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title: "洗った服のにおいは、乾かし方で変わる？"
description: "31人が着用したTシャツを洗い、2つの環境で乾かした研究。におい成分と細菌の変化から、洗濯後ににおいが戻る仕組みを探ります。"
url: https://lechercheurdeparfum.com/laundry-drying-odor-microbiome/
date: 2026-10-11
modified: 2026-10-12
author: "Root"
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categories: ["香りの科学"]
tags: ["食べ物・暮らしの香り"]
type: post
lang: ja
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# 洗った服のにおいは、乾かし方で変わる？

洗った直後は気にならなかったのに、乾かしているうちに服が臭う。そんな現象には、汚れの落ち方だけでなく、洗濯を通じて変わる微生物の集まりも関わっているのでしょうか。

2025年、Celia Díez Lópezらは、着用、洗濯、乾燥の各段階で、Tシャツのにおい、におい成分、細菌、微生物の遺伝子を一緒に調べました。低温洗濯などの環境に配慮した方法を保ちながら、悪臭を抑える製品や洗濯方法を開発するため、その仕組みを理解することが研究の目的でした。

## 31人が着た服を、洗ってから半分ずつ乾燥

研究はベルギーで行われました。対象は、事前の評価でわきや衣服の不快なにおいが認められ、特定のにおい関連細菌も確認された人たちです。最初の32人のうち31人が完了し、年齢は21～66歳、女性12人、男性19人でした。一般の人を無作為に選んだ集団ではありません。

参加者は、ポリエステル93％・エラスタン7％の同じ種類のTシャツを48時間着続けました。その間は身体を洗わず、デオドラントや香水も使わない条件です。その後、自宅の洗濯機で約30℃のウールコースを使い、無香料の酵素を含まない洗剤と無香料の柔軟剤で洗いました。洗濯時間は機種によって30～90分で、酸化系の漂白剤は使っていません。

同じ洗濯には、研究者が用意した未着用のTシャツと、家庭内のほかの衣類も加えています。これにより、もともと着用していた服だけでなく、一緒に洗われた服へ何が加わるかも調べました。洗濯機のドアのゴム部分や給水などからも試料を採っています。

洗ったTシャツは半分に切り分け、一方を約24.5℃・相対湿度50％、もう一方を約31.8℃・相対湿度80％の環境に72時間置きました。湿度だけでなく温度も違うため、以下は乾燥環境全体の比較です。

においの強さと快・不快は10人の官能評価パネルが判定しました。さらに、分離した成分を人が嗅ぐ分析と質量分析を組み合わせ、実際に不快なにおいとして感じ取れる成分を調べています。細菌の量と種類、遺伝子も別の方法で測定しました。詳細な遺伝子解析の155検体は、各31人のわきと、着用後・洗濯後・2つの乾燥条件のTシャツという5種類を合わせた数で、155人を調べたわけではありません。

## 洗濯で弱まったにおいが、暖かく湿った条件で戻る

着用したTシャツは、洗濯によってにおいの快・不快の評価が改善しました。約24.5℃・湿度50％で乾かすと、洗濯直後よりにおいの強さが下がりました。一方、約31.8℃・湿度80％に置くと、においは強くなり、不快な方向へ変化しました。

成分の変化にも、これに対応する動きがありました。たとえば2-メチル酪酸と3-メチル酪酸は、この分析では分離して判別できないため、合わせて評価されています。その検出は洗濯で多くのTシャツからなくなった後、暖かく湿った条件で再び増えました。著者らは、残った細菌や洗濯中に新たに加わった細菌が、乾燥中にこうした成分を作り直した可能性を考えています。

ただし、すべてのにおい成分が同じ動きをしたわけではありません。洗濯前に見られた成分でも、乾燥中にはほとんど再登場しないものがありました。また、この分析で「感じ取れない」ことは、成分が完全にゼロになったことを意味しません。人がにおいとして検知できる濃度を下回った場合も含まれます。

