ドロテ・ピオの香水を知るなら、まずは「何の香りか」だけでなく、「どんな空気をつくるのか」に目を向けてみましょう。旅先のホテルの一室、森で飲むスパイス入りの紅茶、昔のパリの浴場。彼女が手がけてきた作品には、素材の名前を並べるだけでは収まりきらない情景があります。
アムアージュの《Memoir Woman》、オルファクティヴ・ストゥディオの《Chambre Noire》、メゾン クリヴェリの《Bois Datchaï》。ブランドも主題も異なるこれらを結ぶのは、木やレザー、ハーブや樹脂の個性を生かしながら、対照的な要素をひとつの世界にまとめていく仕事です。
華やかな花を描くことも、厚みのあるシプレを組み立てることもできます。それでも、彼女を「自然素材を使う調香師」とだけ紹介してしまうと、大切なところを取りこぼしてしまいます。素材にどんな角度から光を当てるか、隣に何を置けば別の表情が見えるか。その組み合わせにこそ、ピオの面白さがあります。
出身:フランス・パリ
学びの場:ISIPCA
主な活動:Robertetの調香師として、さまざまなブランドの香水を制作
調香史
生い立ち
ピオはパリに生まれ、家族のルーツはノルマンディーのコタンタン地方にあります。香りへの関心は、香水瓶の中だけに向けられていたわけではありません。自然の匂いも、食べ物の匂いも、日々の暮らしにある匂いも、彼女の嗅覚を育ててきました。[1]
本人が最初の香りの記憶として挙げているのは、家族の浴室で使っていたヤードレーのラベンダー石けんです。そして15歳の夏、友人の叔父が調香師だと知ったことが、将来を決めるきっかけになりました。好きだった香りを、仕事としてつくれると知ること。その発見が、漠然とした興味を具体的な目標に変えたのです。[2]
この出発点を知ると、後の作品の見え方も少し変わります。香水の知識を先に覚え、そこから自然を解釈したというよりも、生活の中で心に残った匂いがあり、それを扱うための技術を学んでいったのです。石けんのように身近なものと、後年の複雑な作品は、遠い世界の話ではありません。
ノルマンディーの庭も、彼女にとって繰り返し立ち返る場所です。夏の夕方、地面や花、草の香りが濃くなる時間を、特別な嗅覚の記憶として語っています。ひとつの花を切り離して見るのではなく、土や湿度を含む周囲の空気ごと覚えているところに、情景を香りにする彼女の視点がのぞきます。[3]
調香師への道
調香師を志したピオは、フランスの香料・化粧品の専門教育機関ISIPCAで学び、1983年に卒業しました。その後、ドイツに本拠を置く香料会社Dragocoでキャリアを始めます。学校で身につけた知識を、実際に人に選ばれる香りへとつなげていく時期でした。[1]
彼女が初期の歩みを語るときに挙げるのが、レイモンド・シャイヤンとマルタン・グラの二人です。シャイヤンからは美しい素材を見極める眼差しを、グラからは構想を最後まで形にする自信を得たといいます。素材のよさを知ることと、それを作品として完成させること。その両方が必要なのだと伝わってきます。[3]
よい香料を使えば、それだけでよい香水になるわけではありません。主張の強い素材をどこまで前に出すか。香り始めの印象と、時間がたった後のまとまりをどうつなぐか。調香師の仕事には、素材への感性と、何度も配合を調整する粘り強さが必要になります。二人の師についての言葉は、ピオがその両面を大切にしていることをよく表しています。
また、彼女の経歴は、ひとつのブランド専属で同じ世界観を磨き続ける歩みとは異なります。香料会社の調香師として、依頼ごとに違う人物像や場面、香りの方向性に向き合ってきました。異なる条件の中で、自分の素材の扱い方を生かす。その経験が、後にニッチブランドで見せる振幅の広さにつながっていると考えられます。
キャリアの変遷
ピオの歩みは、Dragoco/Symrise、Charabot、そしてRobertetという香料会社の仕事を通して見ると分かりやすいでしょう。転籍の細かな年よりも、それぞれの現場で培われた経験と、その後の作品の広がりに注目したいところです。[4]
| 時期・段階 | 主な歩み |
|---|---|
| 1983年 | ISIPCAを卒業し、Dragocoでキャリアを始める |
