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title: "人間も、地面の匂いの道をたどれる？二つの鼻孔の働き"
description: "目隠しで草地の香りの道を追う実験。人間の追跡能力と練習による改善、左右の鼻孔が違う場所のæƒ 報を集める利点を調べました。"
url: https://lechercheurdeparfum.com/human-scent-tracking-two-nostrils/
date: 2026-10-13
modified: 2026-10-13
author: "Root"
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categories: ["香りの科学"]
tags: ["感じ方・記憶・気分"]
type: post
lang: ja
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# 人間も、地面の匂いの道をたどれる？二つの鼻孔の働き

犬が地面のにおいをたどるように、人間も鼻を頼りに進めるのでしょうか。2007年の研究では、目隠しをした参加者が、草地に作られたチョコレートの香りの道を四つんばいで追い、32人中21人が最後までたどり着きました。

研究の本当の焦点は、できるかどうかに加えて「左右二つの鼻孔が、道をたどる助けになるか」です。練習、吸い込む空気の測定、鼻に装着する特殊な器具を組み合わせ、人間の鼻の空間的な働きを調べました。

## においを見つけるだけでなく、道を追う

嗅覚には、何のにおいかを知る働きと、その発生源がどこにあるかを探る働きがあります。地面に残されたにおいの道を追うとき、動物は鼻を動かして順に情報を集めるほか、左右の鼻孔の情報も比べているのでしょうか。

耳なら、左右に届く音の差が方向を知る手がかりになります。鼻にも似た利点があるかを調べるうえで、人間は課題の説明を理解し、片方の鼻をふさぐなどの操作にも協力できる対象です。

そのため、研究者はまず人間がこの課題をこなせるかを確かめ、次に練習や両鼻の情報がどう関わるかへ進みました。見た目の印象から「人間の嗅覚は弱い」と決めるのではなく、使い方を変えて能力を測る発想です。

## 草地に、約10メートルの香りの道

草地には、チョコレートの香料を含ませたひもを置いて、約10mの道を作りました。途中で約45度曲がる形です。参加者は道から約3m離れた場所で、道のおおよその方向を向いて開始しました。

目隠しとイヤーマフを着け、厚い手袋や膝・肘のパッドも使いました。視覚、音、ひもの細かな触感を手がかりにしにくくするためです。鼻を地面に近づけ、まず道を見つけ、その後を追います。到達するか10分経つと終了し、途中の正誤の知らせはありませんでした。

初めてこの課題を行った32人のうち、成功したのは21人、約3分の2でした。軌跡には、道の左右を行き来しながら進む動きが見られました。

におい以外の手がかりで進めた可能性も確かめています。11人が鼻をクリップでふさいで同じ課題を行ったところ、成功者はいませんでした。香りが道を見つける主要な手がかりだったことを支える対照実験です。

## 練習すると、速く、道から外れにくくなった

次に4人が、2週間の間の3日間、1日3回ずつ練習しました。開始位置や道の各部分の長さを変え、同じ動きを暗記するだけで解けないようにしています。

練習に伴い、香りの道からのずれは小さくなり、進む速度も上がりました。平均速度は最初の毎秒約2.6cmから、最後には約5.7cmへと増えました。この少人数の実験では、短い練習期間でも改善が見られたことになります。

鼻から息を吸う頻度も、速く進むにつれて高くなりました。研究者は、移動速度を上げても地面の香りの情報を取りこぼさないため、よりこまめに嗅ぐようになった可能性を挙げています。

ここでは、嗅覚を静かに待つ感覚としてだけでなく、頭を動かし、息を吸い、次の場所を確かめる能動的な行動として捉えています。香りを追う上達には、その動き方も関係していそうです。

## 近い二つの鼻孔は、違う場所の空気を吸う

左右の鼻孔は近くにあります。それでも別々の場所の情報を取り込めるのかを、空気中の微粒子の動きを撮影する方法で調べました。

23歳の男性1人で測ると、左右の鼻孔へ流れ込む空気は、空間的に分かれた領域から来ていました。その領域の中心同士は、およそ3.5cm離れていました。これは鼻孔の穴そのものの間隔ではなく、吸い込む空気が来る範囲の違いです。

香りの道の端に鼻があるとき、片側はにおいのある空気を、もう片側はその外の空気を吸う状況が考えられます。左右の情報を比較するための物理的な条件があることが、ここで示されました。

## 片鼻をふさぐ実験から、入口を一つにする実験へ

14人による比較では、片方の鼻孔をふさいだときは、両方を使うときより追跡の成功率が低く、速度も落ちました。論文の報告では、成功率は両鼻の66％に対して片鼻では36％、速度は平均26％低下しています。

ただし、片鼻をふさぐと、左右の位置情報だけでなく、取り込めるにおいの量や、鼻の両側へ情報を送る条件も変わります。そこで、より的を絞った器具の実験が行われました。

「鼻プリズム」と呼ぶ器具には、外の空気の入口を中央の一つにまとめ、そこから左右両方の鼻孔へ空気を送る通路があります。両鼻へは空気が届きますが、もともとの左右に離れた場所から採取する利点がなくなります。

比較用の器具は、空気の入口を左右に分けたままにしました。練習した4人が両方の器具に慣れたうえで、それぞれ3回ずつ道を追いました。

左右を分けた器具では12試行中9試行で成功。入口を一つにした器具では、12試行中5試行に減りました。速度も平均24％低下し、両方の違いが統計的に有意でした。この結果が、左右の鼻孔で異なる場所を同時に嗅ぐ利点を、より直接的に支えています。

## 二つの鼻孔は、追跡を助ける

一連の結果から研究者は、人間も香りの道を追うことができ、その際、鼻を動かして順番に嗅ぐ情報に加えて、左右の鼻孔の情報を比べる利点があると結論づけました。片鼻や一つの入口でも成功例はあり、複数の手がかりを組み合わせて追跡していると考えられます。

一方、練習と器具の実験は4人、空気の流れの測定は1人です。人工的に作った香りの道を、鼻を地面へ近づけて追う条件で得られた知見です。犬との能力の優劣や、日常の歩行中にどの程度使えるかを直接比べた研究ではありません。

それでも、左右の鼻孔を単に同じにおいを取り込む二つの入口と考えるより、少し離れた場所から情報を集める仕組みと見ることで、鼻の働きの別の面が見えてきます。

## まとめ

人間は、ほかの感覚の手がかりを減らしても、草地に作られた香りの道を追うことができ、少人数の練習では速さと正確さが改善しました。

さらに、左右両方の鼻へ空気を送ったまま、外の空気を取り込む入口を一つにすると成績が落ちました。二つの鼻孔が別々の場所を嗅ぐことには、においの方向を探り、道を追ううえで具体的な利点があると示した研究です。

研究は米陸軍研究局および米国国立衛生研究所（NIH）の助成を受けています。著者は競合する金銭的利益なしと申告しています。

**参考文献**

Porter J, et al. (2007). Mechanisms of scent-tracking in humans. *Nature Neuroscience*, 10, 27–29（オンライン公開2006年）. [原著論文](https://doi.org/10.1038/nn1819)／[著者公開全文](https://www.researchgate.net/publication/6627139_Mechanisms_of_scent-tracking_in_humans)
