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title: "Memo Paris（メモ・パリ）──記憶と旅を香りの地図に変える、詩人と旅人のメゾン"
description: "「私の役割は、物語を見つけることです」——クララ・モロイ（å ±同創設è€ å ¼クリエイティブ・ディレクター）"
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modified: 2026-09-20
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# Memo Paris（メモ・パリ）──記憶と旅を香りの地図に変える、詩人と旅人のメゾン

> 「私の役割は、物語を見つけることです」——クララ・モロイ（共同創設者兼クリエイティブ・ディレクター）

メモ・パリ（Memo Paris）は、土地の匂いをそのまま写し取ろうとするブランドではない。ある場所の名前、風景、歴史、そこで生まれた個人的な記憶を起点に、現実と想像のあいだに新しい「香りの目的地」をつくるメゾンである。旅を主題にする香水ブランドは少なくないが、メモ・パリの独自性は、**場所を物語へ、物語を香料へ、香料を再び個人の記憶へと循環させる設計**にある。

物語の起点は2007年のブランド創設にあるが、その前には一冊の本があり、いくつもの出会いがあった。本の刊行や最初の香水の発売には一年ほど異なる年が伝わるものの、言葉から香りへと向かった二人の足跡は、その間をつなぐように続いている。

## 基本情報

**設立年：** 2007年
**創設地：** フランス・パリ
**創設者：** クララ・モロイ、ジョン・モロイ
**公式サイト：** [https://www.memoparis.com/](https://www.memoparis.com/)
**ブランド名の読み方：** メモ・パリ
**拠点：** パリを起点とするメゾン。旗艦店はパリ1区カンボン通り24番地にあり、運営会社メモ・インターナショナルの連絡先はスイス・ジュネーブに置かれている。

「メモ」という名について、ブランドは *memory*（メモリー＝記憶）、*memoirs*（メモワール＝回想録）、そして記憶を呼び起こす香りの余韻を重ねて説明している。ブランド自身の短い言葉を借りれば、**「Memo like memory. Like souvenir. Like [sillage](https://lechercheurdeparfum.com/glossary/#ld-sillage)」**——メモは記憶のように、思い出のように、そして残り香のように、という思想である。

## 創設者とブランドの成り立ち

### 言葉から始まったクララ

クララ・モロイはパリに生まれ、カタルーニャ系スペイン人の両親のもとで育った。フランスとスペイン、二つの文化が日常の中で交差する環境であり、本人は幼少期について「何時間も本を読んでいました。言葉が私の最初の素材です」と語っている。

> 「言葉が私の最初の素材です」——クララ・モロイ

文学と言葉への関心は、クララの学びにもつながった。『Le Temps（ル・タン）』がたどるのは、文学系の準備課程イポカーニュ、カーニュから、情報・コミュニケーション分野の高等教育機関CELSA（セルサ）へ進んだ道のりだ。『EL PAÍS（エル・パイス）』はソルボンヌで文学を学んだ人物として紹介している。セルサ自体もソルボンヌ大学に属する学校であり、学校名だけで二つの紹介を矛盾と捉える必要はない。どちらにも、言葉を出発点にした姿が見える。

卒業後のクララは、ジャーナリズム、編集、広告・コミュニケーションの領域へ進んだ。文化情報を扱う月刊誌を立ち上げ、のちに自身のコミュニケーション会社も設立する一方、詩を書き続けた。 香水を学問として専攻した人でも、香料会社で訓練を受けた調香師でもない。彼女の出発点は、あくまで**言葉、編集、詩、そして他者の創造性を聞き取る仕事**だった。

### 香水の作者を探した本

転機は2000年代前半、調香師を取材する書籍『22 Perfumers: A Creative Process（トゥエンティトゥー・パフューマーズ：ア・クリエイティブ・プロセス）』（仏題 *22 Parfumeurs en création*／ヴァン・ドゥ・パルフュムール・アン・クレアシオン）の制作である。当時、香水広告の前面に出るのはファッションデザイナーやブランドであり、実際に香りを設計した調香師は一般消費者から見えにくかった。クララは「当時、調香師たちは影に隠れていた」と振り返り、22人への長時間の取材を通して、彼らを技術者ではなく創作者として捉え直した。

