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title: "香水の香りは、どんな言葉で語られる？"
description: "中国語の香水レビュー約3万件から、香りを語る言葉を分析。素材や場面、人物像、好みがどう表現されるかを調べた研究です。"
url: https://lechercheurdeparfum.com/how-chinese-perfume-reviews-describe-scents/
date: 2026-10-12
modified: 2026-10-12
author: "Root"
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categories: ["香りの科学"]
tags: ["言葉・色・人の印象"]
type: post
lang: ja
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# 香水の香りは、どんな言葉で語られる？

バラのような香り。乾いた香り。落ち着いた人に似合いそうな香り。同じ香水を語るときでも、私たちは材料の名前だけでなく、手触りや人柄、使う場面まで持ち出します。こうした言葉は、どのように整理できるのでしょうか。

2026年、Han Zhouらは、中国語の香水レビュー29,372件を分析しました。研究の目的は、中国語で香りを語る語彙や表現の型、文章に表れる感情的な評価を調べることです。英語を中心に進んできた香りの言語研究に、中国語の大規模な文章資料を加えようとしました。

## 36種類の香水に寄せられた文章を分析

資料は香水レビューサイトNoseTimeに、2016年から2023年9月20日までに投稿された文章です。香調の分類が確認でき、300件を超えるレビューがあることを条件に、フローラル、フレッシュ、ウッディ、アンバーの四系統から36種類の香水を選びました。29,372という数字はコメントの件数で、同じ人数の人に実験をしたわけではありません。

研究では、三つの方法を使い分けました。まず無作為に選んだ300件を文単位で読み、香りに関する表現を人の手で分類しました。次に、香調ごとに無作為に500件ずつを選び、よく一緒に使われる言葉から話題のまとまりを探す計算手法を使いました。さらに、全29,372件について、文章が肯定的か否定的かを自動判定しました。

つまり、三つの分析がすべて約3万件を同じ方法で調べたのではありません。少数の文章を細かく読む作業と、多数の文章の傾向を計算する作業を組み合わせた研究です。

## 香りを語る、三つの表現の型

文章を読んで整理した結果、香りの表現は大きく三つに分かれました。一つ目は、具体的な物や場面に結びつける表現です。バラ、コーヒーのように香りのもとを挙げるほか、ある風景や過去の体験の場面を思い描く表現も含まれます。

この資料では、香りのもととなる物を挙げる言い方が、最もよく使われていました。一方、場面を描く言い方も繰り返し現れたため、研究者らは、物の名前を挙げる表現とは区別して整理しました。「何のにおいか」だけでなく、「どこにいるような気分になるか」も、香りを伝える手段になっていたのです。

二つ目は、香りの性質を抽象的に表す言い方です。強さを表す語のほか、甘い、苦い、乾いたといった、味覚や触覚にも使う語が含まれます。さらに、情熱的、成熟したといった、人の性格や印象を香りに重ねる表現も見られました。

三つ目は、評価する言い方です。好き、好ましくないという好みだけでなく、ある季節や場面に合う、ある人物像に似合うといった「ふさわしさ」の判断も含まれます。一つのレビューが、物の名前、香りの印象、好みを同時に語ることもあります。投稿を一件ずつ、どれか一つの箱に入れたわけではありません。

研究者らは、分類を作った後、さらに無作為に選んだ50件でも同じ作業を行いました。この追加分からは新しい分類が生まれず、今回の資料を整理する枠組みとして、三つの型が使えると判断しています。

## 香調によって、語られる話題も違った

計算による話題の分析では、文章に現れる言葉の組み合わせから、まとまりを探しました。研究者らは話題の数を変えて結果を比べ、解釈しやすさや内容の重複を考えて、四つに分けるモデルを選んでいます。話題の名前は、そこによく現れる言葉を見て研究者が付けました。

たとえばウッディでは、爽やかな苦みや、落ち着いた印象に関わる話題が見られました。フレッシュでは爽やかさや果実、柑橘の甘酸っぱさ、フローラルでは穏やかな印象や好み、アンバーでは甘さや濃厚さ、スパイシーさなどが話題になっていました。

複数の香調で、人柄や女性らしさを連想する表現も現れました。これは投稿者が香りに重ねた社会的なイメージであり、その香水を使う人の性別や性格が決まるという意味ではありません。

