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title: "においに慣れると、不快さまで薄れる？ 強さと快さを分けた実験"
description: "15秒の刺激の後、においは弱く感じられても、不快さは変わるとは限りませんでした。30人の実験から、強度と快さのæ £れの違いを読み解きます。"
url: https://lechercheurdeparfum.com/odor-adaptation-intensity-pleasantness-concentration/
date: 2026-10-13
modified: 2026-10-13
author: "Root"
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categories: ["香りの科学"]
tags: ["感じ方・記憶・気分"]
type: post
lang: ja
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# においに慣れると、不快さまで薄れる？ 強さと快さを分けた実験

同じにおいの中にいると、最初ほど強く感じなくなることがあります。では、強さが薄れると、嫌なにおいの不快さも同じように和らぐのでしょうか。

2023年の研究では、短時間の連続提示の後、四つの刺激はいずれも弱く感じられました。一方、快・不快の評価が明確に変わったのは、最も快いと評価された花の混合香の低い濃度条件だけでした。においの「強さへの慣れ」と「気持ちの慣れ」は、必ずしも足並みをそろえませんでした。

## 強さと快さを、別々に測る

Liらの目的は、においへの順応によって強度と快さがどう変わるかを、刺激の種類と濃度を組み合わせて調べることでした。ここでいう順応は、同じ刺激を続けて受けた後に、知覚される強さが下がる現象です。

研究チームは、不快なにおいには危険を知らせる役割があるため、快いにおいより慣れにくいかもしれないと予想しました。その予想を、単に「におったかどうか」ではなく、強さと快・不快の両方の評点で確かめました。

## 30人に、四つのにおいを装置で提示

参加者は、嗅覚検査で正常な機能が確認された18～34歳の30人でした。刺激はフェニルエチルアルコール（PEA）、花を思わせる快い混合香、硫化水素、汗を思わせる混合香の四つです。

研究者は最初の二つを快い刺激、後の二つを不快な刺激として選びました。しかし、参加者の実際の評価では、花の混合香は快く、硫化水素は不快だった一方、PEAはやや快く、汗様の混合香は中立に近いものでした。このずれは、結果の解釈にも重要です。

提示には、においを含む流れを空気で希釈する装置を使いました。温度と湿度を一定にし、片方の鼻へチューブから刺激を送っています。参加者は装置の切り替え音を聞き取りにくくするための雑音を聞き、画面上の図形を追う課題を行いながら、口で呼吸するよう求められました。日常の自然な嗅ぎ方より、刺激条件をそろえることを優先した設計です。

## 15秒の刺激を受けた後、短い一吹きはどう感じるか

まず、各刺激を四つの濃度条件で0.2秒ずつ提示し、強さと快・不快を評価しました。提示間隔は40秒で、刺激や濃度の順番は無作為化されています。

順応を調べる段階では、同じにおいを低い設定で15秒間続けて提示しました。その後、4秒間においのない時間を置き、再び0.2秒の刺激を出して評価しています。この順応後の測定を3回繰り返し、平均値を解析しました。

論文の濃度表記は、評価刺激が12・24・36・48%、先行する順応刺激が5%です。これらは空気希釈装置で設定した条件として読む必要があり、純粋な物質をその割合で吸入したという意味や、製品への配合率を示すものではありません。

## 四つとも弱く感じたが、濃度の関わり方は同じではない

順応後には、四つの刺激はいずれも、順応前より強さの評点が下がりました。不快な硫化水素でも低下があり、「不快なにおいは強さの面でもほとんど慣れない」という単純な予想には合いませんでした。

ただし、低下の大きさは刺激と濃度の組み合わせによって変わりました。PEAでは12%条件のほうが36%条件より強い低下を示し、汗様の混合香では24%条件のほうが48%条件より強く低下しました。

一方、花の混合香や硫化水素では、同じような低濃度ほど大きく低下する差は明確ではありませんでした。したがって、この研究の濃度効果は、やや快いPEAと中立に近い汗様混合香の特定の条件に見られた結果として捉えるのが正確です。

## 不快さはそのままでも、快さが少し落ちることがある

快・不快の評価を見ると、花の混合香の12%条件と24%条件では、順応後に快さが下がりました。12%ではp<.001、24%ではp=.022でした。

ほかの刺激・濃度条件では、快・不快の評点の変化は統計的に明確ではありませんでした。硫化水素は弱く感じられるようになっても、不快さがはっきり和らいだとは言えませんでした。

逆に、快い香りでも、感じる強さだけでなく快さの評点が低下することがあります。この二つの尺度を分けたことで、「においに慣れた」という一言の中に、異なる変化があることが見えてきました。

## 何が慣れを左右するのか

著者らは、不快な刺激が持つ警告としての意味や、最初にどの程度その香りを好んでいたかが、快・不快の変化に関わる可能性を論じています。ただし、今回危険性の認識や脳の警告機能を直接測ったわけではなく、これらは結果を説明する仮説です。

重要なのは、汗様として選んだ混合香が実際には中立と評価された点です。研究者が「不快な香り」として用意しても、参加者が同じように感じるとは限りません。刺激の名前や意図より、実際の評定を見て分類する必要があります。

また、順応前には、装置上の濃度を変えても知覚される強さの差が大きくありませんでした。濃度条件が強度の違いを十分に作り出せていたかは、著者らも限界として挙げています。多数の刺激・濃度について前後比較を行った小規模な実験でもあるため、個々の差の再現性には追加の確認が役立ちます。

研究が扱ったのは、健康な若い成人が受けた15秒の刺激と、その直後の評価です。長時間の室内環境や毎日の香水使用、嗅覚障害の治療へ直接結論を広げるには、条件を合わせた別の検証が必要です。

## まとめ

短い連続刺激の後、四つのにおいはすべて弱く感じられましたが、快さが明確に下がったのは、花の混合香の低い二つの濃度条件でした。不快な刺激では、強さが下がっても不快さの変化は明確ではありませんでした。

低濃度で強度の低下が大きいという差も、PEAと中立に近い混合香の一部条件に限られました。香りへの慣れを理解するには、強さ、快・不快、濃度、そして最初の好みを分けて見ることが大切です。

著者らは外部研究資金なし、利益相反なしと申告しています。混合香はGivaudan由来で、オープンアクセス出版費はProjekt DEALの支援を受けています。

**参考文献**

Li Z, Mignot C, Sinding C, Hummel T. Effects of desensitization on odors varying in concentration and pleasantness. *Journal of Sensory Studies*. 2023;38(6):e12877. [doi:10.1111/joss.12877](https://doi.org/10.1111/joss.12877). [公開原著全文](https://onlinelibrary.wiley.com/doi/full/10.1111/joss.12877).