| 初期から中期 | Dragoco/Symriseで調香の経験を重ねる |
| その後 | グラースの老舗香料会社Charabotで活動 |
| 2000年代末〜2010年代初頭以降 | Robertetで、デザイナーブランドからニッチフレグランスまで幅広く制作 |
Charabot時代を含む経歴では、フラゴナールやロクシタンとの仕事も紹介されています。ロクシタンの《Fleur Chérie》や、ハヤリの《Goldy》は、ピオの花の扱い方を知るうえでも興味深い作品です。ただし、香水の発売年と、調香師がその会社で働いていた年は必ずしも一致しません。作品は完成後すぐに発売されるとは限らないため、ここでは香水の発表時期と職歴を分けて見ておきましょう。[1]
Robertetでの活動は、遅くとも2010年代初頭には対外的な作品群としてはっきり見えてきます。天然香料を得意とするこの会社で、ピオはアムアージュ、ジュル エ マッド、オルファクティヴ・ストゥディオなど、それぞれに強い物語を持つブランドの制作に携わってきました。Jul et Madの公式サイトも、彼女をRobertetの調香師として紹介しています。[5]
2012年のJul et Mad初期三部作は、その広がりを示す好例です。ニューヨークを舞台にした《Stilettos on Lex》、パリのカフェを思わせる《Terrasse à St-Germain》、そして《Amour de Palazzo》。ひとつの香りを少しずつ変えるのではなく、異なる場面と二人の物語を、それぞれの香水へと展開しています。三作を並べると、ピオを単一の香調で説明する難しさが分かります。[6]、[7]
さらに、Les Bains Guerboisではホテルの香り《Atmosphère》と、歴史を題材にした二つのオードパルファムを担当。メゾン クリヴェリでは森と紅茶を結びつけ、L’Atelier Parfumでは《Cœur de Pétales》《Exquise Tentation》を手がけています。商品としての香水だけでなく、ある場所の記憶や、ブランドの感覚を形にする仕事が続いています。[3]、[7]
調香哲学・スタイル
自然素材は、そのまま写すよりも表情を引き出す
ピオにとって自然とは、単に「天然のものを使う」というラベルではありません。オルファクティヴ・ストゥディオの紹介では、素材や自然と近い距離で接し、その魅力を引き出すことが彼女の姿勢として描かれています。好きな匂いにパチュリやトリュフが挙がるのも印象的です。どちらも、整った花の香りとは違う方向から存在感を放ちます。[8]
ここで大切なのは、彼女の作品をすべて天然香料だけの香水と受け取らないことです。天然素材への愛着と、完成品の全成分が天然であることは別の話です。ピオの仕事を見るときは、原料の由来だけでなく、その素材のどんな性格が香りの中で生きているかを追ったほうが、その面白さに近づけるはずです。
たとえば木の香りでも、乾いた明るさを感じさせる使い方と、湿った陰影を担わせる使い方があります。ひとくちにウッディと呼ばれる作品同士でも、隣に果実を置くか、レザーを置くか、ハーブを置くかで印象は変わります。ピオの作品を比べるときの手がかりは、素材名の共通点よりも、この「役割の違い」にあります。
シプレを、時間をかけて楽しむ
ピオはシプレに特別な愛着を持っています。彼女はその魅力を、最初からすべてを見せるのではなく、身につけるうちに少しずつ表情を明かしていくことに見いだしています。庭を歩きながら、場所ごとに違う植物と出会うような楽しさです。[2]
この考え方を知ると、試香紙に吹きつけた直後の印象だけで判断するのは、少しもったいなく思えてきます。最初に何が目立つかだけでなく、しばらくして何が残り、何がつながって見えるようになるか。ピオのシプレ観は、香水を静止画ではなく、時間のある体験として楽しむことを促してくれます。
だからこそ《Memoir Woman》のような作品では、花、スパイス、樹脂、レザーという各要素をばらばらに取り出すよりも、それらがひとつの気配にまとまる過程を追ってみたいところです。成分当てに正解するためではありません。複雑さの中で、自分がどこに惹かれるのかを見つけるためです。