## 洗濯は、服の細菌の顔ぶれも変えていた

細胞膜が保たれた細菌の数は、着用直後より洗濯後に増えていました。さらに暖かく湿った条件では増え、比較的乾いた条件では減りました。細胞膜が保たれていることは生きている可能性を示す指標ですが、すべての細胞が実際に増殖できることや、どんな代謝をしているかを確認した測定ではありません。

微生物の遺伝情報を見ると、着用した服では皮膚に由来する細菌が多く、洗濯後には水や土壌などの環境と関係する細菌の相対的な割合が増えていました。由来を推定する解析からは、洗濯機にすむ微生物や給水が、洗い上がりの服の細菌に寄与していることも示されました。未着用で一緒に洗ったTシャツにも、洗濯を通じて細菌が加わっていました。

つまり今回の条件では、洗濯はにおい成分を減らす一方で、服の微生物を単純に減らすだけの工程ではありませんでした。著者らは、洗濯物、洗濯機、水の間で細菌が移り、洗濯後ならではの集まりができると捉えています。その後の環境によって、この集まりが変化することが、においの再発を考える手がかりになります。

## しつこいにおいと、細菌が付着して残る仕組み

遺伝子解析では、洗濯後や暖かく湿った環境で乾燥した服で、微生物由来の読み取り配列に占める薬剤耐性・病原性関連遺伝子の割合が、着用直後より高くなっていました。細菌の総数そのものではなく、解析した遺伝情報の相対的な量の比較です。その中には、細菌が表面に付着し、膜状の集まりであるバイオフィルムを作ることに関係する遺伝子が含まれています。こうした仕組みがあれば、細菌は布地に残りやすくなる可能性があります。

ここで測ったのは、試料中にどんな遺伝情報がどのくらい含まれるかです。着用者が感染したこと、薬剤耐性が人へ広がったこと、洗濯後の服が病気を起こす危険度は測定していません。細菌や関連遺伝子の検出を、そのまま健康被害の証拠にはできません。また、微生物が担い得る機能全般は、細菌の顔ぶれほど大きく変わらず、どの代謝経路が特定の悪臭を生んだかまでは突き止められていません。

著者らは、付着して残る細菌の集まりが繰り返しの着用と洗濯で蓄積すれば、服から取れにくいにおいにつながり得ると考察しています。ただし、今回のTシャツで長期的なバイオフィルムの蓄積や、それがにおいを生む因果関係まで実証したわけではありません。

この仮説を踏まえ、著者らは、酵素などでバイオフィルムを崩す技術の最適化を今後の方向として提案しています。高温に弱い素材もあるため、洗浄温度を上げるだけで解決を図らず、細菌が残る仕組みに働きかけながら環境負荷も抑えようという発想です。特定の酵素洗剤の有効性を、この実験で比較したものではありません。

## まとめ

この研究では、低温で洗った合成繊維のTシャツは、いったんにおいが改善しても、暖かく湿った環境に置くと再び強く不快に臭うようになりました。洗濯中に細菌の顔ぶれが変わり、その後の環境で細菌やにおい成分が増えることが、においの戻りに関わる可能性が示されています。

対象はにおいの強い人を選んだ実験で、服の素材、洗剤、着用時間、乾燥環境も限定されています。あらゆる洗濯物に同じ変化が起きるとは言えません。それでも、洗濯直後だけでなく乾燥までを一続きで考え、におい成分の除去と微生物の残り方の両方を調べることが、においと環境負荷を両立させる洗濯技術につながるというのが、著者らの提案です。

## 参考文献

Díez López, C., Van Herreweghen, F., De Pessemier, B., et al.（2025）. Unravelling the hidden side of laundry: malodour, microbiome and pathogenome. *BMC Biology*, 23, 40. DOI: [10.1186/s12915-025-02147-5](https://doi.org/10.1186/s12915-025-02147-5) · [原著全文](https://link.springer.com/article/10.1186/s12915-025-02147-5)。

原著：© The Author(s) 2025. [CC BY-NC-ND 4.0](https://creativecommons.org/licenses/by-nc-nd/4.0/)。研究はGivaudan UK Ltdの資金提供を受け、同社所属の著者が含まれます。一部の著者はVLAIO、FWOの助成も受けています。
