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title: "自分の顔の印象は、周りのにおいで変わる？"
description: "不快なにおいをå— いだ後、自分の顔写真への評価はどう変わるのでしょうか。31人の評定と、28人の脳波解析から考える研究です。"
url: https://lechercheurdeparfum.com/odor-self-face-perception-erp/
date: 2026-10-12
modified: 2026-10-12
author: "Root"
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categories: ["香りの科学"]
tags: ["言葉・色・人の印象"]
type: post
lang: ja
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# 自分の顔の印象は、周りのにおいで変わる？

写真の中の自分を見て、今日は少し印象が違うと感じる。その評価には、顔の画像だけでなく、直前に嗅いだにおいも関わるのでしょうか。

2026年、Seongwon Yoonらは、自分の顔写真を見る前ににおいを提示し、顔への好みや魅力度の評価と、脳の電気活動を調べました。これまで他人の顔への評価で研究されてきた、においと視覚の関係を、自分自身の顔を評価する過程へ広げた研究です。

## 同じ自分の顔写真を、三つのにおい条件で見る

研究には39人が参加し、質問票の未完了や嗅覚機能の問題などで8人を除いた31人を、主な評価の解析に含めました。女性14人、男性17人、平均年齢は20.65歳でした。脳波の最終解析は28人分です。

においの条件は、ラベンダー、イソ吉草酸、香料を加えない溶媒の三つでした。イソ吉草酸は、汗を思わせる不快なにおいとして用いられています。ラベンダーは、一般的な「心地よい香り」というイメージからではなく、この実験では中性的なにおいとして扱われました。

ラベンダーは0.05％、イソ吉草酸は0.01％にミネラルオイルで希釈し、呼吸に合わせて装置から提示しました。原著で「Air」と呼ばれる対照も、方法の定義では溶媒のミネラルオイルだけの条件です。三つの条件の比較から得られた結果であり、身の回りのあらゆる香りの効果を調べたわけではありません。

顔写真は本人を無表情で撮影し、輪郭を楕円形に切り取り、明るさをそろえる加工を施しました。においを一呼吸の間提示した後、同じ本人の顔写真を0.5秒間見せます。参加者は、においの強さと快・不快、自分の顔をどれくらい好むか、どれくらい魅力的だと感じるかを、9段階で答えました。

## 不快なにおいの条件で、自分の顔への評価が下がった

イソ吉草酸は、ラベンダーと溶媒対照のどちらよりも、不快だと評価されました。ラベンダーとイソ吉草酸はどちらも対照より強く感じられましたが、二つのにおいの強さの差は、研究で採用した統計基準では有意ではありませんでした。

自分の顔への好みと魅力度の評定は、イソ吉草酸の条件で、ラベンダーと溶媒対照の両方より低くなりました。一方、ラベンダーと溶媒対照の間には、どちらの顔評定でも有意な差がありませんでした。

この結果は、顔の形や外見が変わったことを示すものではありません。同じ顔写真を評価する際に、においの条件によって評定が変わったという結果です。また、今回のラベンダーが、香りなしより自分の顔を魅力的に感じさせたという証拠も得られていません。

## 顔を見てから1秒以内の脳波にも違いがあった

研究チームは、顔写真が現れた瞬間を基準に、繰り返し記録した脳波を平均しました。こうした、特定の出来事に伴う電気的な反応を「事象関連電位」、略してERPと呼びます。写真を見た後のどの時点で反応が変わるかを、細かい時間単位で調べられる方法です。

解析では、顔が現れてから0.05～1秒までを六つの時間帯に分けました。においの条件によって、いくつかの頭皮上の位置で、電気的な反応の大きさや、山・谷が現れる時刻に違いがありました。単に脳全体の活動が一様に強くなる、あるいは弱くなるという結果ではありません。

著者らが特に注目したのは、写真を見てから0.3～0.6秒の間です。この時間帯の右側の頭皮上の測定点CP4では、陽性方向の反応の大きさが、自分の顔への好みと魅力度の評定に弱く正の相関を示しました。

これは、脳波の値と顔の評価が一緒に変わる傾向を探した解析です。その反応が評価を下げたり上げたりする原因だと分かったわけではなく、脳波から個人の自己評価を正確に読み取れるという結果でもありません。

## においが作る感情的な状態が、自己評価に入り込む？

著者らは、顔を見たときの比較的早い処理だけでなく、その後の感情を伴う評価にも、においの影響が及ぶ可能性を論じています。特に0.3～0.6秒の反応と顔評定との関係は、においが作る感情的な状態が、自己評価に関わるという説明の手がかりです。

先行研究を踏まえ、前頭部の脳領域が、においと顔の情報や、好ましさの評価を結びつける可能性も挙げています。ただし、今回測ったのは頭皮上の電気活動です。個々の脳領域の働きや、においから自己評価へ至る経路を直接確定したわけではありません。

## 快・不快だけでは説明しきれない

重要な限界は、においによる覚醒の程度を直接測っていないことです。ここでいう覚醒とは、刺激を受けて神経がどのくらい活発になったり、注意が引きつけられたりするかという側面です。心地よいか不快かとは、別の軸です。

イソ吉草酸の条件で見られた脳波の変化が、不快さによるのか、刺激による覚醒によるのか、あるいはその組み合わせなのかは分けられません。においの強さに有意差がなかったことも、覚醒の程度まで等しかったことを保証しません。

ラベンダーの快・不快には個人差があり、心地よいと評価した人も多くいましたが、集団全体では溶媒対照との有意差がありませんでした。著者らは、今後は明確に心地よいにおいと不快なにおいを使い、覚醒の程度も測って、二つの影響を分ける必要があるとしています。

また、今回は自分の顔を評価する課題で、他人の顔との直接比較はありません。においの影響が、自分の顔に特有なのか、顔一般やその場の判断に広く生じるものなのかも、次に確かめるべき点です。参加者が主に若い成人であることにも注意が必要です。

研究は韓国の教育部、科学技術情報通信部による、韓国研究財団を通じた基礎研究助成を受けています。著者らは利益相反なしと申告しています。

## まとめ

不快なイソ吉草酸を嗅いだ条件では、同じ自分の顔写真に対する好みと魅力度の評価が低くなり、顔を見た後の脳波にも条件による違いが現れました。著者らは、自己評価が目に入る情報だけで決まらず、においの作る感情的な状態にも影響されうると考えています。

日常の身支度のような場面でも、周囲のにおいが自分への印象に小さく関わる可能性はあります。ただし、香水を使えば自信がつく、魅力が増す、という効果を実証した研究ではありません。快・不快と覚醒を分け、他人の顔との比較も加えることで、においが自己評価に入り込む仕組みを、より詳しく調べられます。

## 参考文献

Yoon, S., Moon, S., Kim, K., Bae, J., Lee, J., & Moon, C.（2026）. Odors modulate self face perception and frontal ERP responses. *Scientific Reports*, 16, 5082. DOI: [10.1038/s41598-026-35683-3](https://doi.org/10.1038/s41598-026-35683-3). [原著全文](https://www.nature.com/articles/s41598-026-35683-3)。原著のライセンスは[CC BY-NC-ND 4.0](https://creativecommons.org/licenses/by-nc-nd/4.0/)です。