コントラストを生む、料理の発想
彼女の創作に影響を与えているのが、料理人たちの仕事です。厨房で出会う、意外な素材同士を組み合わせる発想。甘い、酸っぱい、苦いといった違いを消すのではなく、違うものが一緒にあるからこその調和をつくる。その姿勢を、ピオは香りの世界にも重ねています。[8]
これは、彼女の香水がすべて食べ物のように香るという意味ではありません。料理から借りているのは、グルマンな題材だけでなく、素材の関係を考える方法です。《Bois Datchaï》ならベリーと紅茶、《Atmosphère》なら木やレザーとフレッシュなスパイス。同じ「対照」でも、前者は森の時間へ、後者は室内の空気へとつながっています。
コントラストは、ただ強いものをぶつければ生まれるわけでもありません。片方を強めすぎれば、もう片方の細かな表情は見えなくなります。違いを残しながら、全体として落ち着く場所を探す。その調整こそ、ピオの作品を見るうえで注目したいところです。
複数の香りを、行き来しながら磨く
制作では、複数のプロジェクトを並行して進めることを好むといいます。違う作品を比較することで、それぞれの特徴を見極め、バランスを直していきます。前日の試作品を翌朝に評価し、時間がたった香りも確かめるのが仕事の一部です。[2]、[3]
ひとつの香りに集中し続けるだけでなく、別の香りとの距離をつくる。そうすると、その作品のどこが強く、どこが曖昧なのかを捉え直せます。この仕事ぶりには、感覚に任せきりにしない、比較と修正の確かさがあります。物語を思い描くことと、配合の細部を地道に整えることが、彼女の中ではひと続きになっています。
嗅覚の入口は、身近なキッチンにもある
嗅覚を鍛えるための助言として、ピオが挙げるのは料理です。ハーブやスパイスを扱いながら、匂いの記憶を増やしていきます。専門的な香料をすべてそろえなくても、日常の中に嗅覚を使う機会はあります。[2]
たとえば同じ柑橘でも、果汁と皮では香りの表情が違います。ハーブも、葉をそのまま嗅ぐときと、指先で軽く触れて香りが立つときでは印象が変わります。こうした違いを自分の言葉で覚えておくと、香水の説明に出てくる素材も、単なる名前ではなくなります。
大事なのは難しい言葉を早く覚えることより、自分の中に比較できる記憶を増やすこと。ピオの助言は、香水への理解を、知識の量だけで測らなくてよいと教えてくれます。
代表作とその背景
ここでは、ピオの異なる面が見える四つの作品を見ていきましょう。深いシプレ、写真から生まれたレザー、森の紅茶、浴場の記憶。入口は違っても、素材から空気感を組み立てるという視点でつながっています。
Amouage《Memoir Woman》──記憶を重ねるシプレ(2010年)
《Memoir Woman》は、ダニエル・モーレルとの共同調香として知られる、ピオの代表作のひとつです。制作当時のクリエイティブ・ディレクター、クリストファー・チョンのもとで生まれました。アムアージュは、過去・現在・未来が断片的な記憶のように響き合うシプレとして、この作品を紹介しています。[9]、[10]
公式のノート構成では、マンダリン、カルダモン、アブサン、ピンクペッパーから始まり、花々とスパイス、フランキンセンス、ダークウッドへ。ベースにはオークモス、レザー、ラブダナム、スティラックスなどが並びます。ひとつの花を主役として説明するより、明るさと暗さ、植物の気配と樹脂の厚みが重なった設計として読むほうが、作品の性格をつかみやすいでしょう。[10]
ここから読み取れるのは、シプレを単に昔風に再現するのではなく、記憶という主題を受け止める器として使っていることです。最初の印象だけでは全体をつかみにくい構成と、断片をたどる物語。その二つは相性がよいように思います。ピオが語る、少しずつ表情を明かす香りの楽しさを考えるうえでも、象徴的な作品といえます。
試すときは、香り始めと時間がたった後を比較してみてください。最初に好きだと思った部分が残るのか、それとも違う面に惹かれ始めるのか。複雑なノートをひとつずつ見つけようとするより、「最初の印象から何が変わったか」を追うほうが、この香水に近づきやすいでしょう。なお、記載されるノート名は香りの表現であり、天然素材の使用や実際の配合をそのまま示すものではありません。
