自分に合った香水の探し方

Q&A

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香水は目に見えないおしゃれとも言われ、自分らしさを表現する大切なアイテムです。初心者の方でも、年代や性別を問わず誰もが自分にぴったりの香りを見つけることができます。実際、「今日の香水には性別の境界線はなく、自分に響く香りこそがその人にふさわしい」と言われるように、香り選びは非常に個人的なものです。本記事では、香水の基本知識からシグネチャー・セント(自分の象徴となる香り)の意味や重要性、さらに自分に合った香水を見つけるためのステップや香水選びのコツまで、初心者にも分かりやすく丁寧に紹介します。

シグネチャー・セントとは?その意味と大切さ

シグネチャー・セント(Signature Scent)とは、自分の「サイン(signature)」のようにその人を象徴する香りのことです。たとえば周りの人から「あの人と言えばこの香りだよね」と思われるような、その人の個性に合った一番のお気に入り香水を指します。シグネチャー・セントは単なる愛用の香水以上の意味を持ちます。それは「自分がどんな人であるかを表すステートメント(声明)のようなもの」であり、季節や昼夜を問わず自分にフィットしている香りだとされています。身に纏うことで自分らしさや心地よさを感じられるだけでなく、周囲に対しても印象的な余韻を残し、人々の記憶に刻まれるでしょう。

実際に調香師のジェローム・エピネット氏は、

シグネチャー・セントはあなたの人格の延長であり、季節や場面を問わず自分を表現するアイデンティティの一部

ジェローム・エピネット

だと述べています。

また「一度それを見つけるともう手放せなくなる香り」であり、自分の個性に完璧にマッチした「かけがえのない存在」とも表現されています[9]。好きな香りに包まれることで自信が持てたり、リラックスできたり、その香りを嗅ぐと自分らしさを取り戻せる——そうした精神的な支えになる点もシグネチャー・セントの魅力です。

さらに香りには記憶や感情と強く結びつく力があります。ある調香師の言葉に「香水は記憶に語りかける芸術である」というものがありますが、その言葉通り、ある香りを嗅ぐと特定の記憶がよみがえったり、懐かしい気持ちになることは珍しくありません。

自分にとって大切な思い出やポジティブな感情を呼び起こす香りを身に纏えば、それだけで日々の暮らしが豊かで前向きなものになるでしょう。シグネチャー・セントは単に「いい匂い」以上に、自分の人生や記憶、スタイルに寄り添うパートナーのような存在と言えます。

自分に合った香水の探し方は、大まかに2つあり、1. オンラインの香水診断を活用してざっくり探す、2. 自分のことを分析したり、店頭で試したりしながらより細かく探す、方法です。

1. ざっくり探す

ざっくり探したい、とりあえず試してみたいという方はオンラインの香水診断を活用するのがオススメです。

これは手軽で、すぐにでき、他人とコミュニケーションを取る必要もないため、ちょっと試してみたいという方には、もってこいの方法です。香水診断は、当サイトでもかなり人気の記事で、様々な診断があるので、ぜひ色々と試して、自分に合った香水の傾向を探してみると良いでしょう。

2. より細かく探す

シグネチャーセントを探すなら、本格的に探すことをオススメします。というのも、香水診断はざっくり知るにはいいですが、より多くの人に使ってもらうために内容が簡単で、専門的ではなく、ほとんどの場合、特定のブランドに特化したものだからです。面倒くさいですが、下記に1つの方法を記しますので、時間があるときに試してみてください。

Step1:様々な香りのタイプを知り、好みの方向性を探る

まずは、自分の好きな香りの傾向を把握しましょう。

フローラル系の華やかな香りが好きなのか、柑橘系のさっぱりした香りに惹かれるのか、それともウッディ系の落ち着いた香りや甘いグルマン系が好みなのか――頭の中で「好き・嫌いの香りマップ」を描いてみます。

例えば「花の香りが好き」「海を連想させる爽やかな香りが心地よい」「バニラの甘い匂いに落ち着く」など、過去に使ったことがあるコスメやボディケア製品、好きな食べ物や自然の香りなどを思い出すとヒントになります。

香りの好みは人それぞれですから、まずは自分の嗅覚の嗜好を素直に受け止めることが大切です。香水データベースサイト(例えばFragrantica)で気になる香りのノート(香料)や類似の香水を調べてみるのも有効でしょう[11]

Step2:香りに込めたいイメージや気分を思い描く

香水はその人のイメージやライフスタイルを表現するツールでもあります。

そこで「自分はこの香りで何を表現したいのか?」を考えてみましょう。言い換えれば、香りを通じて周囲にどんな印象を与えたいか、あるいは自分自身がどんな気分になりたいかをイメージするステップです。