取材対象には、[ジャン＝クロード・エレナ](https://lechercheurdeparfum.com/jeanclaudeellena/)、ジャック・ポルジュ、ドミニク・ロピオン、アルベルト・モリヤス、フランシス・クルジャン、ソフィー・ラベ、[アリエノール・マスネ](https://lechercheurdeparfum.com/alienor-massenet/)らが含まれていた。 この取材は、クララにとって香水産業への入口であると同時に、既存市場への問題意識を育てる機会になった。彼女は、優れた調香師たちがマーケティング上の制約や香りの均質化に不満を抱いていたと述べ、そこにマス市場とは異なる香水をつくる余地を感じたという。

ジョンがこの本の取材を振り返るとき、話は2005年頃へと戻る。刊行年には2006年と2007年、二つの紹介があり、制作から一冊の本になるまでの細かな時期には幅が残る。それでも、この仕事がクララにもたらした出会いは明快だ。アリエノール・マスネをはじめ、取材で向き合った調香師たちが、その後の香水づくりの相手となった。本は単に香水を知るための仕事ではなく、メモ・パリへと続く扉だったのである。

### アイルランドから来たジョン

もう一人の創設者ジョン・モロイは、アイルランドのティペラリー県にある農場で、6人きょうだいの4番目として育った。家では馬や農作業が身近にあり、のちの「アイリッシュ・レザー」にもつながる原風景となった。

18歳頃からダブリンの百貨店ブラウン・トーマスで働き、ユニバーシティ・カレッジ・ダブリンで商学を学んだ。大学の課題から発展した衣料事業に取り組み、卒業後は衣料ブランドを携えて約5年間世界を回ったのち、パリでMBA（エムビーエー／経営学修士）を取得したと本人は語っている。

その後、2000年にLVMH（エルヴイエムエイチ）傘下のケンゾーでメンズ部門のゼネラルマネージャーとなり、2005年には[ランコム](https://lechercheurdeparfum.com/lancome/)・インターナショナル、続いてロレアル・リュクスで勤務した。文学と編集から香水へ近づいたクララに対し、ジョンはファッション、ブランド運営、小売、国際展開から香水へ入った人物である。

### 二人が選んだ独立

二人は2005年頃に結婚し、自分たちで意思決定できる生き方を求めて共同事業を構想した。ブランドの着想は、クララの調香師取材、ジョンのラグジュアリー業界経験、そして二人に共通する旅への関心が重なって生まれた。

2007年、パリでメモ・パリが始動した。初期の香りは、特定の土地を香りの目的地として提示するものだった。ジョンがその出発を振り返る言葉は、「4つの香り、4つの目的地から始めた」。当時の4作品を一つの名簿にして並べるよりも先に、この短い言葉が創業時の発想をよく伝えている。一本の香水は、未知の場所へ足を踏み入れるための入口だったのだ。

メモ・パリの最初の香りとして一貫して名前が挙がるのが、エチオピアの聖地に着想した「ラリベラ」である。バラ、パチョリ、インセンスを軸にした香りで、調香はアリエノール・マスネ。クララ自身も後年、「ラリベラは心に近い香り。すべてを可能にした最初の香水です」と語っている。

> 「ラリベラは心に近い香りです。すべてを可能にした最初の香水です」——クララ・モロイ

「ラリベラ」の歩みには、2007年と2008年という二つの年が添えられている。紹介記事に見られる2007年に対し、米国向け公式の調香師紹介は2008年としている。どちらの年から眺めても、クララが「すべてを可能にした」と語る、創業期の第一作であることは変わらない。

初期の販路について、クララはパリのル・ボン・マルシェでデビューし、その後ロンドンのハーヴェイ・ニコルズへ展開したと説明している。 一方、ジョンは創業後もしばらくロレアルに勤め、クララがブランドを率いていた。2012年、ブランドがパリ、ロンドン、ミラノなどで足場を築いた段階でジョンが専業として加わり、国際展開を本格化させた。

