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title: "ユリの香りは6タイプ？41品種の成分と、香りを作る酵素"
description: "41品種の香りをå ­つに分類した研究は、香りを作る遺伝子も調べています。微香のユリでも成分を作れたé µ素と、RNA加工の違いを解説します。"
url: https://lechercheurdeparfum.com/lily-aroma-types-terpene-genes/
date: 2026-10-13
modified: 2026-10-13
author: "Root"
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categories: ["香りの科学"]
tags: ["花・植物・生き物"]
type: post
lang: ja
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# ユリの香りは6タイプ？41品種の成分と、香りを作る酵素

ユリの香りというと、濃厚な甘さを思い浮かべるかもしれません。でも、品種によっては香りがごく弱く、清涼感や果実を思わせるものもあります。

2019年の研究は41品種の揮発成分を比べ、六つの香りのタイプに整理しました。さらに、香り成分を作る酵素の遺伝子まで調べると、香りの弱いユリにも、成分を作る能力のある酵素が見つかりました。「何が香るか」と「どう作られるか」を一緒に探った研究です。

## 香りの分類と、その作り手を探す

ユリには、アジアティック、オリエンタル、トランペットなどの系統と、それらを交配したさまざまな品種があります。育種では花の色や形に注目が集まりがちですが、香りも大切な特徴です。

研究者が目指したのは、幅広い品種の香り成分を調べて分類の土台を作り、モノテルペンという香り成分の仲間を作る遺伝子の多様性と働きを確かめることでした。

モノテルペン合成酵素は、材料となるゲラニル二リン酸（GPP）を、さまざまな香りの分子へ変える酵素です。研究では、この酵素を作るTPS遺伝子に、品種による配列や読み出され方の違いがあるかを調べました。

## 41品種から46成分。六つの香りのタイプへ

中国・山西農業大学で育てたユリのうち、41品種について、満開の花を朝に採取しました。花の試料1.5gを密閉容器に入れ、50℃で15分間、上部の空気に出た成分を捕集し、ガスクロマトグラフィー質量分析で調べています。各品種は3反復で測りました。

見つかった揮発成分は合計46種類で、うち16種類は論文によるとユリで初めて報告される成分でした。安息香酸メチルはすべての品種で検出され、オシメンやミルセンなども広く見つかりました。

分類には、主要成分の割合と、文献にある成分の香りの記述を使いました。その結果、次の六群に整理されました。

- **微香型：**14品種。アジアティック系などが多く、含まれる成分を分析では捉えられても、人の鼻では香りがごく弱いグループ。
- **清涼型：**4品種。「Robert Swanson」など。ユーカリプトールの割合が高く、涼しげな印象を持つグループ。
- **果実型：**4品種。「White Heaven」など。安息香酸メチルを中心に、軽い果実様の香りを持つグループ。
- **ムスキー型：**7品種。「Pink Perfection」など。ユーカリプトールと安息香酸メチルが多く、論文でムスク様と表現されたグループ。
- **果実・蜂蜜型：**9品種。「Triumphator」など。安息香酸メチルにほかのエステルやテルペンが加わり、甘い果実や蜂蜜を思わせるグループ。
- **ユリ型：**3品種。「Sorbonne」「Brasilla」「Miss Feya」。オシメン類と安息香酸メチルが多く、オリエンタル系の切り花を思わせる強い香りのグループ。

「ムスキー」はここでは香りの質の呼び名です。ムスク香料の分子が検出されたという意味とは区別します。また、これは多数の消費者に好みの順位を付けてもらった分類ではなく、成分組成から香りの違いを整理する試みです。

## 遺伝子の情報にも、複数の形があった

研究のもう一つの大きな柱は、66品種を対象にしたTPS遺伝子の解析です。花で読み出されたRNAをDNAの形に写し取った「cDNA」を調べ、32種類の候補配列を得ました。それらは大きく三つの型に分かれました。

配列を比べると、一文字分に相当する塩基の違いが64か所あり、ほかに長さが違う部分が二つありました。12塩基が増えた形と、114塩基が少ない形です。

三つの型すべてが見つかった品種Sorbonneでは、元のゲノムDNAも調べました。すると、長さの違いはDNAそのものへの単純な挿入や欠失ではなく、RNAを加工するときに、つなぐ場所を変えることで生じていると分かりました。

この仕組みを「選択的スプライシング」といいます。同じ遺伝子を出発点にしても、RNAのどこを残してつなぐかにより、異なる設計情報ができるのです。ユリの香りを作る酵素にも、こうした多様化の仕組みが関わっていました。

## 香りの弱い品種の酵素も、成分を作れた

配列だけでなく、酵素が実際に働くかも確かめました。強く香るSorbonneから三つ、微香の「Red Life」から二つ、計五つのcDNAを選び、それぞれ大腸菌に導入して酵素を作らせました。

材料のGPPを与えると、五つすべてが、（E）-β-オシメン、α-ピネン、リモネンを作りました。一つの酵素が複数の生成物を生み、しかも微香品種由来の酵素にも合成能力がありました。

この結果から、花が弱くしか香らない理由を、酵素がまったく働かないことだけで説明するのは難しくなります。研究者は、材料の供給、遺伝子が働く量、細胞内で作った成分を外へ運ぶ仕組みなどを、今後調べる候補に挙げています。

一方、大腸菌で得た成分の構成は、花そのものの構成と完全には対応しませんでした。実験環境での活性は低く、酵素を細胞内の特定の場所へ届ける配列の扱いなども、測定に影響した可能性があります。花の香りを生む過程は、酵素一つの試験をさらに植物全体へつなげて理解する必要があります。

## 育種の手がかりになる関連も見つかった

香り成分と遺伝子配列の両方を調べた品種を比較すると、配列の違いとミルセンの量に関連が見られました。12塩基の長さの違いがある位置は、主要なモノテルペン、とくに（E）-β-オシメンの放出量との関連が強いと報告されています。

これらは、香りの違う品種を選んだり、遺伝子の働きを詳しく調べたりする候補になります。ただし、特定の配列を変えれば狙った香りになるという因果関係や、RNAの型ごとの効果は、今後の直接的な検証が必要です。

成分の量と、人が感じる香りの強さも単純な比例ではありません。成分ごとに鼻が感じ始める濃度が違い、混ざり方も影響します。今回の採取は50℃の容器内で行われているため、室内に飾った花の周りの濃度をそのまま表す値でもありません。

この研究の分類は、店頭の花を一律に評価する完成済みの基準というより、品種間の多様性を見渡し、香りを育種の対象として扱うための基礎資料です。

## まとめ

41品種のユリは、主要な揮発成分の構成から、微香、清涼、果実、ムスキー、果実・蜂蜜、ユリの六つに整理されました。さらに66品種の遺伝子解析から、TPS配列の多様性と、同じ遺伝子から異なるRNAを作る仕組みが見つかりました。

強香・微香の両品種から得た酵素が、共通して三つのモノテルペンを作れたことも重要です。ユリの香りの違いは、作る酵素だけでなく、材料の供給や放出まで含む仕組みとして探ることで、よりよく理解できそうです。

研究は中国・山西省の自然科学基金と農業重点プロジェクトの助成を受けています。著者は利益相反なしと申告しています。

**参考文献**

Du F, et al. (2019). Volatile composition and classification of Lilium flower aroma types and identification, polymorphisms, and alternative splicing of their monoterpene synthase genes. *Horticulture Research*, 6, 110. [原著論文・公開全文](https://doi.org/10.1038/s41438-019-0192-9)
