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title: "ゲームに夢中だと、食べ物の香りを弱く感じる？"
description: "同じ香りでも、難しいゲームの最中には弱く感じるのでしょうか。30人が難易度の異なるテトリスをした実験から、注意の向けå ˆと香りの強さ、そして「ながら食べ」をめぐる仮説を考えます。"
url: https://lechercheurdeparfum.com/tetris-attention-food-odor-intensity/
date: 2026-10-11
modified: 2026-10-12
author: "Root"
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categories: ["香りの科学"]
tags: ["感じ方・記憶・気分"]
type: post
lang: ja
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# ゲームに夢中だと、食べ物の香りを弱く感じる？

画面に夢中になっているとき、そばにある食べ物の香りを、いつもと同じように感じているのでしょうか。香りを感じる強さは、鼻に届く成分の量だけでなく、そのとき何に注意を向けているかによっても変わるかもしれません。

2021年、Stephan Schadllらは、健康な成人30人にテトリスをしてもらい、ゲームの難しさがにおいの強さの評価を変えるかを調べました。背景にあるのは、テレビやゲームに注意を向けながら食べることが、食べ方にどう関わるのかという問いです。研究者たちはまず、その手前にある「香りの感じ方」を確かめようとしました。

## 同じ人が、簡単なテトリスと難しいテトリスをする

参加者は18～32歳で、嗅覚検査などの基準を満たした30人です。食品のにおいとしてバナナとオレンジ、食品以外のにおいとして革と木のような香りを用意し、においのない水も対照に加えました。別の13人による予備試験では、4種類のにおいの強さに明確な差がないことを確認しています。

ゲームの難しさは、ブロックの落下速度で変えました。簡単な条件では1マス落ちるのに0.47秒、難しい条件では0.1秒です。各参加者は両方の条件を経験し、においと難易度の順番を無作為に変えながら、合計40ラウンドを行いました。

1ラウンドは56秒。前半はゲームだけをし、後半の28秒には、装置から両方の鼻へ、一定の流量でにおいを断続的に送りました。終わるたびに、においの強さとゲームの難しさを、それぞれ1～10で評価しています。

難しい条件では消せた列が減り、難易度の自己評価と、発汗に伴う皮膚の電気の通りやすさの反応も上がりました。ゲームの設定だけでなく、参加者の行動や身体反応からも、負担の違いを確かめています。なお、比べたのは「ゲームをする・しない」ではなく、どちらもテトリスをしている状態です。

## 食品の香りは、平均6.29から5.87へ

4種類をまとめた解析では、ゲームが難しいときほど、においの強さの評価が下がりました。食品のにおいだけを見ると、簡単な条件で平均6.29だった評価が、難しい条件では5.87になり、統計的にも明確な差がありました。香りが分からなくなるほどの変化ではなく、10段階の尺度で平均0.42の低下です。

食品以外のにおいも平均5.47から5.24へ下がりましたが、この比較だけでは明確な差とはいえませんでした。ただし、食品と食品以外で「難しさの影響が異なる」とする統計的な証拠もありません。したがって、食品の香りだけが影響を受けるとも、両方で同じ程度の効果が確かめられたともいえません。

においのない対照では、難易度による評価の差は見られませんでした。また、この研究が尋ねたのは強さであり、香りの好ましさや、よく知った香りかどうかではありません。

## 注意を使うと、香りに回せる余裕が減る？

著者らは、難しいゲームに注意を多く使うと、においに向けられる注意が減る可能性を挙げています。文字列を覚えるような課題だけでなく、日常にあるゲームでも香りの評価が変わったことが、この研究の特徴です。

ただし、注意の働きだけで説明できたわけではありません。実験中の呼吸は記録していないため、難しい場面で息の仕方が変わり、それが鼻に入るにおいの量に影響した可能性は残ります。脳活動を測った研究でもなく、皮膚の反応はゲームの負担を確かめるためのもので、においを感じる強さそのものを客観的に測った値ではありません。

予備試験では瓶から、本試験では装置からにおいを提示したという違いもあります。食品と食品以外は各2種類だけなので、料理や香水を含む、あらゆる香りに同じ変化が起きるとまでは分かりません。

## 「ながら食べ」の説明につながるか

著者らが注目したのは、嗅覚が食べ物の風味を作る重要な一部だという点です。ゲームやテレビに注意を奪われて香りが弱く感じられるなら、食事全体の風味も弱まり、それが食べる量の増加に関わるのではないか。このような説明を提案しています。

ただし、今回の参加者は食事をしておらず、食べる量も食品の選び方も測っていません。香りの評価が下がることと、実際に食べすぎることの間は、まだ実験でつなぐ必要があります。

著者らは、この考えから食事中のテレビやゲームを控えることを提案しました。しかし、この実験によって、その行動が食事量を減らしたり、健康を改善したりすると確かめられたわけではありません。次に必要なのは、実際の食べ物や複数の感覚が組み合わさる場面で、感じる風味と食べる行動を一緒に測ることです。

## まとめ

同じ人に同じにおいを届けても、テトリスが難しいときには、においの強さの評価が全体として下がりました。食品の香りでは平均の低下が明確で、香りの体験が、そのとき行っている別の作業と切り離せないことを示しています。

この結果は、「ながら食べ」で風味の受け取り方が変わるという仮説を考える手掛かりになります。香りの感じ方から食べる量へ、どのようにつながるのか。そこを確かめることで、食事中の注意が食べ方に関わる仕組みが、より具体的になるはずです。

## 参考文献

Schadll, S., Rodriguez-Raecke, R., Heim, L., & Freiherr, J. (2021). Playing Tetris Lets You Rate Odors as Less Intense. *Frontiers in Psychology*, 12, 657188. [DOI: 10.3389/fpsyg.2021.657188](https://doi.org/10.3389/fpsyg.2021.657188) ／ [原著全文](https://www.frontiersin.org/journals/psychology/articles/10.3389/fpsyg.2021.657188/full)。

原著のライセンス：[CC BY 4.0](https://creativecommons.org/licenses/by/4.0/)。© 2021 Schadll, Rodriguez-Raecke, Heim and Freiherr。