Olfactive Studio《Chambre Noire》──ホテルの一室を香りにする(2011年)
オルファクティヴ・ストゥディオは、写真と香水を対話させるブランドです。《Chambre Noire》では、クレマンス・ルネ=バザンが撮影したカイロのホテルの一室が、創作の出発点になりました。創業者セリーヌ・ヴェルルがピオに渡したのは、その写真だったといいます。[9]
ブランドが描くのは、遠いホテルの部屋に似合う、親密さと謎を含んだ香り。ピンクペッパーに始まり、ジャスミン、パピルス、ヴァイオレット、インセンス、プルーンのアコードを重ね、レザー、パチュリ、サンダルウッドなどへとつなぎます。単純なシトラスの爽快さを前面に出した作品ではなく、レザーを中心に温かさと陰影を持たせた構成です。[11]
写真を香りにする面白さは、写っているものと香料を一対一で対応させなくてもよいことにあります。部屋の中のどこに光があるのか。人の気配があるのか、あるいは不在なのか。写真を見て感じる距離や静けさを、香りの密度や対照に置き換えることもできます。《Chambre Noire》は、そうした見方で楽しみたい作品です。
ピオの創作を「木やレザーが得意」という言葉だけでまとめないためにも、この作品は大切になります。素材が目指しているのは、革製品や木材をそのまま再現することだけではありません。それらを使って、誰かの記憶にありそうな場所をつくること。香りの名前より先に風景が浮かぶ、そんな香水への入口になっています。
Maison Crivelli《Bois Datchaï》──森のベリーと、煙を帯びた紅茶(2018年)
《Bois Datchaï》の主題は、森で摘むベリーと、スモーキーなチャイのコントラストです。メゾン クリヴェリは、カシスの芽のアブソリュート、ブラックティー、シナモン、パチュリ、シダー、レザーを主要な要素として挙げ、ピオとの共同制作を明記しています。[12]
ここでの紅茶は、カップの中だけにあるわけではありません。ベリーの酸味、木々の気配、火を思わせる要素と一緒に置かれることで、飲み物が風景の一部になります。名前から甘く穏やかなミルクティーを思い浮かべるより、果実と木、紅茶の対照に目を向けたほうが、この作品の狙いに近いでしょう。
とくに面白いのは、木の要素が一枚岩ではないことです。ブランドはシダーの乾いた質感と、パチュリの湿り気のある面にも触れています。ベリー対紅茶という大きな組み合わせの中に、乾燥と湿度、果実と樹皮という細かな対照が組み込まれています。[12]
ピオの作品をたどるうえでは、料理から受け取った組み合わせの発想と、自然の空気を捉える感性が交わる一本と見られます。どちらか一方が勝つのではなく、紅茶があることで森が違って見え、森があることで紅茶が違って感じられます。その関係性に注目すると、単なる「お茶の香水」よりも広い楽しみ方が見つかります。
Les Bains Guerbois《1885 Bains Sulfureux》──浴場の記憶を、やわらかくほどく(2017年)
Les Bains Guerboisは、パリのLes Bainsという場所の歴史を香りへと展開するブランドです。ピオがこの場所のために制作したのは、《1885 Bains Sulfureux》だけではありません。ホテルの香り《Atmosphère》と《2013 Résidence d’Artistes》にも関わっています。香水名の年号は、香りの題材となる時代を指し、発売年とは異なります。[3]、[7]
《1885 Bains Sulfureux》でピオが目指したのは、パウダリーで包み込むようなムスクに、ローズマリーの芳香を添えた香りでした。浴場という言葉から、冷たい水や石けんだけを想像すると、少し意外に感じるかもしれません。香りの中心にあるのは、水そのものの再現というより、人がそこに身を置いたときのくつろぎや、芳香に包まれる感覚です。[3]
