Satya(サティヤ)|1964年から続くインドの手巻き香と二つの継承

Satya(サティヤ)の記事用生成イメージ。実物を撮影した写真ではありません。

インドで1964年に始まったシュリニヴァス・スガンダラヤ。その歴史を受け継ぐSatyaのお香は、香料を練った生地を竹芯に巻き付けるマサラ製法と、創業者が生み出したナグチャンパで知られる。現在はベンガルールとムンバイの二つの事業主体がそれぞれの沿革と製品を案内している。

基本情報

起源:1964年、インド

創業者:K. N. Satyam Setty(K・N・サティヤム・セッティ)

事業主体:Shrinivas Sugandhalaya (BNG) LLP(ベンガルール)/Shrinivas Sugandhalaya (MUM) LLP(ムンバイ)

公式情報:ベンガルール系統/ムンバイ系統

創設者とブランドの成り立ち

1964年、サティヤム・セッティが始めたお香づくり

インドでアガルバッティと呼ばれる細い棒状のお香は、祈りや儀礼、家庭での香りの習慣と結びついてきた。Satyaの歴史は、K・N・サティヤム・セッティが1964年に始めたShrinivas Sugandhalayaにさかのぼる。

両系統は1964年を創業年として掲げ、伝統的なマサラ香を事業の中心に据えた沿革を伝えている。

創業者が生み出した代表的な香りが、青い箱で知られる「Satya Sai Baba Nag Champa」である。

兄弟による継承と、ベンガルール・ムンバイの二つの事業

創業者の死後、息子のバラクリシュナとナグラジは事業を共同で引き継いだ。1999年12月24日には二人によるパートナーシップ契約が結ばれた。その後、兄弟は別々のお香製造事業を運営するようになる。米国の裁判記録には、バラクリシュナが設立したベンガルールのShrinivas Sugandhalaya (BNG) LLPと、ナグラジが設立したムンバイのShrinivas Sugandhalaya LLPが別法人として登場する。裁判記録はこの事業分離の年を特定していない。

ベンガルール系統は2014年に同地へ製造拠点を設けたと記す。共通の創業史を持つ一方、現在の製品や事業の説明は各社に分かれている。

ブランドのこだわり

粉末と結合材を練り、竹芯に手で巻くマサラ香

Satyaの香りづくりを理解する鍵は、マサラ(フローラ)製法である。ムンバイ系統の説明では、芳香植物や香辛料などの粉末を結合材と合わせて生地を作り、竹芯に手で巻き付ける。これに対してディップ式は、成形・乾燥させた棒に後から香料を浸透させる方式である。

ベンガルール系統は、職人が一定量の香料生地を均一に巻き付ける技術を重視している。三世代にわたり女性職人が働くという説明もあり、同社にとって製造工程は単なる配合技術ではなく、手作業の熟練を引き継ぐ仕組みでもある。

ナグチャンパとスーパー・ヒットが示す創作の継承

「Super Hit」の創作者については、二つの公式沿革に異なる説明がある。ベンガルール系統は「THE NEW CHAPTER」で、父の製造技術を学んだバラクリシュナが新しい手巻き香を考案したと記す。一方、ムンバイ系統は「Founder」の創業者紹介で「Satya Superhit」をナグチャンパなどとともにK・N・サティヤム・セッティの作品に含めている。創作者の帰属については、両社の公式説明が一致していない。

お香の形を広げる製品づくり

両系統は棒状のお香に加え、ドゥープと呼ばれる芯のないお香や円錐形のお香なども扱う。形状の違いは、燃焼の仕方や使う香炉の違いに関わる。

参考文献