Q. 賦香率とは?トワレとかオードパルファムって何?

A. 賦香率(ふこうりつ)とは、アルコールに溶かした香料の割合のことを言います。言い換えれば、「香りにおける香料の濃度」のことを指しますが、「賦香率=香りの強さ」ではありません。香りの強さは、むしろ香料によって決まってきます。

 また、アルコールによって、香料は揮発(きはつ)しやすくなり、空気中に香りが拡散しやすくなります。そのため、香料の濃度が高くなる=アルコールが少なくなる=香りが揮発しにくくなり、肌に残りやすくなります。

 香りの持続時間は、以下のように、大まかに賦香率によって決まってきますが、香料の質やベースノートにどれだけ揮発しにくい香料が使われているかも大きく影響してきます。例えば、シトラスが多いものとウッディやバニラを多く使っているものでは、持続時間が全く異なります。そして、オーデトワレやオードパルファムといった言葉は、単に濃縮度の違いを示す用語ではなく、「香水の表現のかたちを示す用語」であります(新間美也『香水のゴールデンルール』より)。したがって、オーデトワレをつけて「持続時間が短い!」と批判するのは、実はお門違いになります。至極当然なのです。

コロン・トワレ・オードパルファム・パルファムの違い

 コロン、オードトワレ、オードパルファム、パルファムという名称は、国際的に濃度が厳密に統一された規格ではありません。ブランドや地域、製品によって範囲や処方が異なります。IFRAが示すエタノール系フレグランスの一般的な使用範囲は、次のとおりです。

名称一般的な濃度範囲通常の目安
オーデコロン(EdC)3〜8%約5%
オーデトワレ(EdT)5〜15%約10%
オーデパルファム(EdP)/パルファム・ド・トワレ10〜20%約15%
パルファム/エクストレ(Perfume Extract)15〜40%約20%

 これは一般的な目安であり、名称だけで香りの強さや持続時間を断定することはできません。同じ香水のEDTとEDPでも、単に濃度を変えただけではなく、香料構成そのものが異なる場合があります。

 持続時間は賦香率だけで一律には決まりません。一般には濃度が高い製品ほど長く残りやすい傾向がありますが、香料の揮発性、処方、使用量、肌の状態、気温や湿度でも大きく変わります。名称だけで時間を断定せず、製品説明と実際の試香で確認してください。

 香りの時間変化はトップ・ミドル・ラストノートの違い、実際の使用量は香水の正しいつけ方も参考にしてください。

オーデコロン

 Eauとは、フランス語で「水」という意味です。したがって、オーデコロンは、「Cologne(ドイツのケルンの英語読み)の(de)水」となります。ドイツからフランスに持ち込まれたため、このような呼び方になりました。元々、身体の衛生のための製品・身体の不快を癒すための飲用万能薬として使われていました

ちなみに

ナポレオンは、初期のオーデコロンを1週間で30L以上使っており、島流しにあった際にもオーデコロンはないのかと言っていたという逸話が残っています。

 オーデコロンは、爽快な印象を短時間で楽しむ使い方に向く傾向があります。シトラスの代表的な柑橘類(レモン・オレンジ・ベルガモットなど)やオレンジフラワーネロリプチグレンなどが使われることがあります。賦香率は一般に3〜8%、通常は約5%が目安です。実際の香り方は製品の処方によって異なります。

オーデトワレ:

 オーデトワレは、「Toilette(トイレ)の水」になりますが、ここでのToiletteは、「身繕いをする」という意味になります。したがって、身繕いをするために使う水のことをさします。
 また、「織物」の意味もあるため、香りの織物に由来するという説もあります。何百年も前には、何か月もかけて織物に香りを染みこませ、スポンジ状にしたのちに乾かし、それで体を清めたり、香りづけをしたりしていました。時代を経て、アルコールに溶かしたものが作られるようになっていったのです。

 オーデトワレは、オーデコロンより濃度が高い傾向があり、賦香率は一般に5〜15%、通常は約10%が目安です。軽やかに使いやすい製品が多い一方、持続時間や香りの広がり方は、香料構成や使用量、肌や環境によって異なります。

オーデパルファム:

 オーデパルファムの賦香率は一般に10〜20%、通常は約15%が目安です。コロンやトワレより豊かなシヤージュ(香りの跡)や長い余韻を感じる製品が多い一方、必ずしも香りが強く広がるとは限りません。

パルファム(香水):

 名香と呼ばれる香りは、歴史上、パルファムタイプで発売されてきました。パルファム/エクストレの賦香率は一般に15〜40%、通常は約20%が目安です。濃度が高くても遠くまで強く拡散するとは限らず、肌の近くで長く余韻を保つ製品もあります。持続時間は処方、使用量、肌の状態や環境によって異なります。

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