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title: "香りの「リラックス」は、ひとつの気分？"
description: "香りのリラックスを測る12é  目の質問票を開発した研究。解放感や否定的な感æƒ に加えて、懐かしさを捉える意味を紹介します。"
url: https://lechercheurdeparfum.com/odor-relaxation-scale-nostalgia/
date: 2026-10-12
modified: 2026-10-12
author: "Root"
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categories: ["香りの科学"]
tags: ["感じ方・記憶・気分"]
type: post
lang: ja
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# 香りの「リラックス」は、ひとつの気分？

香りを嗅いでほっとするとき、心の重荷がほどけることもあれば、懐かしい場所を思い出すこともあります。同じ「リラックス」という言葉の中には、どんな感じ方が含まれるのでしょうか。

Hosokawaらが2025年に発表した研究は、香りを嗅いだときの主観的なリラックスを、短い質問票で測ることを目指しました。日本の成人に4種類の香りを試してもらい、回答のまとまりから12項目の尺度「RSFF」をつくっています。注目したいのは、心身の解放感や否定的な感情に加え、個人的な懐かしさがひとつの側面として現れたことです。

## 香りの体験に合った、短い質問票をつくる

リラックスを調べる方法には、心拍などの身体の測定も、本人に気分を尋ねる方法もあります。ただ、一般的な気分の質問票では、香りに特有の体験を十分に捉えられないかもしれません。研究者は、香りを嗅いでいるそのときの状態を、少ない質問で具体的に表す道具をつくろうとしました。

出発点は、消費者が香りでリラックスしたとき、あるいはしなかったときの変化を記した5,084件の回答と、香料の専門家や研究者が考えた項目です。重複などを整理して68項目にし、17人の予備調査を経て、38項目を本調査に用いました。

本調査には健康な日本語話者の成人110人を募集し、指示に沿わなかった回答を除いた101人を最初の分析に使いました。年齢は18〜69歳です。参加者は自宅に届いた、レモン・ライム、イチゴ、コーヒー、バニラの4種類の香りを嗅ぎながら、各項目がどの程度当てはまるかを答えました。

調査は2日に分け、各日とも無臭の試料から始めて、2種類の香りを評価しました。香りを試す順序は参加者間で調整しています。7週間後には同じ人たちに再び調査し、2回目の分析対象は89人、両方の調査で再検査の分析に使えたのは82人でした。

## 回答は、3つの側面にまとまった

研究者は、似た動きをする回答をまとめる「因子分析」を行いました。たとえば、心が軽く感じられる人が、身体も軽く感じると答えやすければ、共通する側面があると考えます。ここでいう因子は、回答の関係を整理したもので、脳の中に3つの装置が見つかったという意味ではありません。

最終的に残ったのは12項目で、3つの側面に分かれました。第一は、ストレスから解き放たれる感じや心身の軽さを含む「解放感」。第二は、幼いころや故郷など、自分の過去に結びつく「懐かしさ」。第三は、不安、緊張、疲れ、退屈といった「否定的な感情」です。

項目同士のまとまりは、1回目と2回目の両方でおおむね良好でした。2回目のデータでも、3つの側面からなる構造は支持されました。ただし、因子の数を決める複数の方法は異なる候補を示しており、3つという数には、解釈しやすさなどを踏まえた研究者の判断も含まれます。

7週間を隔てた得点の相関は0.65でした。これは、再び同じ方法で尋ねたときに、回答に一定の一貫性があったことを示します。最初に嗅いだ香りの効果が、7週間続いたという結果ではありません。

## 懐かしさは、単純な「気分のよさ」に収まらない

2回目には、広く使われている気分の質問票POMSとも比べました。RSFFの総得点や解放感は、活力に関わる得点と正の関連がありました。一方、懐かしさは、今回調べたPOMSのどの下位尺度とも有意な関連を示しませんでした。

著者らは、懐かしさには温かさだけでなく、切なさなども混ざりうるため、単純な快・不快の気分だけでは捉えにくいと考えています。なお、今回の参加者は強いストレスを与えられた状態ではなく、POMSの否定的な気分の得点が低い側に偏っていました。この条件も、尺度同士の比較を考えるうえで重要です。

香りで過去の場面や感情がよみがえることを踏まえると、懐かしさを含めることで、香りの体験に合った測り方になる、というのが研究の大切な帰結です。著者らは、馴染みのある香りが安心感に結びつく可能性も挙げています。ただし、その仕組みを今回直接確かめたわけではなく、懐かしい香りの安全性を示したものでもありません。

思い出の内容は人によって異なります。同じ香りでも、どんな過去とつながるかが、リラックスの感じ方の個人差に関わるかもしれません。懐かしさを単なる余分な感情として除かず、測定の中に位置づけた点に、この尺度の特徴があります。

## 香りの順位を決めるより、体験を調べるために

追加の分析では、今回の試料のうちレモン・ライムのRSFF得点が、ほかの3種類より高くなりました。一本の線の上でリラックスの程度を答える方法でも似た結果が得られ、両者には0.73の相関がありました。これは、尺度が本人の感じるリラックスと関連していることを支える結果です。

ただし、この研究の中心は尺度の開発です。主な分析には無臭条件からの変化量ではなく、香りを嗅いでいるときの回答を使っています。今回の4試料の比較から、ある香料が誰にでも最もよく効く、あるいは不安やうつを治療できるとは言えません。

また、101人が4種類を評価した404件のデータは、404人分ではありません。同じ人の回答が繰り返し含まれる点を、今後は分析モデルでより明確に扱う必要があります。対象は日本に住む日本語話者に限られ、自宅の環境、香りの種類、文化や生活経験が変わったときにも使えるかは、追加の検証が必要です。

研究は高砂香料工業の資金で行われ、著者3人は同社の社員、もう1人は同社から報酬を受ける技術顧問でした。尺度と心拍や脳波などの身体反応との対応も、この研究ではまだ調べられていません。

## まとめ

香りを嗅いだときのリラックスは、ただ緊張が少ないというだけでなく、心身がほどける感覚や、個人的な懐かしさを含めて捉えられる可能性があります。今回の研究は、その体験を12項目で調べるための土台を示しました。

著者らが目指す次の一歩は、この短い質問票を心拍や脳波の測定と組み合わせ、本人の感じ方と身体の変化がどう重なるかを調べることです。食べたときに口から鼻へ抜ける香りや、短い休息の体験が長期的な気分とどうつながるかにも、研究を広げられます。香りによるセルフケアや介入の評価に役立てる可能性を、測る道具の側から探った研究です。

## 参考文献

Hosokawa, Y., Goto, Y., Hoshino, K., & Okada, K. (2025). Development of a self-report scale to assess relaxation effects of flavors and fragrances. *Scientific Reports*, 15, 27110. [DOI: 10.1038/s41598-025-11912-z](https://doi.org/10.1038/s41598-025-11912-z) ／ [原著全文](https://www.nature.com/articles/s41598-025-11912-z)。原著：© The Author(s) 2025, [CC BY 4.0](https://creativecommons.org/licenses/by/4.0/)。