> 「彼女がクリエイティブを担い、私は商業面と世界展開を担います」——ジョン・モロイ

この役割分担は明快である。クララは場所を選び、言葉と物語を組み立て、調香師や芸術家と香りの世界をつくる。ジョンは事業、流通、組織、海外展開を担う。ただし両者は独立して動くのではなく、互いの視点を重ねながら決定すると説明している。

2026年1月には、元ロレアルのマルク＝アンドレ・ヘラーが最高経営責任者に就任した。ジョンは共同創設者兼会長として残り、創設者夫妻と連携しながら国際展開を進める体制へ移っている。夫妻が育てたメゾンを、新しい経営の担い手とともに次の段階へ運ぶ動きだ。この人事は株式の売却や出資比率を示すものではなく、経営を誰がどう担うかという体制の変化として受け止めたい。

## ブランドのこだわり

### 「場所」を写実しない

メモ・パリの出発点は実在する地名だが、その香りは観光案内のような写実ではない。旅先を実際に訪れた記憶だけでなく、本、絵画、家族旅行の思い出、地図、写真、夢も着想源になる。ジョンはこれを「スロー・トラベル」と呼び、香水が必ずしも飛行機に乗る旅を必要としないと語っている。

> 「香水を、スロー・トラベルの一形態だと考えています」——ジョン・モロイ

クリエイティブ工程では、クララが目的地を決め、その場所を象徴する主要な3つのノートと最初の物語を設定し、調香師やイラストレーターへ渡していく。 これは「現地の匂いを忠実に再現せよ」という指示ではない。土地が呼び起こす感情を共有し、調香師に解釈の余白を残すブリーフである。

たとえば「マルファ」は、テキサスの砂漠における家族旅行と夜空の記憶から、夜に存在感を増す[チュベローズ](https://lechercheurdeparfum.com/tuberose/)へつながった。「アイリッシュ・レザー」では、アイルランドの風、緑、馬を、ジュニパーベリー、グリーンマテ、[レザー](https://lechercheurdeparfum.com/leather/)の対比で表現している。 土地と香料は、こうしてつながる。ただ景色を写すのではなく、そこで動いた心まで香りへ移そうとしている。

### 調香師との長い対話

創業期から中心的な調香師を務めてきたのがアリエノール・マスネである。彼女は18歳からサンクエム・サンスで学び、[ソフィア・グロスマン](https://lechercheurdeparfum.com/sophiagrojsman/)との仕事を経てキャリアを築いた調香師であり、「ラリベラ」「アイリッシュ・レザー」をはじめ多くの作品を手がけた。

クララはマスネを起用し続ける理由を、抽象的な香りについて互いの言葉が通じるからだと説明している。 ただし、メモ・パリの全作品がマスネによるものではない。「モロッカン・レザー」の[ダニエラ・アンドリエ](https://lechercheurdeparfum.com/daniela-andrier/)、「フラム」と「インヴァネス」のナデージュ・ル・ガルランテゼックなど、作品ごとに別の調香師も迎えている。

ジョンによれば、処方は一年かけても完成せず、いったん保留して数年後に戻ることがある。発売点数を増やすことより、創設者の美意識に合う地点まで試作を重ねるつくり方だ。試作回数、香料原価、賦香率といった細かな数字だけで、その過程を外から測ることはできない。何度試したか以上に、納得できる香りへたどり着いたかが問われている。

### 素材と「自由」の意味

メモ・パリは、調香師に素材選択と品質面で大きな自由を与える。「強度のある貴重な原料」「高品質な天然原料」という言葉で、その香りを支える素材への姿勢を語っている。世界各地から持続可能な方法で原料を調達することも、ブランドが掲げる方針の一つだ。