レビューを合わせた分析では、嗅覚的な体験、人柄や雰囲気、フレッシュな印象、果実の香りという四つの話題が抽出されました。こうした結果が示すのは、何が文章の中で一緒に語られやすいかです。香水の化学成分を測定した結果ではなく、レビューに登場する素材が実際に配合されていると確認したものでもありません。

## 肯定的な文章は約73％だった

全コメントをBaiduの文章解析サービスで判定すると、21,520件が肯定的、7,852件が否定的に分類されました。割合は約73％と27％です。香調ごとの肯定的な割合は約71～75％で、統計的には香調との関連が見られました。

ただし、この数字は利用者が満足度の質問に答えた割合ではありません。文章から推定した分類結果です。また、レビューが多い香水を選び、投稿された文章だけを調べています。中国の人々全体の好みや、ある香調が人を肯定的な気分にする効果を示す数字にはなりません。

文章の自動判定には、比喩や文脈を取り違える余地もあります。この研究では、香水レビューに対して判定がどれほど正確かを、別途、人の評価と照合した検証は報告されていません。

## 香りの言葉には、記憶や自己表現も含まれる

著者らが重視するのは、香りの説明が、鼻で感じる性質の説明だけに収まらなかったことです。ある場面を描く表現には記憶や感情が、人柄や似合う場面を語る表現には、香水を身につけて自分をどう見せるかという意識が関わる可能性があります。

この見方では、香水は服や装身具のように、状況や気分、人物像と結びつけて語られるものです。ただし、研究で測ったのは文章です。投稿者の記憶を実験で確かめたり、香水によって実際の対人印象が変わるかを試したりしたわけではありません。

同じ香調について多様な表現が見られたことも、経験や香りの記憶の違いを反映するかもしれません。しかし、この分析だけでは、別々の人の違いと、一人の人の中での感じ方の変化を分けることはできません。

## 中国語と英語の違いは、まだ直接比べていない

三つの大きな表現の型は、英語などを扱った先行研究と重なります。一方で著者らは、今回の中国語の資料では、具体的な物や場面、人物像や社会的なふさわしさを語る表現が目立つと論じています。

ただし、同じ香水について中国語と英語のレビューを集め、同じ方法で比較した研究ではありません。先行研究とは、文を分類するか、単語同士の関係を見るかといった方法の違いもあります。見つかった違いを、そのまま言語や文化の違いと確定することはできません。

また、話題の自動分析では、前処理で一文字の語を除くなどの選択がされています。どの言葉を残すか、話題をいくつに分けるかによって、見える構造は変わり得ます。香りの言葉に唯一の正しい分類が見つかったというより、この資料を理解するための見取り図が得られたと考えるのが適切です。

研究は中国国家自然科学基金の支援を受け、著者らは利益相反なしと申告しています。

## まとめ

中国語の香水レビューには、物や場面にたとえる表現、香りの性質や人物像を表す表現、好みやふさわしさを評価する表現が見られました。香調ごとに話題の傾向は異なり、自動判定では全体の約73％が肯定的な文章でした。

この研究の意義は、香りを表す言葉を、素材名の一覧より広く捉えたことにあります。香りの言葉には、感覚だけでなく、その香りと結びついた経験や、身につける自分のイメージも含まれる。著者らは、この構造を整理することが、香りの伝え方や製品設計、香りに関する文章を扱う計算モデルの基礎になると考えています。次の課題は、同じ香水の他言語の文章や、実際に嗅いで答える実験と照らし合わせ、言葉の違いが何を反映するかを確かめることです。

## 参考文献

Zhou, H., Zhou, K., Zhu, Z., & Zou, L.（2026）. The language of scents: a corpus-based study of Chinese perfume descriptions. *Humanities and Social Sciences Communications*, 13, 1149. DOI: [10.1057/s41599-026-07494-4](https://doi.org/10.1057/s41599-026-07494-4). [原著全文](https://www.nature.com/articles/s41599-026-07494-4)。© The Author(s) 2026. 原著のライセンスは[CC BY-NC-ND 4.0](https://creativecommons.org/licenses/by-nc-nd/4.0/)です。