例えば、あなたは香りに「爽やかで清潔な印象」を求めますか?それとも「個性的で人目を引く存在感」を求めますか?
もし皆の注目を集めたいなら大胆でパワフルな香りが候補になるでしょうし、控えめで上品に纏いたいならソフトで穏やかな香りが適しているでしょう。

また、自分の性格や服装のスタイル、シグネチャーセントをつけたい場面もヒントになります。明るく活動的な人はシトラスやグリーン系などの軽快な香りを好むかもしれませんし、ロマンチックな気分を楽しみたい人はフローラル系に惹かれるかもしれません。香りが放つメッセージを意識して選ぶことで、「これは自分にピッタりだ」と感じられる香水に近づけます。

自分分析をする、自分のことをもっと知る、これがシグネチャーセントを探すのに、最も重要かつ最速の方法です。

この2つのステップが終わったら、それらをまとめてみましょう。下記に初心者用と上級者用のリストを作ったので、ご活用ください。画像をクリックするとダウンロード・印刷できるようになっています。

初心者用
中級者〜上級者用

Step3:気になる香水を実際に試香する

頭で考えるだけでなく、最終的には実際に香りを嗅いで確認することが不可欠です。香水選びで失敗しない最大のコツは「買う前に必ず試す」ことと言われます。

先程作ったリストを頭に入れるか、持っていき、近くの香水を売っているお店で聞いてみます。ここで一番大きな問題は、それに答えられるだけの販売員がいるかどうか?です。恐らく、全国でも答えられる香水販売員は数十人もいるか、いないかレベルのため、実はシグネチャーセントで一番大変なのは、このステップです。

そこで、できるだけStep2が終わった段階で、FragranticaやX、当サイトのオススメするサイトや周りの人に聞いてみる・探してみる方が良いと思います。香水の目星をつけてから、お店で何度か試せば、運良く手伝ってくれる販売員も見つかるかもしれません。

店頭で香水を見つけたら、紙の試香紙(ムエット)だけで判断せず必ず自分の肌に付けてみましょう。肌の上で香りを試すことで、その香水が自分の肌の化学反応と合うか、時間経過でどんな風に香り立ちが変化するかを正しく感じ取ることができます。多くの人は、試香紙に吹き付けた匂いだけで判断しがちですが、肌のpHや体温によって香り方が変わるので、ぜひ肌に乗せてゆっくり試してほください。

つけた直後のトップノートだけでなく、30分後、数時間後と時間をおいてミドルノート~ベースノートへの移ろい(ドライダウン)まで体験してみましょう。香水によっては最初とだいぶ印象が変わるものもあり、最終的に残る香りこそがその香水の本質です。焦らず数時間からできれば一日、自分の生活シーンの中で香りを確かめることで、本当に好きになれる香りかどうか見極めることができます。

Step4:香りが呼び起こす感情や記憶に目を向ける

香水を選ぶ過程では、自分の心がどう反応するかも大切な指標です。ある香りを嗅いだときに「心地よくて落ち着く」「元気が出る」「懐かしい気持ちになる」といったポジティブな感情が湧くなら、それはあなたにとって特別な意味を持つ香りかもしれません。

前述の通り、香りは記憶と結びつきやすく、幼い頃の思い出や大切な瞬間を思い出させてくれる力があります。例えばバニラの香りが「母親が焼いてくれたお菓子」を思い出させて優しい気持ちになるとか、あるフローラル系の香水を纏うと自信が湧いて晴れやかな気分になるといった具合です。そうした感情の反応は、その香りが自分にマッチしているサインと言えるでしょう。

「身に纏うことでなりたい自分に近づける香り」や「嗅ぐと幸せな記憶がよみがえる香り」は、まさにあなただけのシグネチャー・セント候補です。

Step5:流行や他人の評価に惑わされず、自分の好みを信じる

香水選びでは自分の鼻と感性を何より信頼しましょう。他の誰かにとっての人気香水が、必ずしもあなたに似合うとは限りません。「流行している香りや他人が使っている香りはひとまず脇に置き、自分だけの道を行くことがシグネチャー・セント発見への近道」なのです。

香りの感じ方は人それぞれですし、肌との相性も千差万別です。周囲の評価よりも自分が心から「好きだ」と思えるかを重視しましょう。また「この香水は女性向けだから自分(男性)は遠慮すべき」などといった固定観念も不要です。

香りに厳密な性別はなく、良い香りは誰が纏っても良いものです。実際、伝統的に「男性的」「女性的」とされた香りの境界も近年は薄れており、自分にとって心地よければそれが正解です。香水選びにおいて一番の権威はあなた自身の嗅覚であることを忘れないでください。

