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title: "自分で選んだ香水は、体の匂いとよく合う？"
description: "香水は体臭を一様に隠すのでしょうか。2012年の三つの実験から、香水と体の匂いの組み合わせ、そして本人が選ぶことの意味を読み解きます。"
url: https://lechercheurdeparfum.com/self-selected-perfume-body-odor/
date: 2026-10-11
modified: 2026-10-12
author: "Root"
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categories: ["香りの科学"]
tags: ["香水選び・肌の香り立ち"]
type: post
lang: ja
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# 自分で選んだ香水は、体の匂いとよく合う？

同じ香水でも、自分につけたときと、誰かがまとっているときとで、印象が違うと感じることがあります。香水の好みが人それぞれなのは、瓶の中の香りへの好みだけでは説明しきれないのかもしれません。

2012年、カレル大学のPavlína Lenochováらは、香料をつけた男性の体の匂いを女性が評価する、三つの実験を発表しました。調べたのは、香水が体臭を一様に覆い隠すのか、それとも一人ひとりの体臭と組み合わさり、異なる印象を生むのかという問いです。さらに、本人が選んだ香水は、その人の体臭とよく合うのかも確かめました。

## まず、香りをつけた脇と、つけない脇を比べる

最初の二つの実験は、ウィーンとプラハで行われました。第1実験では男性7人の匂いを女性29人が、第2実験では男性10人の匂いを女性20人が評価しています。男性の片方の脇に香料をつけ、もう片方にはつけず、両方に綿のパッドを当てて24時間、匂いを集めました。

使った製品は実験ごとに違います。第1実験ではThierry Muglerの「B Men」を2回噴霧し、第2実験ではYves Rocherの「Hoggar」の香り付きウェットティッシュで脇を3回なでています。すべてを同じスプレー香水で比べた実験ではありません。

女性の評価者は、容器に入れたパッドの匂いを嗅ぎ、快さ、魅力、強さを答えました。男性本人を見たり、会話をしたりして魅力を判断したわけではなく、匂いだけの評価です。

## 平均では好印象に。でも、変わり方は人それぞれ

二つの実験とも、香料をつけた試料は、つけない試料より平均して快く、魅力的だと評価されました。ただし、この研究の中心は「香りを足すと評価が上がる」という平均値だけにありません。

香料をつけたことで評価がどのくらい変わるかは、匂いを提供した男性によって異なりました。研究者は、このように「誰の体臭か」によって香料の影響が変わる関係を、統計的な交互作用として調べています。香料を加えても快さや魅力の評価のばらつきが小さくなったとはいえず、全員が同じような匂いの印象にそろうわけではありませんでした。

一方、匂いの強さの結果は同じではありません。第2実験では香料をつけたほうが強く感じられましたが、第1実験には明確な差がありませんでした。製品や参加者が違えば、強さの変わり方も異なる可能性があります。

## 本人が選んだ香水と、全員共通の香水

第3実験には、自分で選んだ香水を普段から使っている男性12人が参加しました。プレゼントされた香水を使っているだけの人は対象にしていません。

それぞれの男性の片方の脇には自分の香水を、もう片方には全員共通の指定品「Balea Men Electric Blue」を2回ずつ噴霧しました。どちら側に自分の香水をつけるかは無作為に決め、12時間パッドを着けて匂いを集めています。指定品は男性の誰も普段の香水として使っていないものでした。

この混ざった匂いを評価したのは女性21人です。その結果、本人が選んだ香水と体臭の組み合わせは、指定品との組み合わせより、平均して快く、魅力的だと評価されました。強さには有意な差がなく、ここでも人によって香水の影響の現れ方が違っていました。

## 香水だけを嗅いだときの好みとは分けて考える

それでは、自分の香水が、もともと誰にでも好まれる香りだっただけなのでしょうか。研究チームは、別の女性15人に、体臭と混ぜていない香水だけも評価してもらいました。

香水単体の快さには、自選品と指定品の間で有意な差がありませんでした。指定品は単体では強く感じられましたが、体臭と混ざった試料では強さの有意な差は検出されませんでした。こうした結果を合わせ、著者らは、自選品との組み合わせが高く評価された理由を、香水単体の一般的な好ましさだけに求めるのは難しいと考えています。

