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title: "ベルガモットは高い音、バーチタールは低い音？"
description: "20香料に合う音を調整すると、香料ごとに高低の違いが現れました。開始音の影響と、快さだけでは説明しきれない対応を調べた研究です。"
url: https://lechercheurdeparfum.com/odor-auditory-pitch/
date: 2026-10-14
modified: 2026-10-14
author: "Root"
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categories: ["香りの科学"]
tags: ["言葉・色・人の印象"]
type: post
lang: ja
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# ベルガモットは高い音、バーチタールは低い音？

ベルガモットの香りに合わせるなら高い音、バーチタールなら低い音。1997年の研究では、香りを嗅いだ人が音の高さを調整すると、香料ごとに一定の違いが現れました。

面白いのは、最初に聞く音を変えると、選ばれる音の高さそのものは大きく動いたことです。それでも、どの香りが比較的高い音、低い音に対応するかには共通点がありました。研究者はこの対応を、言葉で説明しにくい「香りの質」を数量的に捉える手掛かりとして調べています。

## 香りの強さと、音の大きさを近づける

研究では、花、柑橘、木、土などの香調を含む20種類の香料を用意しました。精油などの天然抽出物と合成香料があり、よく知っているにおいから、普段は名前を聞かないものまで含まれます。

別に募集した評価者による予備試験で、香りの強さを20％のオリバナムを基準として調整しました。平均評定が基準の平均から1標準偏差以内に収まるまで、濃度を変えて確認しています。強い香りだから高い音を選ぶ、といった影響をできるだけ小さくするためです。

音はヘッドホンから聞こえる1秒間の単純な正弦波音でした。周波数によって音量の感じ方が違うため、既存の聴覚データを使って、音の大きさがそろうよう補正しています。音楽の曲調や楽器の音色を選ぶ試験ではなく、音の高低に焦点を絞った設計です。

## 32人が、香りに合う音を探す

最初の実験には、19〜40歳の32人が参加しました。新聞広告で募集し、嗅覚や鼻の状態を確認しています。職業音楽家、補聴器の使用者、聴力低下を自己申告した人は対象から外しました。

香料を嗅いだ後で音を聞き、その香りに合わなければ「もっと高く」「もっと低く」と実験者に伝えます。最初は1オクターブずつ動かし、変更の向きが反転するたびに、半オクターブ、4分の1オクターブというように幅を狭めました。本人が合うと判断したところを、その香りに対応する音としています。

各人は別の日に約1時間ずつ、2回参加しました。一方の日は200 Hz、もう一方の日は1,000 Hzから、すべての香りの音合わせを始めます。どちらの日を先にするかは参加者間で相殺し、香りの順番は無作為にしました。2回の間隔は平均7日、最短2日です。

## ベルガモットは高め、バーチタールは低め

選ばれた音の高さには、香料による有意な違いがありました。たとえばベルガモットは比較的高い側に、バーチタールは低い側に位置しています。参加者は香りの名前を当てる代わりに、音の高低という別の感覚を使って違いを表せたわけです。

ただし、最初に聞いた音の影響も大きく現れました。20種類すべてで、1,000 Hzから始めた日の平均は、200 Hzから始めた日より高くなりました。香料ごとの平均的な差は周波数で約2.27倍、ほぼ1オクターブに相当します。

それでも、周波数を対数に変換した20香料の平均値を両条件で比べた相関はr＝0.80、順位の相関は0.66でした。絶対的な高さには開始点の影響がある一方、香りどうしの高低の並びには一定の一貫性があった、というのが中心的な結果です。

この相関は香料ごとの平均値を比べたもので、一人ひとりが同じ音を選び直せる精度ではありません。また、同じ参加者が同じ香料を再び評価するため、前回の判断の記憶が一貫性に寄与した可能性は残ります。著者らも脚注でこの点を挙げています。

## 「好きな香りほど高い音」だけで説明できる？

二つ目の実験は、音の高低が単に香りの快さの置き換えではないか、という疑問を調べました。別の22〜40歳の29人が、同じ20香料の快さを、「非常に不快」から「どちらでもない」を経て「非常に快い」までの尺度で評価しました。全香料を2回評価し、平均値を分析しています。

快さの評定と、最初の実験で選ばれた音の高さとの相関は、有意ではありませんでした。200 Hz開始条件との相関は0.22、1,000 Hz開始条件では0.10で、順位による分析でも明確な対応は得られません。

研究者は、参加者が好ましさをそのまま音の高さに置き換えた可能性は低いと解釈しました。香りの強さを事前に近づけ、快さとの単純な関連も見られなかったことから、音合わせは香りの質の別の側面を捉える候補になります。ただし、別集団の平均値の比較なので、個人の判断に快さがまったく関わらないと決まったわけではありません。

## 香りを表す、新しいものさしの候補

著者らは、香りを「重い・軽い」「明るい・暗い」「硬い・柔らかい」などと感じ分ける、まだ十分に整理されていない特徴が、音の高低に対応した可能性を論じています。どの特徴が実際に対応を生むかは、今回の実験では特定されていません。

研究の意義は、専門語を知らない人でも、別の感覚との比較によって香りの違いを数量化できると示した点です。次の課題として、音の高さだけでなく音色との関係を調べることも提案しています。

参加者は、香りから自然に音が聞こえる共感覚を持つ人として選ばれてはいません。香りを嗅ぎながら、実際に提示された音を調整した結果です。したがって、特定の香料に世界共通の周波数を割り当てるより、「この集団、この課題では、相対的な高低に共通点があった」と読むのが適切です。

## まとめ

20種類の香りに音を合わせると、ベルガモットは高め、バーチタールは低めというように、香料ごとに選ばれる高さが異なりました。開始音を高くすると回答全体も高くなりましたが、香料間の高低の並びには相関がありました。

別の参加者が付けた快さの評点は、音の高さと有意に対応しませんでした。香りの強さや好ましさだけでは捉えにくい特徴を、音との比較で探る。香りを言葉以外で表す方法の可能性と、開始点に左右されるという測定上の特徴を、両方示した研究です。

**研究の背景・開示：**研究当時、著者4人はGivaudan-Roure Fragrancesに所属していました。掲載時の連絡先には、Gilbertの所属先としてSynesthetics, Inc.も記載されています。謝辞には実験協力者が挙げられていますが、独立した資金提供・利益相反の声明は確認できません。

**参考文献**

Belkin, K., Martin, R., Kemp, S. E., & Gilbert, A. N. (1997). Auditory Pitch as a Perceptual Analogue to Odor Quality. *Psychological Science*, 8(4), 340–342. [原著論文](https://doi.org/10.1111/j.1467-9280.1997.tb00450.x)／[著者公開PDF](https://averygilbert.com/Downloads/Psych%20Science%208_340,%201997.pdf)