以上のステップを踏むことで、次第に「これだ!」と思える香水の輪郭が見えてくるはずです。とはいえ、一つのシグネチャー・セントに固執しすぎる必要はありません。季節や気分に合わせて香りを変えて楽しむ人も多く、複数のお気に入り(フレグランスワードローブと呼ばれます)を持つのも素敵なことです。まずは自分の軸となる一本を見つけ、そこから少しずつ香りの世界を広げていくと良いでしょう。

香水を選ぶときのポイント(店頭・オンライン)

最後に、実際に香水を選ぶ際の実践的なアドバイスを 店頭オンライン に分けて紹介します。香水購入で失敗しないためのコツや注意点を押さえておきましょう。

店頭で試香する場合

周囲の香りに惑わされない工夫をすることが大事です。

デパートの香水売り場やコスメショップでは、空間にたくさんの香りが漂っており嗅覚が混乱しがちです。店頭は強い香りが充満しているので、外の新鮮な空気の中で香りを試すことをオススメします。もし可能であれば、一度ブティックから少し離れて外の空気で試香紙を嗅いでみたり、香水をつけて店の外を歩いてみるといった方法がおすすめです。また一度にあれこれ試しすぎないこともポイントです。

一度の来店で3~4種類までに留め、香りの合間にはコーヒー豆や衣服の匂いを嗅ぐなどして鼻をリセットすると良いでしょう。

オンラインで香水を選ぶ場合

  • 香りのノートとレビューを入念にチェック: インターネットで香水を選ぶときは、商品ページに記載された香りのノート(香料の構成)や説明文をしっかり読みましょう。特に自分が好きだと分かっている香料(例えば「バニラの入った香りが好み」など)が含まれているかは重要な手がかりです。また、Fragranticaのような香水専門のレビューサイトや口コミも参考になります。ただし文章で読んだ印象と実際の香りが異なることも多いので、あくまで目安と考えましょう。
  • まずはサンプルやミニサイズから試す: 香りを確かめずにいきなりフルボトルを購入するのはリスクがあります。可能であれば、公式サイトや専門店で購入できるサンプルセットやアトマイザーを活用しましょう。少量ずつ試せるディスカバリーセット(お試しセット)は複数の香りを比較できるので便利です。最近では量り売りやサブスクリプションで香水を試せるサービスも充実してきています。一度試して「これは大丈夫」と思えた香水のみ現品購入するのが賢明です。仮にどうしてもサンプルが手に入らずブラインド買い(試さずに購入)する場合は、口コミ評価が安定して高いものを選ぶ、一番小さいサイズを買う、返品保証を確認しておく等のリスクヘッジを忘れずに。
  • 届いた香水は落ち着いた環境でテスト: オンライン購入した香水が届いたら、まず静かな環境でじっくり香りを試しましょう。開封直後よりも、届いてから数日置いた方が香りが安定する場合もあります。肌に一度につける量も最初はワンプッシュ程度に留め、トップノートからドライダウンまで落ち着いて感じ取ります。もし「思っていたのと違う」と感じても、慌てず何回か日にちを分けて試してみてください。最初はピンと来なくても後から好きになる香りもありますし、逆に最初良いと思っても使ううちに違和感が出る香りもあります。時間をかけて判断しましょう。

最後に

自分に合った香水、つまり「シグネチャー・セント」を見つけるまでには時間と試行錯誤が必要かもしれません。しかしそのプロセス自体が、自分の嗅覚や好みを再発見する楽しい旅でもあります。

香水の基本を学び、様々な香りと出会い、心ときめく一品に巡り会えたとき、それはきっと自分だけの宝物になるでしょう。見つけた香りはあなたの分身のようにあなたらしさを表現し、周囲の人々にも素敵な印象を残してくれるはずです。

最後に、香りの感じ方は本当に人それぞれで、正解もルールもありません。一つの香りに決めるも良し、季節ごとや気分で複数の香りを使い分けるも良しです。極端な話、毎日同じ服を着ないのと同じで毎日同じ香りを纏う必要もありません。

要はあなた自身がその香りを纏ってハッピーになれるかどうか。それこそが一番大切な指標です。ぜひ焦らず楽しみながら、あなただけのとっておきの一品を見つけてくださいね。香り豊かな旅路に幸運を祈ります!

この記事を書いた人

香りの学び場「ルシェルシェパルファム」の運営者。
元香水販売員で、現在はとあるIT企業の管理職。
香水への愛が抑えきれず、自身の学んだことをはきだすサイトを作ってしまう。エルメス・フレデリックマルを主に愛用。

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