ただし、比較した指定品は一つです。自分で選べば、どんな候補の中からでも必ず最良の香水を見つけられると示した実験ではありません。また、本人の選択の仕方を操作して比べた研究ではないため、どう学び、どんな手掛かりで合う香水を選んだのかまでは分かりません。

## 体臭との「相性」は、何を意味する？

著者らは、香水と体臭の混ざった匂いに、その組み合わせならではの性質が生まれると考えています。香水をつけることで全員の体臭が一律に隠れるという説明より、個人によって異なる組み合わせとして捉えるほうが、今回の結果に合います。

ただし、体臭の好ましい特徴が引き立ったのか、不快な特徴が人ごとに異なる程度で覆われたのかは、まだ切り分けられていません。皮膚上での成分の蒸発の違いなども考察されていますが、その仕組みをこの実験で測定したわけではありません。

対象は少人数の男性由来の脇の匂いで、評価者は女性です。遺伝子の組み合わせや恋愛の結果を調べた研究ではなく、手首や服につけて日常を過ごしたときにも、そのまま同じ結果になるとは限りません。

## まとめ

香水が体臭を一様に覆い隠すだけなら、同じ香水をつけた人たちの匂いは、快さや魅力の評価でも似てくるはずです。ところが、最初の二つの実験では、香料を加えても評価のばらつきが小さくなったとはいえず、評価の変わり方も男性ごとに異なりました。著者らが重視したのは、この個人差です。香水の効果を理解するには、香水そのものの香りに加え、それぞれの体臭との組み合わせを見る必要があると考えられます。

さらに第3実験では、本人が選んだ香水と体臭の組み合わせが、指定された香水との組み合わせより快く、魅力的だと評価されました。一方、香水だけを嗅いだときの快さには有意な差がなく、体臭と混ざった試料の強さにも有意な差はありませんでした。著者らは、こうした結果を、香水単体の快さだけでは説明しにくいと考え、その人の体臭との組み合わせに意味があると解釈しています。

著者らはDiscussionで、people choose fragrances to complement their own odorと述べています。つまり、人は自分の体の匂いを補うような香りを選んでいる、という解釈です。今回の結果は、本人が選んだ香水が、その人の体臭と組み合わさったときにも好ましい印象を生む可能性を支えます。ただし、どんな手掛かりで選んだのか、体臭の何が引き立ち、何が覆われたのかまでは、この研究では分かりません。

この見方は、香水の好みが同じ文化の中でも大きく分かれる理由を考える手掛かりにもなります。文化ごとの価値観や入手できる香料は、香りの選択に関わります。それでも一人ひとりの好みがそろわない背景には、体臭が異なれば、よく合う香水も異なるという事情があるのかもしれません。著者らが示したのは、香水選びの個人差を、身につける人の匂いとの関係から理解する道筋です。

論文の最後では、香水を使う文化と、体臭を通じて身体の個人差に関する情報が伝わることは両立しうる、という広い可能性にも触れています。香りを足すことで体臭の個性が一律に失われるわけではないなら、香水をまとうことも、その人の匂いが他者に伝わる過程の一部になりうるからです。ただし、そこから配偶者選びや世代を超えた進化に影響するという議論は、著者らの展望であり、この実験で確かめられた結果ではありません。まず受け取れるのは、香水の好ましさを考えるとき、「どんな香りか」とともに「誰がまとうのか」が重要だということです。

## 参考文献

著者：Pavlína Lenochová, Pavla Vohnoutová, S. Craig Roberts, Elisabeth Oberzaucher, Karl Grammer, Jan Havlíček
論文名：Psychology of Fragrance Use: Perception of Individual Odor and Perfume Blends Reveals a Mechanism for Idiosyncratic Effects on Fragrance Choice
掲載誌：PLOS ONE 7(3), e33810（2012年）
公開日：2012年3月28日
DOI：[10.1371/journal.pone.0033810](https://doi.org/10.1371/journal.pone.0033810)
原著全文：[出版社の論文ページ](https://journals.plos.org/plosone/article?id=10.1371/journal.pone.0033810)
原著ライセンス：Creative Commons Attribution（CC BY）
