ルイ・ヴィトンは、ジャスミンやローズを含めた花の抽出にクリーンなテクノロジーを使用した最初のブランドです。我々は匂いを捕らえ、香水に使用するために、ダイオキシンをこれまでよりも放出していないのです!この技術は、ノンカフェインのコーヒー(デカフェ)を作るなど、最初は飲食業界で発明されました。私は20年前(1999年ごろ)にこの技術を発見し、香水のためにこの技術を使って、二酸化炭素抽出法だけで生み出された香料コレクションを開発できないかをサプライヤーに尋ねました。
実は、私は香水業界において、この抽出法で抽出された香料を使用した最初の調香師なのです。それは25年前のことで、インセンスやカルダモンといった乾燥した香料を二酸化炭素抽出法で抽出し、イヴサンローランの香水(注:恐らくオピウムプールオム)に使用しました。
ジャック・キャヴァリエ
歴史と方法
1980年代からトレンドになってきた手法で、名前の通り、超臨界状態に達した二酸化炭素(CO2)を利用して抽出する方法です。英語では、CO2 extractionと呼ばれ、二酸化炭素以外を使用する場合もあるため、Supercritical Extraction(超臨界抽出)とかSupercritical Fluid(SCF、超臨界流体)とも呼ばれます。
臨界点が発見されたのは1822年のことでした。1978年にはコーヒー豆からカフェインを無くす(脱カフェイン)技術が工業化され、1982年にはホップエキスの抽出がなされました。
臨界点は、物質によって異なりますが、例えば、水は温度374.2℃・圧力22.12MPaに対し、二酸化炭素は温度31.1℃・圧力7.38MPaと室温かつ低圧で超臨界流体になります。このため、二酸化炭素が非常に使われやすい傾向にあります。そして、低温かつ低圧のため、繊細な原料を変化・劣化させずに精油を抽出することが可能です。こうして得られた抽出物はSFE(Supercritical Fluid Extract)と呼ばれます。
抽出プロセスはシンプルで、原料を抽出する円筒型の容器の中に入れ、CO2の温度・圧力を変化させ、香気成分をCO2に溶かすだけです。
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