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title: "スカトールは、どこから重く不快な香りになる？"
description: "同じスカトールでも、濃くなると軽い印象から重く不快な印象へ。25人の個人閾値を基準に、におい質と受けå ¥れにくさの変化を調べました。"
url: https://lechercheurdeparfum.com/skatole-concentration-odor-quality/
date: 2026-10-13
modified: 2026-10-13
author: "Root"
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categories: ["香りの科学"]
tags: ["感じ方・記憶・気分"]
type: post
lang: ja
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# スカトールは、どこから重く不快な香りになる？

同じ分子でも、濃さが変わると、においの強さだけでなく印象まで変わります。スカトールを調べた2025年の研究では、薄い条件での「軽い」「あっさりした」という評価が、濃くなると「重い」「こってりした」側へ移り、さらに濃い条件では不快な評価が明確になりました。

この研究の工夫は、全員に同じ濃度を当てはめるのではなく、一人ひとりの「感じ始める濃さ」を基準にしたことです。におい質の変化に加え、受け入れられないと答える人の割合も調べ、室内のにおい管理を考える手掛かりを探っています。

## 何倍薄めると、においが分からなくなる？

参加したのは、嗅覚の選定試験に合格した19〜22歳の25人、男性7人と女性18人です。2日間に分け、初日は8人、2日目は17人が参加しました。

スカトールを含む袋1つと、無臭の空気の袋2つを一組にし、どれににおいがあるかを選んでもらいます。正解するごとに試料を薄め、分からなくなったところから、個人の嗅覚閾値を求めました。参加者がにおいのある袋として選んだ試料について、強さ、快・不快、受け入れられるか、そして18組の言葉による印象も評価しました。

ここで使う「臭気濃度」は、ppmのような物質そのものの濃度と異なります。この研究では個人の閾値を基準にし、臭気濃度3なら、その人が感じ始める濃度のおよそ3倍、10ならおよそ10倍に当たる尺度です。

## 閾値は、測り方の影響も受ける

原試料のスカトール濃度は、初日と2日目で異なりました。著者たちは、試料を作った室温の違いが関わったと考え、各日の原試料濃度を分析してから、それぞれの個人閾値を算出しています。

全25人の平均閾値は1.3×10−5ppmでした。著者たちは、極端な値の影響を抑えるため上下各4人を除き、さらに袋や注射器に成分が吸着するなどして減る影響を、先行研究の回収率で補正しました。その補正後の平均値が7.3×10−7ppmです。

小さな数値ですが、人の鼻が実際に受け取る量と、器具に入れた量がずれることも織り込んだ推定値です。誰にでも共通する固定の感度や、そのまま使える香料配合量として読むことはできません。

## 軽さが変わる段階と、不快になる段階

個人の閾値でそろえた臭気濃度を、1以上3未満、3以上10未満、10以上30未満、30以上100未満の4群に分けて比べました。全体として、濃くなるほどにおいは強く、快・不快の評価は中立から不快側へ向かいました。

言葉の評価をまとめる因子分析では、「快適性」「軽量性」「覚醒性」という三つのまとまりが得られました。「軽量性」は、軽いか重いか、あっさりかこってりかという印象です。「覚醒性」は、はっきりしている、鮮やかである、といった言葉をまとめた呼び名で、実際に覚醒度を測定したものではありません。

最も薄い1〜3未満の群から、3〜10未満の群になると、軽さやあっさり感が弱まる傾向がありました。ただし、この二群の「軽い―重い」「あっさり―こってり」などの個別比較は、p＜.1の傾向であり、通常の5％水準で有意な差ではありませんでした。

よりはっきりした違いがあったのは、10以上の群です。1〜3未満と10〜30未満を比べると、好き嫌いや清潔感、軽さ、あっさり感などに有意差があり、濃い方が重く、不快な方向へ移りました。3〜10未満と10〜30未満の間にも、好き嫌いや刺激感などの違いがありました。

一方、10〜30未満と30〜100未満の印象のパターンは比較的よく似ていました。著者たちは、3付近から軽さが変わり始め、10以上で不快な性質が明確になる、という段階的な変化として解釈しています。3という点で突然すべての人の印象が切り替わることまで確定した結果ではありません。

## 「受け入れられない」という回答も増えた

研究では、室内のにおいとして受け入れられるかという回答も使い、濃度と非容認率の関係を統計モデルで推定しました。回答者が少なすぎる濃度などを除き、濃くなるほど受け入れられない割合が高まる関係を当てはめています。

原著が参照した日本建築学会の室内臭気の考え方に合わせると、非容認率20％に対応する臭気濃度は約3、30％に対応する値は約5と推定されました。著者たちは、20％に対応する3という値が、軽さの変化が始まると考えた濃度と近い点に注目しました。

これらは、この研究の回答とモデルから得た室内管理上の検討値です。健康上の安全限度や、実際の部屋で全員に適用できる濃度を実証した値ではありません。におい袋から実空間へ広げた検証が、原著でも今後の課題に挙げられています。

## まとめ

スカトールは、個人の閾値に近い薄い条件では軽くあっさりした印象で、濃くなると重い印象へ移り、閾値の10倍以上の群では不快さがより明確になりました。3倍付近の変化は、印象パターンと統計的な傾向に基づく解釈です。

受け入れにくさのモデルでも、非容認率20％に対応する値は約3、30％では約5と推定されました。香りの質を考えるには、分子名だけでなく、濃さと、その人がどこから感じるかを一緒に見ることが大切だと分かる研究です。

著者3人は、論文掲載時に大同大学所属と記載されています。独立した研究資金・利益相反の申告欄は確認できませんでした。

**参考文献**

磯崎文音・光田恵・棚村壽三（2025）「スカトールのにおい質における変化点に関する考察：臭気濃度とにおい質の関係」*日本建築学会環境系論文集*、90(838)、602–608。[doi:10.3130/aije.90.602](https://doi.org/10.3130/aije.90.602)（[原著全文](https://www.jstage.jst.go.jp/article/aije/90/838/90_602/_pdf)）