ノート構成にも、その考え方が表れています。ローズマリーにマンダリンやカシスを添え、オレンジブロッサムとジャスミンを重ね、インセンス、ベンゾイン、トンカビーンなどへつなぐ。ハーブのすっきりした方向と、花や樹脂が担うやわらかな方向を重ねることで、浴場という主題に奥行きを持たせていると読めます。[13]
Les Bainsの三作品を比べると、同じ場所から違う切り口を取り出す仕事も見えてきます。《Atmosphère》では木やレザーにスパイスとインセンスを重ね、《2013 Résidence d’Artistes》ではシダーやパチュリ、シナモンに、石の冷たさを思わせる発想を組み合わせました。同じ建物の物語でも、香りにする時間と視点によって選ばれる表現は変わります。[3]
《Chambre Noire》が一枚の写真から場所を想像させる香りなら、こちらは場所に積み重なった歴史をたどる香り。ピオは風景を説明するだけでなく、その中に人がいたことまで感じさせようとする調香師なのではないでしょうか。四つの代表作を並べると、そんな読み方が浮かんできます。
ちなみに…
作品の話から少し離れると、ピオの好みには、自然の匂いを楽しむ人らしい率直さがあります。好きな香りは夏の夜の土、黒トリュフ、削りたてのライムの皮、刈った干し草。一方で苦手な匂いとして挙げるのは、大都市のタクシーで感じた汚れと揚げ油が混ざった匂いです。整った香水だけでなく、日常の匂いに対しても鼻がよく働いています。[2]
- 初めて自分で買った香水は、ディオールの《Diorella》。初めて贈られた香水は、ゲランの《Vol de Nuit》。
- 自分がつくりたかった香水として、クリニークの《Aromatics Elixir》を挙げています。
- 歴史上の人物に香水をつくるなら、マルコ・ポーロ。旅と、スパイスやハーブの世界がその理由です。
- 自作のボトルでは、《Chambre Noire》の簡潔な形を気に入っています。[2]
こうした好みを知ると、ピオが香水を、香料だけで完結するものとして見ていないことが伝わります。料理、庭、旅、写真、建物。感覚を動かすものが先にあり、その感覚を香りの形へと持ち帰ってきます。
香水選びについての彼女の助言も、難しいものではありません。時間をかけて肌の上で追い、細かな原料名を当てようとしすぎず、まず香り全体に心が動くかを感じてみること。空間に漂わせた香りと肌の香りを比べる方法も紹介しています。[3]
何が入っているかを知るのは楽しいものです。でも、それを知った後で、いったん説明を脇に置いてみる。木々の陰影に惹かれるのか、スパイスの気配が気になるのか、それとも場所の記憶が浮かぶのか。ピオの香水には、その人自身の感覚を使って近づく余地が残されています。
調香作品
主な作品を年代順にまとめました。年は原則として発売年で、作品名に含まれる年号とは区別しています。共同調香のクレジットがある作品は併記しています。「—」は本一覧で共同調香者を記載していないことを示し、制作への関与者がいないことを断定するものではありません。[7]
| 発売年 | ブランド | 作品 | 共同調香・補足 |
|---|---|---|---|
| 2000 | Naomi Campbell | Naomagic | — |
| 2001 | Gabriela Sabatini | Dévotion for Men | — |
| 2010 | Amouage | Memoir Woman | Daniel Maurel |
| 2010 | Majda Bekkali | J’ai Fait Un Rêve – clair | — |
| 2010 | L’Occitane en Provence | Fleur Chérie | — |
| 2011 | Olfactive Studio | Chambre Noire | — |
| 2012 | Hayari | Goldy | — |
| 2012 | Jul et Mad | Stilettos on Lex | — |
| 2012 | Jul et Mad | Terrasse à St-Germain | — |
| 2012 | Jul et Mad | Amour de Palazzo | — |
