『ル パルファン』

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書籍名：『ルパルファンある感覚ー時代をいろどる香りとミューズたち―』
（原題：L’un des sens. Le Parfum au XXeme siecle）
著者：マリ＝クリスティーヌ・グラース、エリザベット・ドゥ・フェドー、フレディ・ゴズラン
翻訳・監修：地引由美
出版年：初版2001年（日本語訳は2015年）
出版社：フレグランスジャーナル社

この本は、果実である。世紀を超えて豊かな才能から生まれ太陽の下で成熟した香りの果実。
この本は、花である。職人の手作業から、誰もが最高の喜びを享受できる産業へと大きく花ひらいた。香水は社会のすべてを覆い尽くすように溢れ、広がる。
『ルパルファン』より

書籍レビュー

　本書は、1900年から2011年の各年において、①代表的な香水、②その時の出来事、③その時の香水のトレンド、④その時に活躍したミューズ、が紹介されています。全時代を縦にも横にも横断して、香水を学ぶことができるこの著作は、マニアックで素晴らしい出来の本と言わざるを得ません。世界の歴史とともに学べる香水の世界、家に1冊は欲しい。

この本は、融合である。香水という奇跡を祭壇に捧げるために、三人の専門家の三つの視点が結びつく。
この本は、錬金術である。芸術と、経済と、文化と、学術的探究と、メンタリティの変遷とが溶け合う。
この本は、一つの感覚である。愛されるための欲望の赤裸々な感覚、白熱する嗅覚、それは私たちの心を強くゆさぶる。
『ルパルファン』より