上質な天然原料を大切にすることと、すべてを天然だけで作ることは同じではない。素材の産地や天然・合成の比率、第三者認証、調達の仕組みへの監査までが、ブランドの言葉ひとつで保証されるわけでもない。メモ・パリの素材選びで中心にあるのは、目的地のイメージを香りとして成立させることだ。天然にも合成にも、それぞれにしか描けない表情がある。その表情を選び取れるよう、調香師に広い余地を残すという考え方なのである。

### レザーと時間

メモ・パリの造形を最もよく説明する素材がレザーである。レザーは鞄、鞍、手帳、古い旅行鞄を通して移動と記憶を背負う。ブランドは、ヴィンテージ感のあるレザーケースや昔の旅道具を視覚世界の源泉として挙げ、香りも肌の上で時間とともに開き、記憶として残ることを目指すと説明している。

クララにとってレザーは単なる重厚な男性向けノートではない。「キュイール・ノマド」を構想した際、彼女はレザーを旅そのものの化身と捉えた。

> 「ノマディズムは自由のかたちであり、生命力です」——クララ・モロイ

同コレクションでは、レザーという一素材を扇のように開き、土地ごとに異なる表情を与える。「アイリッシュ・レザー」は風と草を思わせる緑、「アフリカン・レザー」はカルダモン、ゼラニウム、パチョリ、シナモン、ウードによる熱とスパイス、「フレンチ・レザー」はローズとスエードの柔らかさへと展開する。

### ボトルと箱も旅の媒体

現在のボトルは、端正な長方形のフォルム、金色を基調としたキャップ、各作品の物語を象徴する正面の図像によって統一されている。たとえば「マルファ」には大きく開いた眼、「アフリカン・レザー」には跳躍する豹が置かれ、同じ器形の中で目的地ごとの物語が視覚化される。
ブランドは創業以来、画家、イラストレーター、写真家、作家との協働を継続してきた。ともに仕事をするのは、オリンピア・ザニョーリ、ジャン・ジュリアン、ローラ・ユンガー、ジュリアン・コロンビエら、多彩な作家たちだ。 ここで絵は香りの説明図ではなく、調香師とは別の角度から同じ目的地を解釈する第二の作品である。

箱の内側には、17世紀フランスの寓意的な「優しさの地図（Carte du Tendre／カルト・デュ・タンドル）」に着想した、メモ・パリ独自の地図が配される。感情や情熱を架空の国土として描く発想を、香りの目的地へ置き換えたものだ。新作や店舗に応じて地図も更新されるという。ジョンは現在の箱をリサイクル可能なパッケージと説明している。これは素材を再生する道があるということで、再生材の使用割合や、各地域での回収・再生の仕組みまでを示す言葉ではない。香りを届けたあとの箱にどう向き合うかも、包装を考えるうえでのもう一つの視点になる。

## 香水ラインナップ

メモ・パリの香りの地図は、時代とともに描き直されてきた。フレグランティカには「レ・ゼシャペ」「アート・ランド」「エスカル・エクストラオルディネール」「エトワール・フィラント」など、これまでの区分も残る。現在のコレクションをたどる大きな手がかりは、**キュイール・ノマド、フルール・ボエム、グレーヌ・ヴァガボンド**の3系統だ。レザー、花、そして種や植物という三つの視点から、代表的な作品を見ていこう。

### キュイール・ノマド

「旅の道具であるレザーは、本質的にノマドではないか」という問いから始まるレザー・コレクション。土地ごとにレザー・アコードの温度、色、質感を変えるシリーズであり、ブランドの知名度を大きく押し上げた柱でもある。

- **アイリッシュ・レザー**：ジュニパーベリー、グリーンマテ、レザー。風の冷たさ、草原、馬具の温度を一つにした緑のレザー。
- **アフリカン・レザー**：カルダモン、ゼラニウム、レザーを核に、ローズ、パチョリ、シナモン、ウード、アンバーを重ねる。サバンナの熱を、動物的な重さだけでなく乾いたスパイスとして表現する。
- **フレンチ・レザー**：ライム、ローズ、スエード。レザーを磨かれた硬さではなく、花と柔らかな皮膚感へ振る作品。
- **モロッカン・レザー**：シャウエンの藍色の路地を背景に、アイリス、オレンジブロッサム、ムスク、トンカをレザーへ接続する。
- **オーシャン・レザー／オリエンタル・レザー／ロシアン・レザー**：海、オマーンのワヒバ砂漠、北方の大地へと、レザーの舞台をさらに拡張する。

