『世界香水ガイド』(ルカ・トゥリン)

世界香水ガイド 香水の書籍・映画

書籍情報

書籍名:「匂いの帝王」が五つ星で評価する『世界香水ガイド』1437
「匂いの帝王」が五つ星で評価する『世界香水ガイドⅡ』1885
「匂いの帝王」が五つ星で評価する『世界香水ガイドⅢ』1208
(原題:Perfumes The A-Z Guide)

著者:ルカ・トゥリン(Luca Turin)、タニア・サンチェス(Tania Sanchez)

出版年:Ⅰ…2008年
Ⅱ…2010年(2020年に改訂)
Ⅲ…2019年
出版社:原書房

最近まで、香水の芸術性を知的に語ることなど不可能だと思われていた。それが、いつの間にか語らねばならないものになった。

タニア・サンチェス

書籍レビュー

32 Rue Cambon シャネル

ひとたび香りを嗅ぐやいなや、ここまで魂を奪われるような美しい印象を刻みつけられたことがあっただろうか?しかし心にしみる柔らかさ、優雅さがこの香りの本質ではない。こうした古典的な傑作は定義として、巨人の肩に乗っているといわれる。そして抗いがたいほどの自らの魅力を承知している。…略

ルカ・トゥリン

 ⅠとⅡはほぼ同じ内容でⅡが改訂版のようなものなので、ⅡとⅢを買うことをオススメします。この本に載っている星5のものを買うだけでも様々な名香に触れることができます。辛口ガイドのため、途中で投げ出す人もいますが、トゥリン氏の鼻は調香師たちから絶賛されており、作者の主観とはいうものの、表現が多彩で非常に参考になります。また、良きパートナーであるタニア・サンチェスの表現も面白い。

 最初に香水業界の歴史やQ&Aも書いているので、最初だけでも読むことをお勧めします。ルカ・トゥリンに好きな香水を辛口で書かれ、本書を読むことを止めた方は、まず『匂いの帝王』を読んでみて下さい。同時に、必ずしもある人の評価が香りの全てを表しているわけではないことを知り、香りの楽しみ方の1つとして読んで頂くと、世界が広がるかもしれません。

 一緒に記事を書いているタニア・サンチェスは、トゥリン氏の妻であり、この2人の評価が一致しない場合があるところも面白いと思います。

いい匂いがするかどうかは、もっとも意見が分かれるところ。だから本書で高く評価された香水も、ある人には耐えがたい匂いかもしれないし、ある人には一生かけて出会えた宝物となるかもしれない。でも、本書で高評価の香水を手にすれば、現代香水の最高傑作の一端を体験できることは、レビューした私たちが保証しましょう。

タニア・サンチェス

購入情報

『世界香水ガイドⅡ』ルシヤージュでの購入はこちら

『世界香水ガイドⅢ』ルシヤージュでの購入はこちら

この記事を書いた人

香りの学び場「ルシェルシェパルファム」の運営者。
元香水販売員で、現在はとあるIT企業の管理職。
香水への愛が抑えきれず、自身の学んだことをはきだすサイトを作ってしまう。エルメス・フレデリックマルを主に愛用。

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Le Chercheur de Parfum

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