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title: "香りの輪の「隣同士」は、調香師のデータでも近い？"
description: "二つの香料評価データから、フレッシュと温かい香りなどのå ±通する方向が見つかりました。香りの輪との一致と、基準香料がé �置を変える理由を紹介します。"
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date: 2026-10-13
modified: 2026-10-13
author: "Root"
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categories: ["香りの科学"]
tags: ["言葉・色・人の印象"]
type: post
lang: ja
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# 香りの輪の「隣同士」は、調香師のデータでも近い？

シトラス、フローラル、ウッディ。香りを輪や地図に並べると、似た香りを探したり、自分の好みを説明したりしやすくなります。その配置には、調香師の経験だけでなく、評価データからも共通する傾向が見つかっています。

2009年の研究では、二つの既存の香料評価データを分析すると、「フレッシュ」と「温かい・パウダリー」を隔てる方向などが現れました。ただし、同じ言葉でも、見本にする香料が違えば地図上の位置が変わります。研究の中心は、共通の香りの地図を作るには何をそろえる必要があるか、という問いでした。

## 二つの評価データから、香りの言葉の関係を調べる

一つ目は、6人の調香師が309の化合物を30種類の基準香料と比較したデータです。たとえばフレッシュの基準にはベルガモット油、スパイシーにはオイゲノールを使い、各特徴がどの程度感じられるかを0〜9で評価しました。研究者は、その平均と合意を経てまとめられた既存の数値を再解析しています。

二つ目は、天然香料44点と合成香料75点、計119点について書かれた香りの説明です。出現数の少ない言葉や強度だけを表す言葉などを整理し、66の記述語がどの香料に使われているかを数値化しました。主な特徴と副次的な特徴を同じ重みで扱う方法と、重みを変える方法の両方を試しています。

分析には主成分分析を用いました。多くの言葉が一緒に使われる傾向を、少数の方向にまとめる方法です。今回は一般の人を新たに集めて香水の好みを調べたのではなく、専門家の評価と言葉の使い方から、香りの表現の構造を探っています。

## フレッシュな側と、温かくパウダリーな側

最初のデータで目立ったのは、フレッシュ、シトラス、ウォータリー、グリーンといった言葉が近くに集まり、甘い、パウダリー、バルサミックなどと反対側に位置する傾向でした。フレッシュと最も負の相関が強かった言葉はパウダリーです。

著者らはこの方向を、爽やかさと温かさの対比として解釈しました。濃厚さと軽やかさ、水を連想させる感じと乾いた感じなど、従来の香りの説明との関係も検討しています。別のデータでも、図を回転して比べると、フレッシュとウォームが向かい合う似た配置が得られました。

もう一つの大きな方向には、フローラルや柔らかさに関する言葉と、木やハーブなどに関する言葉の対比がありました。著者らが当時の香水ガイドの製品分類と照合すると、女性向け・男性向け製品の説明に使われやすい語の違いともよく対応していました。

ここでいう男女は、当時の香水の商品分類と言葉の使用頻度に基づく解釈です。男女の嗅覚や好みに生物学的な境界を見つけたものではなく、香りを選べる人を限定する基準でもありません。

## 同じ「バルサミック」でも、見本が違うと位置が変わる

研究の重要な発見は、地図の違いを単なる評価のばらつきとして片付けず、基準香料に立ち返ると説明できる場合があることです。

たとえば、比較対象となった伝統的なJellinekの地図では、バルサミックの基準に甘いバニラを思わせるペルーバルサムが使われていました。一方、今回再解析した数値データでは、乳香のレジノイドが基準です。後者は同じ程度に甘い香りではないため、バルサミックが甘い側から離れた位置に来た、と著者らは解釈しています。

また、パチュリ油は今回のデータではダスティの基準でしたが、別の調香師調査ではアーシーの代表として多く選ばれていました。基準の付け方が変われば、同じ素材に対応する場所のラベルも変わり得ます。地図を共有するには、言葉だけでなく「この言葉は、どの香料をどの濃度で嗅いだ印象か」をそろえることが重要なのです。

## 2008年版の「香りの輪」に、二つの修正を提案

研究者は、Michael Edwardsの2008年版Fragrance Wheelとも比較しました。これは当時の5,700点以上の香水を分類したガイドの香りの輪です。全体には分析結果と重なる配置がありましたが、さらに整合するよう二つの変更を提案しています。

一つは、当時の輪の中央にあったフゼアを、ドライウッズとシトラスの間へ移すことです。ハーブやラベンダーのフレッシュな印象と、苔を思わせる基調を併せ持つフゼアを、その中間に置く考え方です。

もう一つは、フルーティとウォーターの位置を入れ替えることでした。評価データではフルーティとフローラルが近く、当時の製品分類との対応も改善するためです。これは2008年版への研究上の提案で、現在の輪の配置について述べたものではありません。

## 地図にまとまる共通点と、地図からこぼれる違い

著者らは、異なる二つのデータから似た配置が得られたことを、共通の香りの地図を作れる可能性を後押しする結果と考えました。そのためには、基準香料について調香師の間で合意することが先決だと結論づけています。

一方、最初の二つの軸で説明できたデータのばらつきは、数値評価のデータで31.7％、言葉のデータで19.5％です。残りには、動物的な香りや脂肪・アルデヒド様の特徴など、別の方向に現れる違いもあります。二次元の地図は見通しをよくする要約であり、香りのすべてを平面に収めたわけではありません。

比較した古い地図には、鎮静、刺激、官能性など効果を連想させる名前も付いています。しかし、今回測ったのは香りの評価と言葉の関係です。著者ら自身も、個々の香料にそのような生理的・心理的作用があるかは別途証明が必要だと述べています。

## まとめ

調香師の既存の評価を分析すると、フレッシュな香りと温かくパウダリーな香りの対比など、従来の香りの地図と重なる構造が見つかりました。2008年版の香りの輪に対しては、フゼアの移動と、フルーティ・ウォーターの入れ替えも提案されています。

同時に、言葉の位置は見本の香料に左右されました。香りの地図を読むときは、隣り合う分類を手掛かりにしながら、その分類がどんな素材と言葉で作られたかにも目を向けると、地図をより具体的に使えます。

著者の1人は論文発表時にProcter & Gamble所属で、同社の研究支援が謝辞に記載されています。もう1人の著者にはFulbright Programとスペイン教育科学省による博士研究員助成がありました。独立した利益相反の声明は見当たりません。

**参考文献**

Zarzo, M., & Stanton, D. T. (2009). Understanding the underlying dimensions in perfumers’ odor perception space as a basis for developing meaningful odor maps. *Attention, Perception, & Psychophysics*, 71(2), 225–247. [https://doi.org/10.3758/APP.71.2.225](https://doi.org/10.3758/APP.71.2.225)（[公開原著PDF](https://www.fragrancesoftheworld.com/Mediafiles/Odor%20Maps.pdf)）
