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title: "NIPPON KODO（日本香堂）— 香十の技術継承から、花の花・大江戸香へつながるお香づくり"
description: "1942年設立の日本香堂が受け継ぐ香十と鬼頭勇治郎の薫香技術。花の花、大江戸香、粉体と液体香料の調合、職人による乾燥の判断を通して、その歩みとお香づくりをたどる。"
url: https://lechercheurdeparfum.com/nippon-kodo/
date: 2026-10-12
modified: 2026-10-12
author: "Root"
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categories: ["ブランド創業者"]
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# NIPPON KODO（日本香堂）— 香十の技術継承から、花の花・大江戸香へつながるお香づくり

> 私たちの使命は、日本の香りの文化を世界へ広めることです。小仲正克（日本香堂ホールディングス社長、2025年）

一本のお香は、香料を合わせれば完成するものではない。粉を練り、細い形へ整え、乾燥させ、火をつけたときに狙った香りが立つようにする。NIPPON KODO（日本香堂）が受け継いできたのは、この薫香の技術である。薫香とは、香を焚いて香りを楽しむことだ。

その歩みには、宮中に仕えた香十の技と、西洋の花の香りをお香へ移した鬼頭勇治郎の挑戦が重なる。近代の会社としては1942年に設立され、古い技術を、祈りの線香から暮らしの香りへ、さらに海外の香りの文化へとつないできた。

## 基本情報

- ブランド・会社名：NIPPON KODO（日本香堂）
- 会社設立：1942年（前身は東京孔官堂）
- 初代社長：小仲正規（こなか・まさのり）
- 継承する技術：16世紀以来の香十、高井十右衛門家と鬼頭勇治郎の薫香技術
- 現行の日本香堂社長：小仲正重
- 日本香堂ホールディングス社長：小仲正克（こなか・まさよし）
- 本社：東京都中央区銀座
- 公式サイト：[日本香堂](https://www.nipponkodo.co.jp/)

## 創設者とブランドの成り立ち

### 1942年、小仲正規が東京孔官堂を設立

日本香堂の会社としての出発点は、大阪の線香メーカー、孔官堂の東京出張所にある。1942年に分離・独立し、小仲正規を初代社長とする会社になった。当時の社名は東京孔官堂。現在の「日本香堂」へ改称するのは1966年である。

1947年には、後継者の問題を抱えていた堺の鬼頭天薫堂から、毎日香の商標権と名跡を譲り受けた。毎日香と、自社の青雲は、テレビCMを通じて広く知られる看板製品となる。会社を育てる過程には、自分たちの製品づくりと、先人の香りを続けて届ける仕事があった。

### 香十と鬼頭勇治郎から受け継いだ技術

日本香堂の伝統をさらにさかのぼると、天正年間の香十に行き着く。香十は宮中御用をつとめた香の専門職であり、高井十右衛門家が代々、その技を受け継いだ。日本香堂は高井家十七代から、秘伝書や宮中への通行証などを継承している。

もう一つの流れは、毎日香や花の花を生んだ鬼頭勇治郎の調香である。1911年に送り出された花の花は、西洋から伝わった香水の華やかな印象を、日本のお香づくりへ取り入れた。日本香堂は、この二つの薫香の技術を基盤としている。

16世紀以来の伝統と、1942年の会社設立は、それぞれ異なる歩みである。先人の香りを守ることは、その技術を次の製品へ使えるようにすることでもあった。

### 銀行から研究室へ移った小仲正克

海外へ香りを届ける取り組みは、1965年のニューヨーク現地法人設立、1971年のロサンゼルス支店開設へと広がった。その後の転換を担う小仲正克は、大学卒業後に三菱銀行へ入行し、五年半勤務してから、1995年に日本香堂へ入社した。

父に呼び戻された正克が最初に配属されたのは研究室だった。線香などの商品開発を経験し、自分たちが主体となってつくったものを、顧客に買ってもらい評価される面白さを知る。新市場開発や営業を経て、2000年、32歳で日本香堂の社長に就任した。

入社間もない1996年には、フランスのホームフレグランス企業エステバンがグループに加わった。1999年には米国のインセンスメーカー、ジェニコも加わる。正克は、海外のファッションやラグジュアリーブランドのお香をつくる仕事が増えたことを、お香がフレグランスの一つとして認識される転機と捉えている。

### 香の文化を、暮らしと海外へ広げる

2011年には持株会社、日本香堂ホールディングスを設立した。正克は2015年にその社長となる。製品をつくり販売する日本香堂と、グループを束ねる持株会社の役割が分かれ、海外の拠点やブランドと連携する体制が整っていった。

> 私たちの事業は、お香を製品として売ることだけではありません。小仲正克（2016年、日本香堂社長としての取材で）

正克は2016年、供養と現代の暮らしの両方へ目を向け、伝統を新しい人々へ届けたいと語った。同年には京都に香十二寧坂店が開き、日英二つのロゴで海外からの来訪者にも接点をつくった。大江戸香も、江戸の遊びと洒落を表すお香として登場した。