### フルール・ボエム

花を「調香師の究極のミューズ」と位置づけるフローラル・コレクション。単に花名を並べるのではなく、土地の物語と花の性格を結びつける。その広がりは花びらだけにとどまらず、かつてこの系列の作品として紹介された「インヴァネス」のように、木の表情へ向かう香りもある。

- **ラリベラ**：バラ、パチョリ、インセンス。エチオピアの岩窟教会群に結びつけられた、創業期を象徴する香り。
- **マルファ**：オレンジブロッサム、チュベローズ、ホワイトムスク。テキサスのアートの町と夜空を、夜に咲く濃密な白い花で表現する。
- **インヴァネス**：花の系列から木質表現へと視線を広げるときに面白いのが、この香りだ。スコットランドの地名を掲げながら、ウイスキーや湿った苔という分かりやすい記号を避け、アミリス、シダー、サンダルウッド、ガイアックなど木の強度へ向かった作品。調香はナデージュ・ル・ガルランテゼックである。

このコレクションでは、花は美しさの記号にとどまらない。チュベローズの夜性、バラの宗教性、アイリスの粉感など、花が持つ時間や質感を土地の記憶へ重ねている。

### グレーヌ・ヴァガボンドと、花や茶の表情

「旅する種」を意味するグレーヌ・ヴァガボンドは、果実・ハーブ・種子の生命力に焦点を当てたボタニカル・コレクション。種を、生命、果実、再生を生む自然の原点として捉える。ここに属する「ウィンター・パレス」と、花の系列に属する「シントラ」「インレー」を並べると、植物のさまざまな表情が見えてくる。

- **シントラ（フルール・ボエム）**：オレンジブロッサム、バニラ、マシュマロ・ムスク。甘いグルマン調でありながら、花と空気感を残す。
- **インレー（フルール・ボエム）**：オスマンサス、ジャスミン、マテ。ミャンマーの湖の静けさを、果実感を帯びた花と茶葉のニュアンスで構成する。
- **ウィンター・パレス（グレーヌ・ヴァガボンド）**：ベルガモット、赤茶、ドライ・アンバーウッド。中国の宮殿を、火と氷、シトラスと温かな茶という対照で描く。

これらの香りは、レザーの重厚さに対して、メモ・パリが「鮮度」をどう扱うかを示す。軽くするために薄めるのではなく、茶、柑橘、種、ハーブの鋭さを、十分な存在感を保ったまま組み込むのである。

### 入口に選ぶなら

ブランドの成り立ちから試すなら「ラリベラ」、現在の代表性なら「アフリカン・レザー」、創設者夫妻の私的な記憶に近づくなら「アイリッシュ・レザー」、花と土地の抽象化を知るなら「マルファ」が分かりやすい。甘さへの抵抗が少ない人には「シントラ」、レザーを避けたい人には茶と柑橘の「ウィンター・パレス」が別の入口になる。

ただし、これは作品の優劣ではない。メモ・パリは「場所の再現」より、香りを嗅いだ人自身の記憶が動き出すことを重視する。地名の先入観と実際の香りが一致しない場合も、そのずれこそがブランドの狙う想像の余白である。

## ちなみに…

### アイリッシュ・レザーはラブレターでもある

クララは「アイリッシュ・レザー」を、アイルランド人の夫への一種の愛の告白と説明している。ジョンの家族が馬を育てる土地で、風が草を渡る感覚が着想源になったという。 レザーを古い紳士クラブやクラシックカーの重さから解放し、緑と風をもつ若々しい素材へ変えた点で、二人の背景が最も直接的に重なった作品である。