| 2013 | Amouage | Fate Woman | — |
| 2013 | Jovoy | Les Jeux sont Faits | — |
| 2014 | Mugler | Angel Eau Sucrée 2014 | — |
| 2014 | Hayari | Le Paradis de L’Homme | — |
| 2014 | Lalique | Noir Premier – Sculpteur d’Épices 1945 | 1945は作品名の一部 |
| 2016 | Amouage | Myths Man | Daniel Visentin、Karine Vinchon-Spehner |
| 2017 | Amouage | Figment Woman | Karine Vinchon-Spehnerとの併記がある |
| 2017 | Bentley | Lalique for Bentley Black Crystal Edition | — |
| 2017 | Les Bains Guerbois | 1885 Bains Sulfureux | — |
| 2018 | Bentley | Bentley for Men Black Edition | Black Crystal Editionとは別作品 |
| 2018 | Les Bains Guerbois | 2013 Résidence d’Artistes | — |
| 2018 | Maison Crivelli | Bois Datchaï | — |
| 2019 | El Ganso | Bravo Monsieur | — |
| 2021 | L’Atelier Parfum | Cœur de Pétales | — |
| 2021 | L’Atelier Parfum | Exquise Tentation | — |
《Fate Woman》と《Fate Man》は調香師が異なり、《Fate Woman》はピオの作品。《Figment Woman》はParfumoでカリーヌ・ヴァンション=スペナーとの共同クレジットが掲載されていますが、ピオのみを挙げる紹介もあるため、表では併記の存在が分かる形にしています。[14]、[15]
このほかにも、エスカーダ、キリアン、ロジェ ヴィヴィエなど多くのブランドへの仕事があります。作品をたどるときは、同じ調香師だから似た香りだろうと決めず、ブランドの求める世界観と、ピオの素材の扱い方がどこで交わるかを見てみたいところです。そこに、この調香師を名鑑からさらに深く知る楽しさがあります。
参考文献
- Scentissime:Portrait of perfumer Dorothée Piot
- The Perfume Society:Our ‘Nose of the week’: the Chypre-loving Dorothée Piot
- Les Bains Paris:Interview Les Bains Guerbois with Dorothée Piot
- Fragrantica:Dorothée Piot
- Jul et Mad:Our Special Thanks
- Jul et Mad公式サイト
- Parfumo:Dorothée Piotの作品一覧
- Olfactive Studio:Dorothée Piot
- The Fragrant Man:Perfumer: Amouage Fate Woman – Dorothée Piot
- Amouage:Memoir Woman
- Olfactive Studio:Chambre Noire
- Maison Crivelli:Bois Datchaï
- Parfumo:1885 Bains Sulfureux
- Fate Womanの作品情報
- Figment Womanの作品情報
- Auparfum / Nez:Dorothée Piot
- Parfumo:Myths Man
- Parfumo:Noir Premier – Sculpteur d’Épices 1945


