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title: "好きな香りで眠れば、夢の気分も良くなる？"
description: "心地よい思い出を呼ぶ香りを自分で選び、その香りのある部屋で眠る。20人が参加した睡眠実験では、夢の感æƒ や目覚めた直後の気分の改善は確認されませんでした。香りの好みを取りå ¥れても残る、夢への働きかけの難しさを見ていきます。"
url: https://lechercheurdeparfum.com/preferred-scent-sleep-dream-emotions/
date: 2026-10-12
modified: 2026-10-12
author: "Root"
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categories: ["香りの科学"]
tags: ["感じ方・記憶・気分"]
type: post
lang: ja
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# 好きな香りで眠れば、夢の気分も良くなる？

ある香りを嗅ぐと、大切な人や楽しかった場所を思い出す。その心地よさが、眠っている間にも続いたら、夢の感情まで明るくなるのでしょうか。

2024年、Lenka Martinec Novákováらは、健康な若い成人20人を対象に、自分で選んだ好ましい香りを寝室に流す実験を行いました。調べたのは、夢が楽しくなるか、夢の中の感情が変わるか、そして目覚めた直後の気分が良くなるかです。

## 「一般に良い香り」より、その人に意味のある香り

この研究で重視したのは、香りに対する個人の好みです。誰にとっても同じ香りを用意するのではなく、よい思い出や心地よいイメージと結びつく香りを、本人に選んでもらいました。

用意したのは、市販の室内用フレグランス40種類。参加者は初回の訪問時に、一つずつ嗅ぎ、強い肯定的な思い出や感情を呼ぶものを選びます。そのような香りがなければ、自分の寝室に使いたいと思える心地よい香りを選ぶよう求められました。

実際には、8人が特定の感情的な思い出ではなく、心地よいイメージを理由に選んでいました。したがって、全員が「特別な思い出そのものの香り」を持ち込んだ研究ではありません。それでも、選ばれた香りは平均すると、好ましく、ある程度なじみがあると評価されていました。

## 3回泊まり、香りのある夜とない夜を比べる

参加者の平均年齢は約25歳。1週間おきに睡眠実験室へ3回泊まりました。初回は環境や手順に慣れるための夜で、本比較には使いません。残る2回は、香りのある夜とない夜を、順番を無作為に振り分けて経験しました。

香りのある夜には、選んだカートリッジを入れた家庭用ディフューザーを、午後10時から翌朝まで連続運転しました。比較する夜も同じ装置を動かし、カートリッジだけを入れません。短時間だけ鼻へ香りを送る方法より、家庭で部屋を香らせながら眠る状況に近づけた設定です。

睡眠中は脳波や眼球運動などを記録しました。午前2時30分を過ぎてからレム睡眠を確認し、それが5分続いた時点で参加者を起こします。主な比較は、この夜中の目覚めで尋ねた夢の体験と、その直後の気分です。「翌朝一日を気持ちよく過ごせたか」を調べたわけではありません。

夢を覚えていれば、夢の心地よさ、感情の強さ、喜びや愛情などの肯定的な感情、恐れや悲しみなどの否定的な感情を評価しました。夢の感情とは別に、その時点の自分の気分が快い側か不快な側かも尋ねています。

## 夢も、目覚めた直後の気分も、明確な改善はなかった

香りのある夜とない夜を比べても、夢の心地よさ、感情の強さ、肯定的・否定的な感情、目覚めた直後の気分のいずれにも、統計的に明確な差はありませんでした。差の大きさを表す効果量も小さく、今回の条件で夢や気分を良くする実用上の価値はかなり限られる、と著者らは結論づけています。

ただし、20人全員分の夢を両方の夜で比べられたわけではありません。夢を覚えていたのは各条件で15人。両条件のデータを組にして比較できたのは、夢の各項目で12人、目覚めた直後の気分で14人でした。記録装置の技術的な問題もあり、予定していた20組の解析データには届きませんでした。

小規模な比較なので、差が見つからなかったことを、そのまま「効果が完全にゼロだと証明した」と受け取ることはできません。一方で、好きな香りを本人に選んでもらっても、期待した改善が確認できなかったことは、この使い方を考えるうえで重要な結果です。

## なぜ、好きな香りでも夢は変わらなかったのか

考えられる理由の一つは、香りを長く流し続けたことで、においに慣れた可能性です。ただし、それが結果の原因だったと確かめたわけではありません。香りのある夜に、部屋で何らかのにおいに気づいたと答えたのは12人でしたが、その質問だけでは、選んだ香りに気づいたのか、もともと部屋にある別のにおいなのかまでは区別できません。

香りの選び方にも限界があります。40種類から一つを選ぶ方式は、本人が普段から愛用している香りを自由に持ち込むのとは違います。初めて来た実験室で多くの香りを比べる負担や、その日の選択が本人の好みを十分に表していたかという問題も残ります。

家庭に近づけるため、起きているときに香りの有無が分からないようにする工夫はしていませんでした。香りへの期待が夢の振り返り方に影響する可能性も、今後考える必要があります。なお、香りを提示したのが2回目か3回目かで一部の感情評価が異なる探索的な結果もありましたが、香りの効果を確認した主結果ではありません。

## まとめ

自分にとって好ましい香りを部屋に流して眠っても、この小規模な実験では、夢の感情やレム睡眠から起きた直後の気分は明確に良くなりませんでした。著者らは、この条件で夢を良くするために香りを使う実用的な価値は、健康な若い成人では限られると考えています。

それは、起きているときに香りで心地よく過ごすことや、別の提示方法まで否定する結論ではありません。香りの働きかけを考えるなら、香りの名前だけでなく、その人にとっての意味と、いつ・どのように届けるかを一緒に扱う必要がある。その重要性を保ちながら、夢への改善効果は慎重に見極めるべきだと分かる研究です。

## 参考文献

Martinec Nováková, L., Miletínová, E., Kliková, M., & Bušková, J. (2024). Nocturnal exposure to a preferred ambient scent does not affect dream emotionality or post-sleep core affect valence in young adults. *Scientific Reports*, 14, 10369. [DOI: 10.1038/s41598-024-60226-z](https://doi.org/10.1038/s41598-024-60226-z) ／ [原著全文](https://www.nature.com/articles/s41598-024-60226-z)。

原著のライセンス：[CC BY 4.0](https://creativecommons.org/licenses/by/4.0/)。© The Author(s) 2024。
