書籍情報
書籍名:『香りの愉しみ、匂いの秘密』
(原題:The Secret of Scent)
著者:ルカ・トゥリン(Luca Turin)
出版年:2006年(日本語訳は2008年)
出版社:河出書房新社
匂いの秘密とは、匂いの分子について解明すべきことはほぼすべてわかっているのに、鼻がその匂いを読みとる仕組みはわかっていないということだ。
ルカ・トゥリン
書籍レビュー
匂いの研究をするには、美の世界を出て、かつてドイツの哲学者たちが崇高と呼んでいた境地で、生の感覚のぬきがたい不思議さと向きあわなくてはならない。
ルカ・トゥリン
資生堂時代のセルジュ・ルタンスが出した伝説的な香水ノンブル・ノワールに恋をした著者ルカ・トゥリンは、ある1つの謎に取り付かれます。
「我々はどのようにして、匂いを知覚しているのか?」
それは人類が未だ正確にすべてを解明できていない究極の謎の1つなのです。
そして、ルカ・トゥリンは独学で学んだ化学、物理学、そして持ち前の鋭い嗅覚を元に、嗅覚の謎を解明するための説を立てました。それが振動説であり、『匂いの帝王』でチャンドラー・バールが書き著したルカ・トゥリンの名を広めることになった衝撃的な説であるのです。
2021年現在、ルカ・トゥリンの唱える振動説は、完全には打ち破られておらず、嗅覚を研究する者の間でも未だに白熱の議論を呼ぶ種となっているようです。
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