### 二人の出会い

二人の出会いには、旅を愛するメゾンらしい一場面が伝わっている。香水メディアのザ・パフューム・ソサエティが紹介するのは、2005年、スキーリフトの上で出会ったという話だ。細かな場面は同媒体の紹介にとどまるものの、空中をゆっくり進むリフトでの出会いは、のちに世界の土地を香りへ変える二人の物語と、不思議に響き合う。

### 「ニッチ」は規模ではなく基準

クララはニッチ市場の拡大について、ブランド数が増えるほど「ニッチとは高い基準を意味することを忘れないでほしい」と語っている。 また、自社をラグジュアリーブランドと呼ぶかという質問には、「ラグジュアリーが品質を意味するならそうです。ただ、自分自身は独立した職人に近い」と答えた。

> 「私は、自分を独立した職人に近いと考えています」——クララ・モロイ

その言葉を聞くと、メモ・パリの華やかな外観の奥にあるものが見えてくる。華やかな地名、金色のボトル、国際的な流通を備えながら、創作の中心には、詩人が物語を探し、調香師と何度も言葉を往復させる小さな編集室の感覚が残っている。メモ・パリとは、世界を所有するための旅ではなく、世界の一地点を香りによって何度も読み直すためのメゾンなのである。

参考文献

- [Memo Paris公式「Our Story」](https://www.memoparis.com/pages/our-story)
- [Interview With A Man: John Molloy, Co-Founder of Memo Perfumes](https://thegloss.ie/interview-with-the-man-behind-memo-perfumes-john-molloy/)
- [Video interview: Memo Paris and Blue Chip on the art of scent](https://moodiedavittreport.com/video-interview-memo-paris-and-blue-chip-on-the-art-of-scent-and-why-the-the-journey-is-the-destination/)
- [Memo Paris – The Emotional Resonance of Fragrance*（ジョン・モロイ長編インタビュー）](https://www.thestoryofabrand.com/memo-paris-the-emotional-resonance-of-fragrance-1/)
- [The Perfume Society「MEMO Paris」](https://perfumesociety.org/perfume-house/memo-paris/)
- [Memo Inverness EDP: Interview With Brand Founder John Molloy](https://fragroom.com/2024/01/22/memo-inverness-edp/)
- [Memo Paris: Interview With Creative Director Clara Molloy](https://fragroom.com/2019/06/08/memo-paris-interview-with-creative-director-clara-molloy/)
- [Power Women: Clara Molloy of MEMO Paris](https://medium.com/authority-magazine/power-women-clara-molly-of-memo-paris-on-how-to-successfully-navigate-work-love-and-life-a-c9e304207a04)
- [Clara Molloy on Creating Memo Paris and Bottling Memories](https://www.leparfummagazine.com/2026/01/28/clara-molloy-on-creating-memo-paris-and-bottling-memories/)
- [Memo Paris公式「Graines Vagabondes」](https://www.memoparis.com/collections/graines-vagabondes)
- [Memo Paris公式「Cuirs Nomades」](https://ae.memoparis.com/collections/cuirs-nomades)
- [Memo Paris公式商品一覧](https://us.memoparis.com/collections/all?page=3)
- [Memo Paris公式「Our Artists」](https://www.memoparis.com/pages/our-artists)
- [Memo Paris公式「Why is Memo Paris so dedicated to art?」](https://www.memoparis.com/pages/why-is-memo-paris-so-dedicated-to-art)
- [Perfumers, A Creative Process book by Clara Molloy](http://www.esperessence.com/perfume-books/22-perfumers-a-creative-proces-book-by-clara-molloy/)
- [Memo Paris公式「Fleurs Bohèmes」](https://www.memoparis.com/fr/collections/fleurs-bohemes)
- [Fragrantica「Memo Paris Perfumes And Colognes」](https://www.fragrantica.com/designers/Memo-Paris.html)
- [Memo Paris Irish Leather / Cuirs Nomades Interview with Clara Molloy](https://cafleurebon.com/memo-paris-irish-leather-cuir-nomades-series-interview-with-clara-malloy-creative-director/)
- [Memo Paris公式「Perfumes」](https://www.memoparis.com/collections/perfumes)
- [Memo Paris公式「Aliénor Massenet」](https://www.memoparis.com/pages/perfumer-alienor-massenet)