2025年の取材では、家庭で楽しむ香りへ事業を広げることに加え、フランスで香道の体験を提供する活動を挙げている。香道は、一定の作法に従って香りを聞き、鑑賞する文化である。製品と体験の両方で香りの背景を伝える仕事が続いている。2026年には、日本香堂の社長に小仲正重が就任した。

## ブランドのこだわり

### 粉体と液体香料を組み合わせ、燃焼時の香りをつくる

日本香堂が扱う香原料には、香木や植物、その粉体、花や草木から抽出した香料、あるテーマに合わせて調合した香料などがある。原料は産地やメーカーによって特性が異なるため、成分や品質、安定して供給できるかを吟味する。

小仲正克は、日本のお香の特徴として、粉体の香原料と液体の香料を合わせる構成を挙げている。伝統的な沈香や[白檀（サンダルウッド）](https://lechercheurdeparfum.com/sandalwood/)を含め、素材ごとの性質を組み合わせることで、香りに層をつくる。素材の名前だけでなく、燃やしたときにどう香るかを考える調合である。

### 水の配合と乾燥を判断する職人

原料を混ぜて練った生地は、細い穴から押し出すなどして成形し、長さを整えて木の型へ並べる。その後、乾燥させて固め、まとめて包装する。機械による成形と、細かな並べ方や乾かし方がつながる工程だ。

練る際の水が多すぎると、反りや品質の低下につながる。原料に対してどれだけ水を加えるかを、職人が判断する。乾燥では温度と湿度の制御に自動化を取り入れながら、その組み合わせを人が調整する。季節による湿度の違いも、品質を左右する要素となる。

2025年に正克は、量産では自動化によって生産性を高める一方、高級品には職人の判断を厚く残すと説明した。粉の配合から形と乾燥までを一緒に考えることが、一本の香りを支えている。

### 西洋の花香をお香へ移した花の花

花の花を生んだ鬼頭勇治郎が目指したのは、西洋の香水を思わせる華やかなお香だった。香水をそのまま練り固めて火をつけても、同じ香りは立たない。日本のお香づくりの技術によって、燃焼する中で花の印象が香るようにする必要があった。

こうして1911年に登場した「香水香 花の花」は、火を使って楽しむお香である。「香水香」という名には、液体香水の花の表情を薫香へ移す発想がある。異なる香りの文化をつなぐ技術が、後のフローラルなお香の基盤になった。

### 大江戸香の物語を、色と道具へ展開する

大江戸香は、東京の香司が江戸の暮らしや文化を題材に調香したシリーズである。お香を日本の伝統色で彩り、物語を香りだけでなく、手に取るものの質感へ広げている。

たとえば「玉松街道」は、旅人の行き交う街道を見守る松を題材に、力強く清々しい松の香りを表す。「湯屋の雫」は、湯屋で人々が交流する情景から、温かく華やかな湯上がりの印象を描く。同じ江戸を扱いながら、風景と暮らしの異なる一場面を選んでいる。

桐箱には伝統的な紋様と色を用い、内側にも浮世絵を施した。玉松街道では、松葉を重ねた紋様の包みと、緑色のお香が題材を伝える。付属する錫製の香立は、江戸の石畳を模した形だ。箱を開く、色を見る、香を立てるという動作まで、江戸の情景へつながるように考えている。

物語を調香へ移すことと、燃焼する一本へ仕上げること。その間をつなぐ技術に、日本香堂の継承と創造が現れる。

## 参考文献

- [Nippon Kodo’s Global Vision — 小仲正克インタビュー、The Worldfolio、2025年7月31日](https://www.theworldfolio.com/interviews/nippon-kodos-global-vision-preserving-japanese-scent-culture-while-expanding-fragrance-frontiers/6940/)
- [企業基盤と背景・継承する薫香技術 — 日本香堂公式](https://www.nipponkodo.co.jp/company/base/)
- [企業概要・現行役員 — 日本香堂公式](https://www.nipponkodo.co.jp/company/outline/)
- [Nippon Kōdō: Bringing Japan’s Incense Traditions to the World — Nippon.com、2016年6月29日](https://www.nippon.com/en/features/c02502/)
- [沿革 — 日本香堂公式](https://www.nipponkodo.co.jp/company/history/)
- [日本香堂ホールディングスの会社概要 — 銀座香箱公式](https://ginza-kohbako.nipponkodo.co.jp/company/index.html)
- [花の花物語 — 日本香堂公式](https://www.nipponkodo.co.jp/iyashi/hananohana/)
- [The Nippon Kodo Group — 日本香堂英語公式](https://www.nipponkodo.com/about/group.html)
- [小仲正克の経歴と香文化を広げる事業 — 社長名鑑、2025年7月時点の取材](https://shachomeikan.jp/industry_article/4753)
- [How incense is made — 日本香堂英語公式](https://www.nipponkodo.com/culture/made.html)
- [大江戸香の物語・桐箱・錫製香立 — 日本香堂公式](https://www.nipponkodo.co.jp/shop/products/list?category_id=110012)
- [大江戸香 玉松街道 — 日本香堂公式](https://www.nipponkodo.co.jp/shop/products/detail/38347?productCd=38205)
