starwood CapitalがアモーレパシフィックにAnnick Goutalを売却します。ちょうどこのとき、Annick Goutalのディレクターを勤めていたのが、パルファムドゥラバスティードを創設したウィリアム・ブエレ(William Bouheret)とアン・セシル・ヴィダル(Anne-Cécile Vidal)でありました。

 2018年、リブランディングのため、Annick GoutalからGoutal Parisに名称を変更。

最初の段階では、外部のコンサルタントにメゾンの強みや長所をピックアップしてもらった。初期の段階で、そのどこにフォーカスしなければいけないのかをはっきりさせることができたのがよかった。次の段階で、ブランドの強みの表現の仕方、例えば言葉やデザインについて分析して、デザイナーやイラストレーターに依頼した。

マーケティングは一切考えずに、どこが私たちの個性でユニークな点なのかを徹底的に調べた。ブランド名を考える際は、“グタール(GOUTAL)”の語源や音が与える印象まで調べてもらった。

カミーユ・グタール

私たちのブランドのお客様は2つのタイプに分かれると思います。片方は、とても女性らしく、繊細で、クラシックなものが好きな女性。もう片方は流行にとても敏感で、芸術的で、陽気な女性です。女性らしい人たちは繊細な香りが好きだし、おしゃれな人たちは他の人とは違ったもの、品質が高いもの、背後に物語があるものが好きなのです。

カミーユ・グタール

新たなブランドへの挑戦

 2020年、カミーユはイザベルとともに、Goutal Parisとは異なるブランドVoyages Imaginariresを発表しました。天然香料だけを使用し、オーガニックの小麦のアルコールを使用した、100%ナチュラルな香水ブランドになります。

香りというものは、とても個人的なものです。だから、私がいつも販売員の女性たちに言っているのは、お客様が香水の中に何か入っていると考えている場合、絶対にNoと言わないことです。なぜなら、まず、その方の心の中で何が起きているのか知ることはできないからです。次に、実際には30~50の香料が入っているのに、販売員であったとしてもメインとなる5つくらいの香料しか伝えていないからです。お客様の中には、何が入っているのかとても上手に見つける方もいるのです。香水について語る時、貴方は決して間違うことはないのです。

カミーユ・グタール
この記事を書いた人

香りの学び場「ルシェルシェパルファム」の運営者。
元香水販売員で、現在はとあるIT企業の管理職。
香水への愛が抑えきれず、自身の学んだことをはきだすサイトを作ってしまう。エルメス・フレデリックマルを主に愛用。

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