- [Memo Paris公式「Find Us」](https://www.memoparis.com/pages/find-us)
- [An Irishman in Geneva: John Molloy](https://www.irishtimes.com/business/work/2025/03/23/the-irish-man-behind-memo-perfumes-my-wife-interviewed-22-of-the-best-noses-in-the-world-but-couldnt-find-anyone-to-publish-the-book/)
- [Memo Paris公式「By Ingredient」](https://us.memoparis.com/pages/by-ingredient)
- [Memo Paris公式FAQ](https://www.memoparis.com/pages/faq)
- [Clara Molloy, la francesa de origen español cuyos perfumes conquistan el mundo](https://elpais.com/eps/2023-06-02/clara-molloy-la-francesa-de-origen-espanol-cuyos-perfumes-conquistan-el-mundo.html)
- [Clara Molloy, parfumeuse et poétesse](https://www.letemps.ch/societe/styles/clara-molloy-parfumeuse-poetesse)
- [Memo Paris公式旧記事「Aliénor Massenet」](https://us.memoparis.com/blogs/our-perfumers/alienor-massenet)
- [Clara Molloy公開プロフィール](https://www.linkedin.com/in/clara-molloy-32a14b47)
- [The Luxury Fragrance Brand Inspired By Travel](https://www.forbes.com/sites/shivanivora/2023/09/04/the-luxury-fragrance-brand-inspired-by-travel/)
- [Memo Paris公式「African Leather」](https://www.memoparis.com/products/african-leather-30ml)
- [Memo Paris公式「Sintra」](https://www.memoparis.com/products/sintra-sample)
- [Memo Paris公式「Irish Leather」](https://www.memoparis.com/products/irish-leather-eau-de-parfum)
- [Memo Paris公式「Wild Scarf」商品ページ（マルファ、アフリカン・レザーの図像説明）](https://www.memoparis.com/products/wild-scarf)
- [Memo Paris公式「Lalibela」](https://us.memoparis.com/products/lalibela-eau-de-parfum)
- [Memo Paris公式「Winter Palace」](https://www.memoparis.com/products/winter-palace-sample)
- [Memo Paris公式「African Leather」商品画像](https://us.memoparis.com/products/african-leather-eau-de-parfum)
- [Memo Paris公式FAQ（Carte du Tendre）](https://us.memoparis.com/apps/help-center)
- [Memo Paris公式「What does Memo Paris mean?」](https://www.memoparis.com/pages/what-does-memo-paris-mean)
- [Memo Paris公式「Inlé」](https://www.memoparis.com/products/inle-eau-de-parfum-75ml)
- [マルク＝アンドレ・ヘラーによるCEO就任告知](https://www.linkedin.com/posts/mheller1_travelnotes-memoparis-activity-7381034697918812160-OVHp)
- [Marc-André Heller nommé CEO de Memo Paris](https://www.premiumbeautynews.com/fr/marc-andre-heller-nomme-ceo-de,26453)
- [Power Women: Clara Molloy of MEMO Paris On How To Successfully Navigate Work, Love and Life As A…](https://medium.com/authority-magazine/power-women-clara-molly-of-memo-paris-on-how-to-successfully-navigate-work-love-and-life-as-a-624aba43ac13)
- [An Irishman in Geneva. 'Life here is gentler, but I miss …](https://www.irishtimes.com/business/work/2025/03/23/the-irish-man-behind-memo-perfumes-my-wife-interviewed-22-of-the-best-noses-in-the-world/)
- [Floral Perfumes, Collection Fleurs Bohème](https://us.memoparis.com/collections/fleurs-bohemes)
- [CELSA（セルサ）公式：ソルボンヌ大学との関係](https://www.celsa.fr/)
- [Memo Paris公式「Fleurs Bohèmes」：シントラ、インレーの分類](https://www.memoparis.com/collections/fleurs-bohemes)
